生後1週間の時にダウン症の可能性を指摘され、確定診断のために血液検査をした、その数日後。
私も産後2週間弱で、精神的に弱気になっていました。
毎晩、産んだはずの娘が側にいない寂しさと、これからの不安で泣いていました。
そんな中、ある日面会に行った病院の売店で、
少年がおにぎりを選んでいたんです。
小学3〜4年生くらいの少年でした。
私も彼の後ろでおにぎりを選んでいたのですが、おにぎりの陳列棚は少し高いところにあったんですね。
彼は背伸びしてひとつのおにぎりを手に取り、
そのおにぎりを見ながら、独り言のように
「これ、何味なんだ⁇」って言ったんです。
塩むすびのおにぎりだったので、私は「お塩と海苔だけなんだって」と教えてあげました。
すると彼は、私の顔を見ることもなく、
「そっかぁ〜」とまた独り言のように納得して
レジへ走って行きました。
走り去る時に初めて横顔で彼がダウン症の少年だったことに気がつきました。
そして、私はなぜだかすごく嬉しくて、気持ちが軽くなったんです。
彼は1人で、好きなおにぎりを選んで買うことができている。
ダウン症なんて全く関係なさそうだった。
むしろ助けてとも教えてとも言われないのに、私が思わず勝手に彼の質問に答えてしまうほどの、人懐っこいオーラを身にまとっていた。
なるほど。
私は心配していたのだ。
もしわが娘がダウン症だったら⁇
どれくらい成長できるのか。
どれくらい人の助けがいるのか。
それを受け入れて助けてくれる人がこの社会にどれほどいるのか。
それをあの少年は、たった1分ほどで全部解決してくれました。
もちろん、ダウン症児の発達には幅がある。
でもそれを含めて、
心配ばかりしてても仕方ないじゃない、と。
意外と全然普通なんだよって。
そして私の心は軽くなり、明るくなりました。
数週間後、私が次女のダウン症確定を思いの外すんなりと受け入れられたのは、彼のおかげといっても過言ではありません。
※まぁ、気持ちの浮き沈みはまだあるし、 この後1人で受診した産後1ヶ月検診では号泣したけど…ね
![キョロキョロ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/016.png)
里帰り先のその病院からはもう転院してしまったけど、もし彼に会えたらお礼が言いたい。
ありがとう。
あの瞬間、あなたは私のヒーローだったよ、と。