愛・地球博20周年記念行事
7日の日曜日は楽しみにしていた。愛・地球博20周年記念行事のイベントに参加してきました。今年は個人的にもこのイベントに関わってきたこともあり、何とか参加したいなぁと思っていたものです。幸い申し込みが早かったのか、このイベントの抽選で当選することができました。まさにラッキーです。
街では大阪万博が話題に登っていますが、この2005年の愛・地球博ほど後世に遺産が残っている万博は無いのではないでしょうか。そのことが今年20年祭というこの記念イベントにも現れています。1970年の大阪万博では、モニュメントとして太陽の塔が残っていますが、今回の大阪万博には一体何が残るのでしょうか。ループなど一部残しても維持費がかかるだけです。この愛知万博会場に作られた「サツキとメイの家」が拡大発展し、今では跡地が「ジブリパーク」として再生されています。こういう継承的なことが今回の大阪万博では更地に戻してしまうと言うことで、何も残らないような気がして残念です。万博なんてただ騒げばいいと言うものではないと思います。そして今回感じたのは技術的な面だけでなく、文化的な側面としても、この愛・地球博が多大な資産を残していると言うことです。その1つが今回のイベントに現れていたのではないでしょうか。参加したアーティストは、地元愛知の出身の人間で固められてはいますが、音楽遺産としてはいろいろな楽曲が作曲されたこともあり、その遺産が今回のこのイベントでも歌い継がれていたことに現れています。
ただのお祭りイベントではありませんから、一般財団法人地球産業文化研究所と言うところが主催していました。個人的にはイベント等でこの研究所が所有する森蔵とキッコロの肖像権の使用についての申請とかで関わらせてもらいましたが、ここが万博として黒字を出していたことが今回のイベントにもつながっていると思われます。午後2時からの開催でしたか終了までは2時間30分ぶっ通しのイベントとして開催されました。最初はお決まりの代表の挨拶と関係者の紹介でしたが、それが終わるといきなり松平健のマツケンサンバが始まりました。オープニングのつかみとしては最高のパフォーマンスです。これで一気にお祭りモードになり会場が盛り上がりました。20周年ということで、2005年の愛地球泊を知っている人にとっては、20年の歳月が流れているわけです。結構年配の方も見えるということで、それにふさわしい松平健さんの登場は願ってもないものでした。
舞台手前にはオーケストラピットが用意されており、発表されてはいませんでしたが、愛知県の大学を中心とした大学生による20歳前後の演奏者が集められたスーパーオーケストラが結成されていました。通常のイベントですと、既存の音源を使ったパフォーマンスがほとんどなのでしょうが、今回は愛地球博のメインテーマを作曲した渡辺敬之さんが指揮するオーケストラがほとんどの伴奏を務めました。これは画期的なことです。
ステージの前にはグリーンのカーペットが敷かれてアリーナ席まで伸びています。ここでの演舞も披露され、会場全体を使ったパフォーマンスが繰り広げられました。ちょうど先月末には名古屋ど真ん中祭りも開催され、そのメンバーたちも登場して非常に賑やかなステージになっていました。
そして中学高校生たちのコーラスをバックに控え、夏川りみさんや森山良子さん、そして石井竜也さんが2005年の万博で披露した楽曲を再び歌い上げてくれました。竹下恵子さんは2005年の愛知9泊では、日本間の総官庁と言う立場であり、その歴史を振り返る中で、ご自身の苦労や何かを話していましたが、こういうイベントについての苦労話は当事者でないとわからないものです。当時の愛知県のトップには豊田自動車の会長だった。トヨタ正一郎下足下通ったようで、トヨタの看板政策である。日々改善を会場でクレームがあればすぐ対応すると言うような形で実践されたと言う裏話も聞けました。今では一般的になっているICチップ入りの入場券も、この愛知万博で初めて採用され、また会場内にAEDが設置されたのも、この万博が最初でその威力も証明されました。
今年の大阪万博では、多分音楽アーティストとしてはコブクロぐらいしか目立たなかったのではないでしょうか。同じ大阪万博でも、1970年の時は、海外からも、著名な音楽家が大挙して来日し万博に花を添えていました。クラシックに限っていっても、ベルリン・フィルを筆頭にクリーヴランド管弦楽団、トロント交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックなどそうそうたるオーケストラが来日していました。今回の大阪万博は、そういう話は全く聞きません、多分文化の面においてはほとんど考慮されなかったのではないでしょうか。会場も更地に戻し、文化的遺産も何にもないと言うことでは、今回の大阪万博はカジノを作るためのパフォーマンスとしか思えないような気がしています。
このイベントの模様は下記のリンクで見ることができます。ただ、、せっかくのイベントなのに権利関係で、夏川りみ、石井竜也、緑黄色社会の部分はカットされています。それでもよかったらリンクをクリックしてみてください。9月30日まで限定配信されています。
今回のイベント「逢祝」という文字が使われています。そう、ただの「奉祝」では無いのです。20年後に逢えた喜びを表しているのです。