1970年の大阪万博
断捨離で整理をしていたらこんな冊子が出てきました。1970年の大阪万博のドイツ館で配布されていたグラモフォンのレコードカタログです。日本語、英語、ドイツ語で紹介されていて、全部で603枚のアルバムが展示されていました。
確かこれらのレコードは聞くことができたと思います。カタログはヨハン・ゲオルグ・アルブレヒツベルガーのハープ協奏曲からはじまり、最後の603枚目はライナー・リーンの指揮、アンサンブル・ムジカ・ネガティヴァ」というジョン・ケージの「アトラス・エクリプテイカリス」で締めくくられていました。ベートーヴェンのレコードはほぼ国内盤で発売されていて日本盤のレコード番号も記載されていますが、トップページはカラヤンとアバドが見開きで紹介されていて、今となってはこの時すでにベルリンフィルの後継者がカラヤンに次いで取り上げられているのにびっくりです。
このグラビアは総勢49名紹介されていますが、そこにはフルトヴェングラーは含まれていません。時代を感じます。ちなみに、他に取り上げられている指揮者はカール・ベーム、カール・リヒター、オイゲン・ヨッフム、ハンス・ウェルナー・ヘンツェ、ラファエル・クーベリック、それにオットー・ゲルデスという布陣です。ピアニストはトップがゲザ・アンダで、アルゲリッチ、続いてエッシェンバッハ、ケンプ、ロベルト・シドンと続きます。シドンなんて知らないという人がほとんどではないでしょうか。ヴィラ・ロボスの作品で知られるようになりますが、1970年当時はまだ29歳の若さでした。それでグラモフォンと契約しているのですから驚きです。
さて、これは西ドイツ館に置かれていたものですが、非売品でした。販売していたのは下のレコードです。ベートーヴェンの生誕200年の記念のレコードですが、このレコードは会場でしか手に入りませんでした。で、こちらは500円でした。こちらはネットオークションではたまに販売されていますから目にする機会は多いのではないでしょうか。小生も購入しました。500円でしたが豪華見開きジャケットで、ベートーヴェン全集の紹介を兼ねたサンプラーのような内容でした。
このレコードは曲目がちょっとしょぼく、交響曲は全く収録されず、コリオラン序曲とケンプの独奏のある「皇帝」から2-3楽章とディースカウの歌う「のみの歌」、そして聴いたことのないOp.103の八重奏曲という内容でした。内容からしたら中途半端であまり売る気が感じられませんでした。ただ、万博の土産と考えると菓子などと違い形で残るし、CPは高いと思って購入したものです。多分このレコードで一番聴いたのはこの八重奏曲だったでしょう。
けだし、これは今でも大評判として流通しています。