ぺルルミュテールのショパン
曲目/ショパン
A1 | 前奏曲 変ロ長調 作品28の16 = Prelude, Op.28 No.16 In B Flat Minor | |
A2 | 夜想曲 嬰ヘ長調 作品15の2 = Nocturne, Op 15 No.2 In F Sharp Major | |
A3 | 円舞曲 ホ短調 遺作 = Waltz, No.14 Op. Posth. In E Minor | |
B1 | マズルカ 嬰ハ短調 作品50の3 = Mazurka, Op.50 No. 3 In C Sharp Minor | |
B2 | 練習曲 ホ長調 作品10の3 "別れの曲" = Etude, Op.10 No.3 In E Major |
ピアノ/ヴラド・ペルルミュテール
録音/1961
コンサートホール SM959-A
こんなレコードも今回発掘できました。17㎝LPです。今回は最初からステレオと印刷されています。ヴラド・ペルルミュテールの名前を最初に知ったのもコンサートホールのレコードでした。もっともそちらはLPで「ショパン・リサイタル」という名前で1962年に発売された物でした。今回取り上げているのは多分同時期に発売されたもののようですが、収録曲は30㎝LPとは全く違います。で。LPの方は1962年度フランス・A.C.C.ディスク大賞受賞を受賞しています。下がそのジャケットです。
コンサートホールは各国盤が存在しますが、ステレオを全面に打ち出しているのは日本盤だけでデザインも日本盤だけ違います。イギリスパンは下のデザインです。
初期イギリス盤
オーストラリア盤
淡いグリーン色は初期盤で、ブルーはステレオ盤でよく使われています。この日本盤の特徴は欧州盤との大きな違いは「CHOPIN」の文字のうち「IN」の文字が上下に縮められていて、そのスペースに「full STEREO」の文字を配置していることです。こういうデザインは日本版のです。他国はステレオ表記は「Favourites」のスペースの上に印刷されています。この字体も国によって違うんですなぁ。
さて、ポーランド系ユダヤ人でフランスに帰化したピアニスト、ヴラド・ペルルミュテール(1904年5月26日、リトアニア、コヴノ~2002年9月4日、フランス、ヌイイ=シュル=セーヌ)は、ラヴェルから直接教えを受けたことで有名ですが、もう一つのレパートリーの柱がショパンでした。晩年イギリスの「ニンバス」レーベルにショパンの録音を大量に残していますが、このコンサートホールの録音はステレオ初期の名盤として記憶されている物です。
最初の「前奏曲 変ロ長調 作品28の16」は1分ちょっとの作品ですが、腕試し的なアプローチでサラッと引いています。今となってはやや録音が古く音の粒ダチが丸くなっているのが残念ですが、クルクル東国そのタッチの軽やかさはしっかりと感じることができます。
2曲目の「夜想曲 嬰ヘ長調 作品15の2」は今度はしっとりとしたタッチで今のピアニストからはあまり感じられないふくよかさと語りかけるようなタッチに魅了されおとの悪さはだんだん忘れてしまいます。
「円舞曲 ホ短調 遺作」は聴き親しんだメロディですが、音の紡ぎ方が独特でまるで物語を聞いているような錯覚を感じます。
B面の「マズルカ 嬰ハ短調 作品50の3」は個人的にはあまり耳にしない作品です。もともとショパンの作品はほとんど聞きません。手元にあるのもアシュケナージの演奏がほとんどでややロマンティックな表情づけがされていたのですが、ここでは粒立ちははっきりしていて音に濁りがないのが耳に心地よいです。
最期の「練習曲 ホ長調 作品10の3 "別れの曲"」は実にあっさりとしたタッチでタイトルに引きずられるとかえって肩透かしを喰うような演奏ですが、何回も繰り返して聴くには飽きのこない演奏です。でも、最近のショパンの演奏からするとこういうのはあまり受け入れられないのでしょうかねぇ。