バック・トゥー・1977 最初の海外旅行 8 | geezenstacの森

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バック・トゥー・1977 最初の海外旅行 8
 
 28日も、せわしないスケジュールでした。こんなスケジュールになっていました。
 
フランクフルト発  8:31 [64]
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ケルン着  10:52 S(Sightseeing)
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ケルン発  15:28 [64]
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ボン着   15:50 S、C(Concert)
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ボン発   23:54 [27]
       |
ザルツブルク着 9:39
 
というわけです。
 
 ユースホステルでの朝食はそそくさと済ませて、トラムまで歩き遅れないように中央駅に駆けつけます。この日はIC(iceではありません)でライン川沿いにケルンまで南下します。ICは主要都市間を移動する急行で特急ではありません。ICEとICは使う線路が違うのでコブレンツ経由のICでないとライン川沿いの景色を楽しめません。それも、列車の右側の席に限ります。そんなこともあり、二等席での移動でしたが列車はガラガラでした。
 
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 ドイツ鉄道の路線はライン川の西側に、川に沿って走っているので、途中に位置する様々な古城や川沿いの街などが見えます。ここでの鑑賞スポットは、モーゼル川とライン川の合流点に位置するコブレンツの城塞、エーレンブライトシュタイン城塞です。ちょうど電車がモーゼル川を渡るときに見えるのですが、2つの川を見下ろす城塞の荘厳とした雰囲気が電車からも望めます。
 
 もう一つ、ザンクト・ゴアールスハウゼンの近くに位置するローレライも、電車から見えます! ローレライとはライン川を下る船員を惑わす美しい歌声の主である少女の伝説ですが(または水の精という言い伝えもあります)、実際はライン川の川幅が狭くなっているところに位置する大きな岩山です。 ツアー旅行ではここは船下りなんでしょうが、列車のたびも乙なものです。
 
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 ケルンに着いたら、まずは腹ごしらえです。ケルン中央駅のすぐ前にもう大聖堂がどーんと構えています。そこに向かう右手前の一角に「マック」があります。この付近は歴史的な建物が残っていて、この店もそんな建物の一階構えていて、店内で食べながら大聖堂が見えて、ケルンが満喫できるはず。
 
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中央がケルン駅、すぐ左側が大聖堂で、11の建物の角がマックです。
 
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 ケルンの記憶はマックとこの大聖堂だけです。訪問日が月曜ということで、観光客はそれほどいなくて、大聖堂の中はがらんとしていました。中は薄暗く、ステンドグラスから漏れる光が淡く教会内を照らします。その雰囲気は荘厳で、オルガンの響きとコラールなんかが聞こえてきたらもう感動ものなんでしょうな。
 
 ケルンのシンボルになっている大聖堂は、正式名称は「ザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂」だそうです。
ゴシック様式の建築物としては世界最大であり、ローマ・カトリック教会のミサが開催されています。このケルン大聖堂は古い歴史を持っており、4世紀にはケルン大聖堂が建築されている場所に既に教会が存在していたそうです。現在のゴシック様式の大聖堂が建築が始まったのは1248年で、 財政難による建築中断を挟み、完成したのは1880年でした。この時点では、なんと世界最大の建造物だったそうです。
 
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 この日のメインはボンの訪問でした。何しろベートーヴェンの誕生の地ですし、何よりも当時はこのボンが西ドイツの首都でした。そんなことで、ボンに入って最初に訪れたのはベートーヴェンの生家でした。ボンは小さな町で駅から歩いていくことができました。
 
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ボンの町、BONNGRASSEにあるのがベートーヴェンの生家です。で、右上がコンサートホールです。
 
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このピンクの建物がベートーヴェンの生家です。
 
 3階建の建物の2階は主にボン時代、3階は主にウィーン時代のベートーヴェンに関する資料、その当時の楽器や ベートーヴェンと交流のあった人々、などが紹介されています。広くはありませんが 興味深い展示物が並んでいます。
 
 屋根裏のベートーヴェン誕生の部屋は 本などで見かけた方も多いかと思います。 ここであのベートーヴェンが生まれたのだ、と思うと感慨深いですね。
 
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入館時に貰ったパンフレット
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 館内は写真撮影禁止ということで、上はパンフレットに掲載されている2階の様子
 
 そこから程近いところにコンサートホールがあります。1977年2月28日はこのベートーヴェンホールでコンサートがあるという情報は早くからドイツ観光局に問い合わせた資料でわかっていました。観光局からは丁寧に23月のコンサートスケジュール表を送ってくれていました。ですから、チケットは生家を尋ねた後に窓口で購入しています。この日のコンサートは下記のようになっていました。
 
ウェーバー/魔弾の射手序曲
グラズノフ/ヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク/交響曲第8番
ヴァイオリン/オルガ・リットマン=スカラー
指揮/ガボール・エトヴェシュ
演奏/ボン・ベートーヴェンホール管弦楽団
 
というものでした。当時は指揮者は知らないし、ヴァイオリニストも未知の人でした。最近ではネットで調べれますから今回ようやく確認できました。ガボール・エトヴェシュはハンガリー生まれの指揮者ですが1964年にドイツ国籍を取得し、主にドイツで活躍している指揮者です。2007年にシュターツカペレ・ドレスデンとともに来日しています。
 
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 今回の旅行のルートはコンサートに行くことをひとつの目的にしていました。事前に貰った資料でチェックはしていましたが観光日時とコンサートはなかなか合いません。この貰ったリストではほかにこんなコンサートをチェックしています。
 
3/3 モーシェ・アツモン/北ドイツ放送交響楽団
   <曲目>ウェーバー/オイリアンテ序曲
      ヒンデミット/ウェーバーの主題による交響変奏曲
      ベートーヴェン/交響曲第3番
 
3/10 シクステン・エールリンク/ボン・ベートーヴェンホール管弦楽団
   <曲目>レスピーギ/ローマの噴水
      ラロ/スペイン交響曲(ルドルフ・ゲーラー)
      ドヴォルザーク/交響曲第7番
 
 アツモンはエロイカ、エールリンクはドヴォ7とどちらも魅力的でした。でも、旅行スケジュールの関係で上記のコンサートに決まりました。そのコンサートは可も無し不可も無しといったところでしょうか。最近までその名前の正確な読み方も知らなかった指揮者です。来日してもまったく話題にならなかったというか、酷評が多いという状況はさもありなんといったところでしょう。ドボ8を初めて生で聴けたことで良しとしましょう。
 
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Gabor Otvos 読めない名前です。
 
 さあ、コンサートが終わってもゆっくりしていられません。夜行でザルツブルクへ移動です。