SLC SOUNDTRACK SERIES CATALOGUE Vol.1 | geezenstacの森

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SLC SOUNDTRACK SERIES CATALOGUE Vol.1

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 机の引き出しを整理していたら1990年代のカタログが続々と出てきました。CD時代の到来とともに雨後のタケノコのように登場したマイナーレーベルのものがたくさんあります。そんな中で、映画音楽のそれもサントラに特化したレーベルとして異彩を放っていたのが「SLC」です。正式名称は「サウンドトラック・リスナーズ・コミュニケーション」。その略称をとってSLCと名乗っていました。大阪が本社のレーベルで日本コロムビアが発売もとになっていました。

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 1980年代からSLCは、和田さんが大阪で発足されたサークル「サウンドトラック・リスナーズ・クラブ」を前身としており、「警視の告白」(リズ・オルトラーニ)などのサントラLPを復刻したことなど、古くからのサントラファンの中ではよく知られた存在でありました。そして、本格的にCDを発売したのは1990年になってからでした。初期はアメリカの「Varese Sarabande Records」を中心に発売していて、さながら同レーベルの発売窓口のようでした。しかし、それ以外にもマイナーレーベルの一本買いのような形でカタログを埋めていました。

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 このカタログはその第1集ということもあり、その初期のラインナップが良く分かります。記念すべき第1弾はなんとあの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の第3作というものでした。このカタログでは左右両開きでCDの表裏をそのまま収録するというユニークなものです。それも、CDサイズでフルカラーです。ただ、どういうつもりでラインナップしたのか、リストを見ても「グレムリン」は2作目、「ロボコップ」に至っては第2作が先でその後に第1作が発売されていて、纏まりがありません。また、最後の方の「ミュージック・ボックス」以下は配給がハリウッドメジャーではなく今は無き日本ヘラルド系の配給作品ということで。殆ど知られていないのではないでしょうか。

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 また、ジェリー・ゴールドスミスの作品を3本並べていますが、トップが「猿の惑星」とはいかにも渋いラインナップです。レコード時代は「プロジェクト3」というマイナーレーベルから発売されていましたが多分一本買いのソースでしょう。ただ、正直にマスターテープに由来するノイズが入っていてもそのまま収録している辺り、いかにもサウンドトラックにこだわりのあるレーベルであったかを伺い知ることが出来ます。

 このレーベル社長の和田康宏(1957-1995)氏がほぼ個人で運営していたレーベルで、亡くなられると1997年に解散してしまいました。

 さて、映画音楽のそれもサントラファンというのは非常にニッチな存在で、バレーズサラバンドがネットで販売する限定版も3000枚程度というのが標準です。全世界で3000枚ですからその市場規模が知れます。

 学生時代、レコード店には映画音楽コーナーはありましたがサントラを専門に扱った店はほぼありませんでした。名古屋には唯一、栄電社(現エディオン)の旧本店の地下に「エスミー」というレコード店が入居しており、そこがかなりの品揃えをしていて、情報を仕入れに足繁く通いました。多分、このカタログもそこで入手したものでしょう。ここは、静岡が本社の「すみや」というレコード店の系列店でした。このすみやは全盛期関東にも進出していて渋谷のクロスタワーの2Fにサントラの専門店を出していました。

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 ここではサントラのCDのカタログを出していて、手元には2002年12月1日号があります。多分日本で唯一のサントラカタログではなかったかと思います。今ではその根気が無くなってしまいましたが、当時はこのカタログでめぼしい物をチェックして、購入の参考にしたものです。