ブラタモリ 1 | geezenstacの森

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ブラタモリ 1

監修 NHK「ブラタモリ」制作班
発行 角川書店

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 旅が何倍も楽しくなる!NHK『ブラタモリ』待望の書籍化!“坂の町・長崎”の始まりとは?長崎の近代化は海から?加賀百万石はどう守られた!?金沢は美のまち!?鎌倉800年の“まちづくり”とは?鎌倉が観光で発展し続ける理由は?---データベース---

 NHKの番組で欠かさず見ているものは、このNHK総合テレビで毎週土曜日19:30から放送されている「ブラタモリ」と、日曜夜9時からのEテレの「クラシック音楽館」ぐらいしかありません。その「ブラタモリ」は、町歩きの達人であるタモリさんが、知られざる町の文化・歴史や人々の暮らしに“ブラブラ歩きながら”迫り、新たな魅力を発見する内容となっていて、歴史的・文化的な側面から街の成り立ちを振り返ったり、地理学的・地質学的な方面から深く掘り下げるなど、普通の散歩・旅では気づかないディープな角度から楽しめる番組となっています。その番組を書籍化したものがこの本ですが、3つのロケの内容をこの一冊に凝縮するというのはちょっと無理な話で、それを補完する形での本編では語り切れなかったエピソードや、ロケの撮影風景の特別写真、行程がわかる地図なども掲載されるのが特徴でしょう。この第1巻では2015年度放送の第1回から第6回の長崎、金沢、鎌倉での内容を収録しています。ただ、この内容で1400円というのはちょっとたかいなぁというのが印象です。
 
「ブラタモリ」の見どころは、丁寧な解説で普段は目にとめないような町のディープな魅力を再発見できるところです。しかし、タモリさんには事前に収録内容は説明されていません。ただ、どこどこへ出掛けるということぐらいしか伝えられていないようです。それで、ロケ地で突然「タモ手箱」が登場してお題の調査という運びとなり、どこからともなく現れる専門家の方と一緒に町を探索するのですが、タモリさんは専門家からの質問にほぼ即答。時には、解説より先にタモリさんが説明してしまうこともあるほどです。その知識の豊富さは、毎回視聴者を驚かせてくれます。そのタモリさんは、「日本坂道学会」の副会長を務めるほどの、大の坂道好きです。番組内でも坂や断層を見るとテンションが急上昇!! 「ブラタモリ」を見るようになってから「地層」や「断層」というワードに反応するようになった方は多いはずです。

 この本の構成です。

<主な内容>

第1章 長崎 
”坂の町・長崎” の始まりとは? 外国人居留地/出島/岬の痕跡/道路の下の石橋
長崎の近代化は海から? 長崎港/池島/第二立坑

第2章 金沢 
加賀百万石はどう守られた?! 城下町の惣構/辰巳用水
金沢の「美」 ~金沢は美のまち!? 金沢城の石垣/金の川・犀川/金箔の工房

第3章 鎌倉 
800年前の『まちづくり』とは? 武士が暮らした「谷」/最古の築港和賀江嶋/
鎌倉の観光 ~鎌倉が観光で発展し続ける理由は? 江戸時代の観光ルート/江ノ電/幻の車両「タンコロ」

 ブラタモリ1巻では、長崎の目玉は軍艦島ではなく池島炭鉱。こういう所がデーィープですね。古い炭鉱マンションが残っており、予約制で炭鉱内にも入ることができます。金沢の目玉は金沢城跡の石垣です。まあ、金沢浄は天守がありませんから石垣がメインになってもおかしくはありません。初代前田利家、3代目前田利常、5代目前田綱紀の各城主の石垣に際立った特徴があり、時代背景に石垣のデザインが規定されるという分析には大変興味がわきます。鎌倉の目玉は、江ノ島から長谷寺(鎌倉大仏)までの極楽寺切り通し経由のルートです。このルートが鎌倉を一大観光地に導いた歴史があります。鎌倉の地形が分かる穴場、浄光明寺と和賀江嶋もポイントとなります。

 この書籍版『ブラタモリ』は第1、2巻は7月末に同時に刊行され、以下第3、4巻は9月末、第5、6巻はこの11月末に刊行予定だそうです。

■各巻で取り上げる街
第1巻 長崎 金沢 鎌倉
第2巻 東京駅 富士山 上田・沼田(真田丸スペシャル)
第3巻 函館 川越 奈良 仙台
第4巻 松江 出雲 軽井沢 福岡
第5巻 札幌 小樽 日光 熱海 小田原
第6巻 松山 沖縄 熊本

 特に第6巻の熊本は地震の前に収録された貴重なロケでした。書籍化に際しては地震後のことにも触れられているかが興味の湧く所です。