11月の散財 |

レコードの復活ではないですが、中古店周りをしているとどうしても、Cdよりもレコードを探してしまいます。これも、コレクターが高齢になり他界して家人が処分したものが市場に流れているせいでしょう。確かにこういうものを遺品で残されても再生するプレーヤーはそうそう自宅にあるわけでも無し、CD世代にとっては扱いに苦慮する粗大ゴミでしかないでしょう。ヤフーのオークションでも大量のレコードが捨て値で出品されています。まあ、玉石混淆のそういうものには手を出すつもりはありませんが、じっくり店頭で吟味出来るものはついつい手に取ってしまいます。
今回は演奏者が珍しいので救出してきました。河出書房版の「世界大音楽全集」は今迄にもいくつか入手していますが、今回は「英雄」が収録されているのでゲットしました。多分、このメロディア原盤の演奏はCD化されていないのではないでしょうか。演奏は、コンスタンチン・イワノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団です。この演奏はまったく知りませんでした。てもとに、昭和50年に発行された「月刊サウンド12月臨時増刊号」のベートーヴェンディスコグラフィー特集があるのですが、これにも、コンスタンチン・イワノフの記載はありません。
珍しいといえば、ヴァイオリン協奏曲のイーゴリー・ベズロードニー、ピアノ協奏曲のルドルフ・ケーレルとまったく未知の演奏者です。まあ、珍しい演奏のオンパレードなんですな。考えてみれば、レコード時代ビクターから発売されていた「新世界」や「メロディア」というレーベルは今は何処も扱いがありません。そんなことでCD化されていない音源がゴロゴロしているのではないでしょうか。
もう一組は小学館から発売された世界の大音楽全集(全20巻)のうちの12巻を入手しました。こちらは東芝音楽工業(当時)が原盤を担当しています。個人的にはクリュイタンスのベルリオーズの「幻想交響曲」はレコード時代には所有していなかったので触手が動きました。この全集にはEMIの音源でも後に廉価盤シリーズで発売されたものが大半なのですが、幻想はマルケヴィチの演奏ものが取り入れられていたのでこのクリュイタンス盤はレギュラーでしか発売されたことがありません。こんな演奏が書店経由の全集では投入されていたんですなぁ。2枚目にはカイルベルト/ベルリンフィル、ベルリン市立歌劇場合唱団でのウェーバーの「魔弾の射手」も含まれています。それもこのシリーズは2枚組で2800円と準レギュラープライスで販売されていたのです。こういうものが、今安価に手に入るのはうれしいことですが、断捨離世代となった今では複雑な心境です。