NHKの「歴史秘話ヒストリア」は好きな番組ですが、既に7年も続いていたとはびっくりしました。番組としては「そのとき歴史は動いた」の後継番組としてスタートしていたんですなぁ。ナビゲーターは当初は黒田あゆみと表記されていましたが、現在では渡邊あゆみと表記されていました。調べてみると再婚されていて、今の旦那の製に改めていたんですな。
この番組、再放送で見ることが多く、30日の放送も再放送でしたが、渡邊あゆみさんがこの番組に登場する最終回ということで、スペシャルな内容になっていました。この回までに、246回が放送されています。で、この回は総集編ということで、これまで放送された内容から番組ホームページで歴史上の人物に関するアンケートを実施し、番組独自のランキングを作ったものが放送されました。歴史上の出来事や人物は取り上げ方によって評価が異なります。これは大河ドラマや単発スペシャルものなどのNHK流の料理の仕方が大きく影響しているのかもしれませんが意外なランキングでもありました。そのランキングは以下のようになっていました。
●好きな人ベスト5
①土方歳三 ②織田信長 ③伊達政宗 ④石田三成 ⑤毛利元就
●夫にしたい人ベスト5
①土方歳三 ②織田信長 ③伊達政宗 ④石田三成 ⑤毛利元就
●夫にしたい人ベスト5
①黒田官兵衛 ②前田利家 ③真田信幸(信之) ④土方歳三 ⑤毛利元就
●夫にしたくない人ワースト5
①豊臣秀吉 ②太宰 治 ③織田信長 ④徳川家康 ⑤伊藤博文
①豊臣秀吉 ②太宰 治 ③織田信長 ④徳川家康 ⑤伊藤博文
●妻にしたい人ベスト5
①まつ(芳春院) ②おね(高台院) ③お龍 ④新島八重 ⑤千姫
①まつ(芳春院) ②おね(高台院) ③お龍 ④新島八重 ⑤千姫
●妻にしたくない人ワースト5
①日野富子 ②淀殿 ③北条政子 ④春日局 ⑤卑弥呼
①日野富子 ②淀殿 ③北条政子 ④春日局 ⑤卑弥呼
●上司にしたい人ベスト5
①土方歳三 ②聖徳太子 ③近藤 勇 ④徳川家康 ⑤黒田官兵衛
①土方歳三 ②聖徳太子 ③近藤 勇 ④徳川家康 ⑤黒田官兵衛
●上司にしたくない人ワースト5
①織田信長 ②豊臣秀吉 ③源 頼朝 ④石田三成 ⑤太宰 治
①織田信長 ②豊臣秀吉 ③源 頼朝 ④石田三成 ⑤太宰 治
●一緒にお酒を飲みたい人ベスト5
①坂本龍馬 ②豊臣秀吉 ③一休 ④土方歳三 ⑤真田信繁(幸村)
①坂本龍馬 ②豊臣秀吉 ③一休 ④土方歳三 ⑤真田信繁(幸村)
最初の好きな歴史上の人物ランキングで5位の毛利元就は三本の矢の教えで有名ですが、数ある戦国時代の武将の中で、彼が選ばれているのは意外でした。4位の石田三成も、関ヶ原の戦いでは西軍の中心として徳川家康と対決。主君・豊臣秀吉への忠義を貫きましたが、歴史的には敗者の武将です。3位は伊達政宗で仙台を拠点に活躍、トレードマークは兜でファッションセンスは戦国一とうたわれ、兜の付きのマークは印象的です。最近では、ブラタモリでその城下町の街作りの計画性に納得です。2位の織田信長は鉄砲など常識破りの発想で天下統一のカリスマとしての人気があるのは当然でしょう。しかし、好きな歴史上の人物ランキング1位に選ばれたのが土方歳三というのは意外でした。新選組のナンバー2で幕府が滅ぶ中、榎本武揚らとともに武士として最後まで戦い抜いたのは見事です。実際、利家は愛妻家であり、主君・信長の茶坊主がまつを侮辱すると、その場で切り捨てたといいます。事実、利家は一時織田家家臣から追放されています。一方まつは夫のピンチを救っていて、利家と豊臣秀吉は親友でしたが、秀吉と戦うことになり秀吉に負け城へ逃げ帰って、そこに秀吉が来たが引きこもったといいます。その時、代わりにまつが出迎え、秀吉への戦勝祝いをし、戦ったの本意ではなかったことを伝え、仲をとりもったというエピソードが紹介されていました。
一方、夫にしたくない人ランキング1位は豊臣秀吉です。秀吉は上司にしくない人にも顔を出していますから、現代ではよっぽどの嫌われ者と映っているのでしょう。確かに、豊臣秀吉は上昇志向が強く、側室の大半は大名家の姫だったということを考えるとさもありなんでしょうが、NHKの大河ドラマ「太閤記」で秀吉を好演した緒形拳も草葉の陰で嘆いていることでしょう。また2位の太宰治にもびっくりです。ピースの又吉が惚れ込んでいるにも関わらず、その行動には破天荒な部分があり、こういう評価になったのでしょうなぁ。太宰は飲みたくない人ワースト5にも顔を出していますからねえ。よっぽど酒癖が悪かったのでしょう。個人的には5位の伊藤博文は何となくわかります。最近彼のことを書いた本を何冊か読んでいますが、さもありなんと思うことが多々ありますからね。他方、妻にしたくない人ランキング5位に卑弥呼が入ったのも意外でした。当時の日本はまだまだシャーマニズムが一般的な時代です。現代人の視点からすると、それは恐怖政治のように映るのでしょうかね?
さて、上司にしたい人で2位に聖徳太子が顔を出しているのも意外でした。個人的に今読んでいる本では、聖徳太子像の本質に迫っているのですが、暗殺が繰り広げられた飛鳥時代の中で彼もそういう立場の一人だったことが描かれているからで、古代日本で初めて憲法を作ったり同時に何人もの人の話を聞くことができたという逸話の聖人君子的な評価はちょっと違うのではないかと思っているからです。聖徳太子は晩年は妹子と対立し、暗殺されたような痕跡すらありますからねぇ。
さて、この会のヒスとリアでは番外編として、ヒストリア秘話スポットランキングも紹介していました。5位の厳島神社はさもりなんで、海上社殿で床の高さは潮の満ち引きを計算している世界でも類のない建築物です。ただし、番組的秘話スポットは神社の後ろの弥山でした。頂上には巨大な岩があり、平安時代にはここが信仰の対象となっていたと紹介していました。そして、キング4位には松江城が選ばれています。2015年に5つ目の国宝天守に指定されているんですな。天守のカタチは望楼型という構造で安土城、大阪城など失われた天下人の城と同じ構造で建てられたままの姿で保存されています。ちなみに残りの4つは、松本城、犬山城、彦根城、姫路城です。
さて、3位は沖永良部島の西郷隆盛像が選ばれていました。32、3歳の姿で上野に比べ細い身体であるのが特徴です。西郷は最高権力者の島津久光と折り合わず、田舎者呼ばわりしたため、1年半の間沖永良部島に流罪に遭っています。下の写真がその像です。上野の西郷さんより存在感があります。

ヒストリア秘話スポットランキング2位は岩手・遠野のカッパ淵、そして1位が渋谷のハチ公像。いや、そうではありません。なんと、東京大学構内に2015年に誕生した上野英三郎博士に飛びつくハチの像なのです。ハチが昭和10年3月に亡くなっていらい先生に巡り会うことが出来たのだそうです。
このかいは、内容盛りだくさんで最後に世界史の話題2つが取り上げられました。1つは秦の始皇帝の兵馬俑で驚きの事実がわかってきたことで、発掘された兵士の像の中で着色された像が見つかり、全て着色されていたことがわかったのです。なんでも着色に使われた5色は秦と周りの土地を表すとも考えられるそうです。そして、もう一つはクレオパトラの話題でした。絶世の美女クレオパトラは最強を誇るローマ帝国さえ操ろうとした。身をじゅうたんで包みローマの英雄カエサルの前に突然現れた逸話が取り上げられました。鼻の話題ではなかったのです。それは別として、現在でもアレクサンドリアでは海底の宮殿の調査が行われています。そして、近年ではクレオパトラの墓とされる遺跡も見つかっていますので、何れ新しい事実が発見されるのではないでしょうか。
この番組、4月からは毎週金曜日午後8時からのゴールデンに移ります。ナビゲーターは井上あさひアナウンサーに交替になります。若返りでしょうかね。