E.L.P レディース・アンド・ジェントルメン | geezenstacの森

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E.L.P 
レディース・アンド・ジェントルメン
 
曲目/
A面(ディスク1)
1. ホウダウン
2.聖地エルサレム
3.トッカータ

 

B面(ディスク1)
タルカス
1.噴火
2.ストーンズ・オブ・イヤーズ
3.アイコノクラスト
4.ミサ聖祭
5.マンティコア
6.戦場~エピタフ

 

C面(ディスク1)
1.タルカス-アクアタルカス
2.石をとれ:スティル…ユー・ターン・ミー・オン~ラッキー・マン

 

D面(ディスク2)
1.ピアノ・インプロヴィゼイション
2.石をとれ
3.ジェレミー・ベンダー~シェリフ

 

E面(ディスク2)
1. 悪の教典♯9 第1印象

 

F面(ディスク2)
1. 悪の教典♯9 第2印象
2. 悪の教典♯9 第3印象

 

キーボード/キース・エマーソン
ギター/グレッグ・レイク
ドラムス/カール・パーマー

 

録音/1973/11 ロサンゼルス/アナハイム
   1974/4/18 ウェムブリー・エンパイヤ・プール イギリス

 

P:ドミニク・ファイフェ
E:ジョナサン・ストークス、内藤祐助、川島龍、山崎由香

 

MANTICORE MC 3-200

 

イメージ 1
 

 

 この3月10日にピストル自殺をしたキースエマーソンを忍んでこのアルバムを取り上げます。ある意味にコラス・アーノンクールの死去より個人的にはショックでした。早い話しがクラシックの音楽かはクラシックしか見向きもしないのが普通ですが、このキース・エマーソンは根本はロックなのですが、そのデビューはバッハの演奏で飾っており、更にはバンド時代はジャズのキーボード奏者としてならしていました。つまりは、エマーソンの音楽性の根本にはジャズ、クラシック、ロックの3本の柱があったのです。凄いことですなぁ。これぞミュージシャンといっても過言ではないでしょう。彼らの一般的にヒットした代表的なアルバムは「展覧会の絵」ですが、これはクラシックに根ざしたロックです。

 

 小生もE.L.Pの名前を初めて耳にしたのはやはり、「展覧会の絵」でした。ただし、その当時はロックのミュージシャンが片手間にクラシックを演奏している程度にしか思っていませんでした。しかし、この「WELCOME BACK MY FRIENDS TO THE SHOW THAT NEVER ENDS... LADIES AND GENTLEMAN」という長ったらしい名前のアルバムをえさ箱で見つけた時は一瞬手が止まりましたが、そこに付けられていた価格が安かったのです。これレコード時代はLP3枚組でしたが、何を血迷ったのかLP一枚分の価格が付いていました。こういう時はとっさに抱え込むものです。まあ、ELPの名前も知っていましたからねぇ。ただ、こんなアルバムを発売しているとは、一応クラシックのレコードを目当てにしていた当時はまったく知りませんでした。

 

 ですから、買って帰ってもほとんど期待しないで聴いたレコードです。ただ、最初の「ホウダウン」からびっくり仰天です。当時、コープランドはかろうじて知っていて、「ビリー・ザ・キッド」とか「アパラチアの春」などは聴いていましたし、このーホウダウン」が収録されている「ロデオ」も所有していました。そう、冒頭の1曲目はまごうことなきコープランドの「ホウダウン」だったのです。で、この曲の紹介と供にアナウンスされているのがタイトルになっている言葉、「WELCOME BACK MY FRIENDS TO THE SHOW THAT NEVER ENDS... LADIES AND GENTLEMAN」なんですなぁ。そして、圧倒的なテクニックでこのホウダウンが演奏されるのです。

 

 

 で、3曲目の「トッカータ」では更にショックです。ふつうトッカータと家は゛バッハですが、ンなとここで演奏されているのはヒナステラの「ピアノ協奏曲第1番の第4楽章が使用されています。ここではカール・パーマーのドラムスというかパーカッションが冴えています。

 

 

 さて、この1961年に作曲された原曲に興味がわきました。ロックからクラシックを知るという現象ですな。今では、YouTubeで簡単に検索をすることが出来ますが、当時は原曲を知ることの方が大変でした。いまでも、余程のクラシックファンで無いとこの曲は知らないのではないでしょうか。さて、その原曲は下記のようになっています。

 

 

 ELPのアレンジが如何に素晴らしいものであるかが、原曲から推し知ることが出来ます。これをたった3人で演奏しているのですから恐れ入ります。まあ、ELPのLPでいえば第5作の「恐怖の頭脳改革」に収録されています。このアルバムからは「悪の教典♯9」が全曲収録されていますから如何にこのアルバムが彼らの最高傑作かが分るのではないでしょうか。

 

 また、アルバム「タルカス」からはタイトル曲の「タルカス」が全曲収録されています。それらの銘板をここではライブで演奏しているのですから、彼らの実力のほどが伺い知れます。まあ、ここの曲を紹介していてもしょうがないので、アルバム全体を聴くことにしますか。

 

 


 このアルバムに触発されて、ELPは他に「4部作」も手に入れました。こちらでは各々のソロが3面に渡って収録されていますが、第4面にはコープランドの「庶民のためのファンファーレ」が収録されています。そして、何を隠そうELPのシングルで一番売れたのはこの「庶民のファンファーレ」だったというから驚きです。

 

 E.L.Pおそるべし、そして、それをリードしたキース・エマーソンの驚くべきパフォーマンスに今更ながら脱帽です。素晴らしい才能がまた一つこの世から消えてなくなりました。最後にその最大のヒット曲のロングバージョンを聴きましょうか。合掌!!