101ストリングス/ジョン・デンバー |
曲目/
1. Thank God I'm a Country Boy 2:12
2. She Brings the Man out in Me 4:06
3. Rocky Mountain High 3:20
4. Let the Night Go On 3:32
5. Calypso 3:02
6. Leaving on a Jet Plane 4:05
7. Follow Me 2:31
8. Annie's Song 2:34
9. Back Home Again 3:54
10. Take Me Home, Country Roads 2:58
演奏/101ストリングス、コーラス
リリース/1976
スペインGRANMUSIC GM-529(原盤米ALSHIRE S-5328)

スペインを旅行したのは学生時代のことです。バックパックスタイルで1ヶ月かけてヨーロッパを回りました。いうなれば卒業旅行の始まりの頃のことです。スイスのジュネーヴからTEEという国際特急列車の「カルタン・タルゴ」に乗りのスペインのマドリッドまで行きました。殆ど行き当たりばったりの旅で、夜の8時過ぎにマドリッドについても宿は決まっていませんでした。当時はスペインは、前年まではフランコ独裁下の国でした。そんなことで町の至る所に軍隊が銃を持って立っています。でも、治安はそんなに悪くは無かったです。とりあえず観光案内所でB&Bの安宿を紹介してもらい、友人ら3人でホテルに転がり込んだことを覚えています。
スペインという国について殆ど知識の名なかった小生は、闘牛とフラメンコぐらいしか知らず、この町にザグラだファミリア教会のあることすら知りませんでした。でも、町のシンボルですから何処からでもこの教会は見えます。でも、今でもそうですが工事中とばかり思って中には入らなかったことが悔やまれます。国が変わればしきたりも変わるように、スペインは午後は皆商店は休みます。これには焦りました。一ヶ月も履いていた靴はぼろぼろで買い替えようと思っていたのに肝心の店が空いていないのです。しょうがないので夕方まで待ちましたが、唯一マドリッドの駅の近くのレコード店がオープンしていました。そこで、時間つぶしに物色して購入したのがこの101ストリングスのアルバムです。
タイトルはスペイン語ですが、ジョンデンバーの名前は分ります。曲目も、「ロッキー・マウンテン・ハイ」や「カントリー・ロード」、「緑の風のアニー」などヒット曲が含まれています。これは、買うっきゃないと入手した一枚です。演奏も101ストリングスと名が通っていますしね。この店で勝ったのはクラシックとイージー・リスニングが半々ぐらいでしたが、全部で10枚ほど購入したのを覚えています。
この店での購入は殆ど旅の終わり頃ということで、最終地のフランスはパリで購入したレコードとあわせて、機内持ち込みで日本へ持ち帰りました。帰りの成田の税関で、荷物のほとんどがレコードだったので職員に呆れられました。
さてさて、ヨーロッパの到る所でレコードを買いあさりましたが、そのほとんどは船便で日本送りにしました。つまり、持ち帰りのレコードが一番最初に我が家で聴いたレコードという事になります。そんななかで、このレコードは当時がっかりした一枚になりました。101ストリングスは初期はその名の通り弦楽器奏者が101名もいて壮麗なストリングスを聴かせたオーケストラでした。処が、このアルバムはその片鱗も伺い知れません。何となれば安っぽいスタジオ・オーケストラレベルの編成のオーケストラです。それも、オーケストラ演奏だけならまだ納得出来ますが、全編コーラスが入っているのです。アルバムをひっくり返しても、コーラスのコの字も表記されていません。何か騙された気持ちになったものです。
これはこの時期、アメリカ系のオーケストラはこぞってコーラスをイージーリスニングに取り入れた結果なんでしょう。ヘンリー・マンシーニ、パーシィ・フェイスしかり、レイ・コニフしかりです。アメリカはそういうブームだったんでしょうね。別に小生はコーラスが嫌いなわけではありませんが、イージーリスニングはメロディを楽しむカテゴリーだと思っているのでコーラス入りは好みではありません。ですから、こういうコーラス入りのアメリカのイージーリスニングは殆ど手を出しませんでした。
ただし、ただしですぞ。年を取って時代が変わればこういう演奏も捨てたもんじゃないなぁと、最近思うようになって来ました。そんなこともあって、久しぶりにレコードラックからこの一枚を取り出しました。考えてみれば、このジョン・デンバーのアルバム名曲ぞろいです。もちろんデンバーですからコントリーソングであるのは当然ですが、如何に1970年代ジョン・デンバーがヒットを連発していたかが分ります。日本ではオリビア・ニュートンジョンのヒット曲として知られる「カントリー・ロード」もオリジナルはジョン・デンバーなんですからね。「緑の風のアニー」なんかはパーシィ・フェイスもカバーしています。何しろ全米で1974年にナンバーワンに輝いていますからね。ジョン・デンバーの曲でもう一曲全米ナンバー1になったのは「悲しみのジェット・プレーン 」ですね。こんな演奏です。
ただ、残念なのは日本ではヒットした「太陽を背にうけて (Sunshine on My Shoulders) 」がこのアルパムには含まれていないことでしょうか。欧米の感性と日本の感性の違いがこういう所で分ります。そして、スペイン盤はアメリカ盤とは曲の配列が異なり、スペインでの人気度合いも又異なることが1毎のレコードから感じ取ることが出来ます。
下記のアドレスでこのアルバムの全曲を聴くことができます。
http://grooveshark.com/#!/album/Play+and+Sings+The+Songs+Made+Famous+By+John+Denver/8286550