東山植物園の温室の花で一番目につくのは「ハイビスカス」でしょう。熱帯の花として、とてもポピュラーな花です。マレーシアでは国花、ハワイの州花、沖縄市の市花になっています。しかし、真夏の高温にはさすがにグッタリして開花は鈍くなり、盛りはむしろ秋の9月10月が見ごろのようです。一口にハイビスカスといっても本当に数多くの品種がありますが、どの品種も色鮮やかで、明るい印象を与えるものばかりです。また、ハイビスカスは一日花なので夜になると閉じてしまいます。さすがアオイ科の花ですね。さい、写真はシモン・ボリバルという名前がついていました。「シモン・ボリバル」とは、19世紀初頭にスペインの圧政から南米諸国を解放した革命・思想家の名前で、ベネズエラ出身の英雄のことですが、最近では指揮者グスターボ・ドゥダメルが率いたオーケストラの名前としての方が良く知られているのではないでしょうか。

この花はラン科の植物の「ミルトニア」です。中央~南アメリカに分布するランの仲間で、約20の野生種が知られています。ラン科の中ではちょいと異端児で、樹木の幹などに根を張り付かせて生活する着生種です。

正式には「デンドロビウム・ファレノプシス」というそうですが、一般的には省略形の「デンファレ」といった方が解り易いのかもしれません。こちらも、樹木などに根を張り付かせて生活する着生ランで淡い紫紅色の花を咲かせます。
ペリストロフェ・アングスティフォリア

こちらは何とも覚えにくい名前の「ペリストロフェ・アングスティフォリア」です。キツネノマゴ科ハグロソウ属の植物で、花の色は鮮やかできれいなのに小さくて、他の植物の足元に隠れているので、あまり気づかれずにいる花です。

我が家の「ベニヒモ」はことしは元気に咲いていますが、さすが植物園の中の「ベニヒモノキ(紅紐の木)は、キャット・テール(Cat tail)の樹木版といった感じのトウダイグサ科エノキグサ属の低木です。

アカネ科ベニマツリ属の「ベニマツリ」は香りのよい赤橙色の花を咲かせる植物です。紅茉莉(ベニマツリ)はジャスミンに似た紅色の花という意味です。原産地はキューバ、パナマですが、日本へは明治時代の初期に渡来しています。色合いから、やはり南国の花というのが分ります。

アスクレピアスは、ガガイモ科で、和名をヤナギトウワタといいます。一般にはオレンジと黄色のツートンカラーですが、写真は「アスクレピアス・シルキーゴールド」という品種です。

けったいな名前の植物ですが、キツネノマゴ科バルレリア属の植物です。和名は「クビナガバルレリア」といい、花の筒状の部分が長いことからきているそうです。

これは先日の「内藤記念くすり博物館」でも取り上げた「ステビア」のことです。一般には「ステビア」ですが、別名で「アマハステビア」というのです。テビアには強い抗酸化作用があり、土壌を改良する力があり、土壌改良に植えられることもあります。夏 から秋にかけて、枝先に白い小花を咲かせるころに一番甘味が増すそうです。

ベニチョウジは明治時代に渡来したメキシコ原産のミソハギ科クフェア属の常緑低木で、写真のように筒状の鮮紅色の花が可愛いクフェア。実は、花に見えるのは萼で、先端は黒紫色の輪があり、さらにその外側は白色、葉と葉の中間部に花が着くなどかなりユニークです。別名「タバコソウ」と呼ばれるのも理解出来ます。

南国の花は鮮やかな朱色や赤い花が多いのですが、この「ジャワヒギリ」もそんな花の一つです。クマツヅラ科クサギ属の常緑低木で、ジャワヒギリ (ジャワ緋桐)というぐらいで美しい緋色をしています。

セージと付くからにはサルビアの仲間で、一般にはサルビア・エレガンスと呼ばれますが、葉っぱを軽くこすると爽やかな甘酸っぱい香りがするため、パイナップルセージとも呼ばれます。1日の日長が一定の時間より短くなるとそれに反応して花芽を付ける短日植物で、これからが見頃で、こちらも目の覚めるような緋色で目を惹きます。

これも変わった名前ですが、「アシスタシア・イントルサ」はキツネノマゴ科アシスタシア属の常緑低木です。原産地はマレーシア、太平洋諸島、西アフリカなどで枝先に淡い紅紫色を帯びた筒状の花をつけます。

こちらは温室では定番の「ゴクラクチョウカ」です。黄橙色の鶏冠のように見えるのが花(萼片)である。 くちばしのように見えるのは苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)です。バショウ科 ストレリチア属の植物で。日本には明治初期に渡来しています。

温室ではこちらも定番のプルメリア(Plumeria)は、熱帯地方では太陽をもろに浴び一年中輝くように沢山の花を咲かせるキョウチクトウ科プルメリア属の常緑小低木です。 花には芳香があり、ハワイではレイにも使われるのがこの花です。
この時期、一般には花枯れの季節ですから、温室の花は見逃せません。