ビック・ヒッツはこれだ! | |
A1 ドーター・オブ・ダークネス/トム・ジョーンズ 3:11
A2 ワイト・イズ・ワイト/ミッシェル・デルベッシュ 3:25
A3 あの愛をふたたび/フランシス・レイ 3:25
A4 ウォーク・ドント・ラン/ハーブ・アルパートとティファナブラス 2:23
A5 涙の天使/サンド・パイパーズ 2:20
トム・ジョーンズの世界
B1 プラウド・メアリー 2:46
B2 ふられた気持ち 4:15
B3 シュガー・シュガー 2:38
B4 ヴィーナス 2:44
ローリング・ストーンズGP
B5 テルミー 3:47
B6 レット・イット・ブリート 2:59
セルジオ・メンデスとブラジル66 ライブ・アット EXPO'70
B7 フール・オン・ザ・ヒル 2:59
B8 ドック・オブ・ザ・ベイ 2:59
キング DY4707-3

これも、先日紹介している古本屋で購入したプロモーション用の「見本盤」です。フィリップスと違うのはキングはA面にシングルの強力新譜を、B面は3本の矢と位置づけたアルバムから曲目をチョイスして収録している所です。これは1970年のレコードで、収録されているのはデッカ(ロンドン)を中心に、バークレイ、ユナイト、A&Mの音源です。

シングルは、小生でも知っている曲ばかりです。トップのトム・ジョーンズの「ドーター・オブ・ダークネス」はこの年の4月に発売されたシングルです。この年、トム・ジョーンズ人気が爆発し、テレビで「ジス・イズ・トム・ジョーンズ」という番組の放送が始まっています。そしてこの曲は、米国Billboard-Hot-100では1970/06/06に最高位13位に英国(UK)オフィシャルチャートでは1970/05/09に5位まで上昇しています。
2曲目のミッシェル・デルベッシュの「ワイト・イズ・ワイト」は1969年の曲です。この曲は1969年8月30・31日にイングランド南岸のワイト島で開催された第2回ワイト島ロック・フェスティヴァルIsle of Wight Festivalへのオマージュとして、同年作られています。
3曲目はフランシス・レイ楽団の演奏で「あの愛をふたたび」ですが、もちろんユナイト原盤ということでサントラ音源にもなっています。フランシス・レイ絶頂期の音楽で華麗なストリングスにチェンバロが絡みます。映画の原題は「UN HOMME QUI ME PLAIT(私が愛した男)」で、この曲は映画のこの曲は劇 中スタジオ録音の場面とラスト・シーンで流れます。曲は「Concerto pour la fin d'un amour(恋の終わりのコンチェルト)」というタイトルがついています。
なつかしいハーブ・アルパートとティファナブラスはベンチャーズの名曲「ウォーク・ドント・ラン」が収録されています。これは実際には1965年の「GoingPlace」というアルバムに収録されていましたが、日本では発売されなかったようです。ハーブ・アルパートとティファナブラスの人気は1968年10月から始まったオールナイト日本のテーマ曲に「ビター・スィート・サンバ」が使用され、人気に火がつきます。しかし、1969年には解散しています。そんなことで、古い録音からシングルカットして発売したのではないでしょうかね。ところで、このサンプルレコードに採用されているバージョンはフェイドアウトで曲が2:23で終了します。しかし、YouTubeにアップされているのはすべて、ぶつ切れで1:45ほどで唐突に終わっています。シングルとLPではバージョンが違うようです。
B面の「トム・ジョーンズの世界」は最初SLC-311という番号で発売されています。しかし、この時トム・ジョーンズ人気に火が着き、1969年に発売された「デイス・イズ・トム・ジョーンズ」で、既に「ラヴ・ミー・トゥナイト」がヒットしています。さらに「ライブ・イン・ラスベガス」も発売され、「デライラ」もヒットしています。そして、ここでは当時のヒット曲を歌ったアルバムを引っさげて夏にセールスをかけて来ました。このレコード音楽誌や芸能誌で絶賛され、1972年にトムが来日すると来日記念盤「ラ・マンチャの男~見果てぬ夢」GP-128とタイトルを変え、価格を上げ手配発売されます。アルバムには、I Can't Turn You Loose/ Polk Salad Annie /Proud Mary*** / Sugar, Sugar /Venus /I Thank You*** / Without Love* / You've Lost That Loving Feeling / If I Ruled The World / The Impossible Dream / Can't Stop Loving You* / Let There Be Love** *=1969 11/?? **=1969 3/18 ***=1970 2/2 Others = 1970 2/24,25
が収録されており、録音終了から僅か4ヶ月あまりで発売されています。この中からアーチーズのヒット曲「シュガー・シュガー」を聴いてみましょう。
が収録されており、録音終了から僅か4ヶ月あまりで発売されています。この中からアーチーズのヒット曲「シュガー・シュガー」を聴いてみましょう。
ローリング・ストーンズは当時まったく興味がありませんでした。ビートルズもそうですがイギリス・ロックは波長が合わなかったのかもしれません。まあ、今では聴きますけどね。このローリングストーンズのアルバムはGPシリーズで発売されています。いわゆるベスト物で、ヒット曲14曲が収録されていて収録時間が52分と、湯治としては長時間レコードになっています。何でも、日本だけで発売が許可になったアルバムらしいです。その中から「テル・ミー」です。この曲はシングルバージョンとLPバージョンでは長さが違いますが、当然LPバージョンが収録されています。
さて、最後の「セルジオ・メンデスとブラジル66」は1970年に来日したおりに制作されたライブアルバムです。この年の4月5日に大阪万国博記念ホールで収録され、3ヶ月足らずの7月1日発売というレコードです。日本独自の企画盤ではなくA&M本社が企画した全世界発売されたアルバムです。しかし、すでにこの音源は削除されています。ここではミュージックビデオで聴いてみましょう。
こうして見ると、1970年代はレコード業界が活気に溢れていたのが分ります。