名古屋城 その1--本丸御殿-- | geezenstacの森

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名古屋城 その1--本丸御殿--

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 玄関-車寄

 昨日の休みには午後から、5月29日より公開されている名古屋城の本丸御殿第一期分の玄関と表書院を見学に行って来ました。もともと名古屋城の本丸御殿は、昭和5年(1930)に城郭建築として国宝第1号に指定されていたものです。それが復元工事を経て第一期分が公開されたものです。この、6月9日までは玄関一之間を飾る国宝「竹林豹虎図」の実物も特別展示されているのでこれはいい機会だと出掛けたわけです。実物は大廊下にそのすぐ右隣が一之間ですから、コースとしては本物を見てから復元模写を見る形になります。午後から人出は少なくなっていましたが、それでも日に日に人気が上がっているのか、玄関前から並んでいました。この本物は4枚続きのうちの2枚だけが公開されています。

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  本物 竹林豹虎図(一之間東側襖絵)
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  模写復元図 竹林豹虎図(一之間東側襖絵)
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  竹林豹虎図(一之間北側襖絵)
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  竹林豹虎図(一之間西側襖絵)

 さすが本物は、色合いは年月を経てくすんではいますが狩野派の力強い筆さばきが堪能出来ます。名古屋城本丸御殿は、狩野貞信・狩野探幽など当代一の狩野派の絵師により、
部屋ごとのテーマで描かれた床の間絵、襖絵などの障壁画で彩られていました。襖には虎と豹が描かれていますが、虎は戦国時代後期の武将に勇猛さを表すとして尊ばれたそうです。

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 二之間東側襖絵
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 二之間北側襖絵
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 二之間西側襖絵

 こちらは二之間の襖絵です。
 ところで、この本丸御殿全体では1,300面の作品が描かれています。今回の玄関・表書院の公開分だけでも、大小合わせて134面有るということです。大きなものは床の貼付け絵、小さいものはと小脇の違い棚の天袋の絵だそうです。そして、全体のうち1,047面が重要文化財に指定されているということです。もっとも、南面の障子は開け放たれているので見ることは出来ませんけれどもね。

 見学コースはもう一度大廊下を渡り表書院に向かいます。ことらは江戸時代は大広間と呼ばれたところで、上段之間から一之間・二之間・三之間・納戸之間にいたる広大な建築になっています。表書院の各部屋は、主に花鳥画で飾られています。一之間は「桜花雉子」が、三之間は「麝香猫」が描かれるなど穏和な中に雅趣のある雰囲気が漂っています。三之間は部屋の仲間で入って見学することが出来ます。こちらは東側が明取りとなっているので、障子戸になっています。ここにも絵は描かれています。

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  三之間東側襖絵
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 三之間北側襖絵
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 麝香猫図(三之間西側襖絵)

 二之間と一之間は外側から見学するだけです。但し、一之間から藩主が鎮座した上段之間は障子が開いていて様子を伺い知ることが出来ますし、西側からも見学出来るように障子が半開になっています。ただし、この右奥の納戸之間は公開されていません。

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 二之間東側襖絵
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 二之間西側襖絵

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 一之間東側襖絵
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 一之間北側襖絵

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 上段之間東襖絵
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 上段之間北襖絵
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 上段之間天井の構造
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 上段之間突出し天窓

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 伝統の技を感じる玄関の庇部分

 本来はじっくり見学したかったのですが、人が多いのでまた日を改めて訪れようと思います。そうそう、何時もは有料の展示会を開催している名古屋城天守閣二階で、
名古屋城本丸御殿 玄関・表書院公開記念特別陳列「本丸御殿復元へのあゆみ・一歩一歩」を開催しています。こちらの展示も見応えが有り、名古屋城が一時、名古屋離宮として宮内庁の所轄になっていたことを初めて知りました。そういう話はまた別の機会で・・・