ハーブ・アルパート/ライズ
曲目/
01.80モスクワ・オリンピック 2:25
02.ライズ 7:37
03.ビハインド・ザ・レイン 5:34
04.ローテーション 5:12
05.ストリート・ライフ 6:42
06.ラブ・イズ 4:28
07.アンジェリーナ 4:13
08.アランフェス 5:01
録音/1979
クレジット
Abraham Laboriel(Bass), Abraham Laboriel(Guitar (Acoustic)), Andy Armer(Piano), Andy Armer(Synthesizer), Bill Reichenbach Jr.(Trombone), Bob Findley(Trumpet), Bob Magnusson(Bass), Carlos Rigs(Guitar), Carlos Rios(Guitar), Chris Pinnick(Guitar), Emil Richards(Percussion), Harvey Mason, Sr.(Drums), Herb Alpert(Trumpet&Vocals), James Jamerson, Jr.(Bass), Jay Dee Maness(Guitar (Steel)), Jerry Knight(Bass), Joe Sample(Piano) HALLMARK AHM3163
クレジット
Abraham Laboriel(Bass), Abraham Laboriel(Guitar (Acoustic)), Andy Armer(Piano), Andy Armer(Synthesizer), Bill Reichenbach Jr.(Trombone), Bob Findley(Trumpet), Bob Magnusson(Bass), Carlos Rigs(Guitar), Carlos Rios(Guitar), Chris Pinnick(Guitar), Emil Richards(Percussion), Harvey Mason, Sr.(Drums), Herb Alpert(Trumpet&Vocals), James Jamerson, Jr.(Bass), Jay Dee Maness(Guitar (Steel)), Jerry Knight(Bass), Joe Sample(Piano)

カーペンターズ、ブライアン・アダムスセルジオ・メンデスとブラジル66、そして、ハーブ・アルパートとティファナブラスなどが在籍したA&Mレコードは、1962年の設立なんですが、設立者は ジェリー・モスと、今回取り上げるこのハーブ・アルパートです。60年代から70年代にかけてはもっとも活気のアルポピュラー・レーベルの一つでした。レコード時代は、キングレコードから次々と話題作が発売されていましたが、この「ライズ」が発売されたのは1979年で、発売窓口はアルファ・エンタープライズからに変わっていました。その頃はとっくに国内盤には興味を失って輸入盤中心の生活をしていましたから、全然知りませんでした。アメリカでは当たり前のようにA&Mから発売されていましたからね。そうそう、YMOのアルバムもアメリカではこのA&Mから発売されていてのです。

さて、このジャケットの「RISE」はほとんど見かけたことがないのではないでしょうか。これはイギリス盤です。いわゆる再発もので、ちゃんとA&Mのライセンスものですが、一世を風靡したPickwick翼下のHallmarkから1985年に発売されました。ライズのイメージにぴったりのダークオレンジ色のモノトーンで纏めたジャケットはシンプルですがインパクトがあります。イギリスのレコード店で見つけたときは、一瞬シングルLPかと思いましたが、ちゃんと裏面には8曲がクレジットされていたので捕獲したものです。

さて、そのハーブ・アルパートは’60年代には自らのバンド、ティファナ・ブラスを率い、これまでに7度のグラミー賞を受賞しているトランペット奏者です。インストゥルメンタル・ナンバーと自らが歌ったヴォーカル・ナンバーの両方でナンバー1ヒットを持つ唯一のアーティストという珍らしい記録の持ち主でもあるですね。そのインストゥルメンタル・ナンバーの方でのナンバー・1ヒットとなったのがこの「ライズ」を収録したのが本作品です。当時のアメリカの人気テレビ番組「ジェネラル・ホスピタル(現在でも放送中です)」で、この「ライズ」が使用された事で人気が急上昇してナンバー1を記録したんですなぁ。おまけに、グラミー賞の「ベスト・インストゥルメンタル」も獲得しているんです。その、タイトル曲にもなっている「ライズ」を聴いてみましょうか。普通はプロモ用の映像が有名なんですが、そちらは短縮版でしかなく、オリジナルは7分以上の曲ですからそちらの方をピックアップしました。ただ、当時は珍しかったこの曲のミュージック・ビデオには、奥様であり、その後「ネバーセイ・ネバーアゲイン」を歌うことになるラニ・ホールも出演していましたから、機会があたらそちらも検索してみて下さい。
|
こういうスタイルは懐かしいですね。日本で一番有名なのは「オールナイト日本」のテーマ曲でもある「Bittersweet Samba」でしょうな。これも、一般的には2分弱のバージョンが一般的ですがロングバージョンも存在します。そちらを聴いてみましょう。
7分もあると満腹になりますな。ちょっと横道に逸れましたが、このアルバムの冒頭を飾るのは「1980」で邦題のタイトルは「’80モスクワ・オリンピック」となっています。元々この曲はそのオリンピック用のテーマソングとして書かれたのですが、例のボイコット騒動でオリンピックは西側のアメリカや日本画不参加という状況になった大会です。まあ、曲としてはケチがつきましたがアルバムとしては大ヒットしたから文句の点け様が無いでしょう。まあ、とにかくこの曲でハーブ・アルパートはイメチェンしました。
個人的にはこのアルバムで「ライズ」に次いで気に入っているのは、ラストの「アランフェス」です。えっ、ラスト?とお思いの方もあると思います。最近リリースされたCDではボーナストラックが付いたせいで曲順が入れ替わっているんですよね。まあ、ボーナスはありがたいことですが、曲順が変わるとあるパムとしてのイメージが変わってしまいますからね。個人的にはちょっと受け入れられませんわ。曲自体はディスコ調のアレンジでノリノリの演奏になっています。そういえば「ライズ」もイギリスでのヒットはディスコで33-1/3回転で掛けるところを45回転で掛けてしまい思わぬアップテンポで軽快に音楽が鳴ったところから火がついたというエピソードがあるくらいですから、ディスコ調は受けたんでしょうな。そんなこともあって、CDのボーナストラックにはこの曲のダンスバージョンが収録されているのでしょう。
このアルバム、ティファナ・ブラス時代を含めると、11年ぶりにトップ10入りしたアルバムですが、バックミュージシャンも凄いメンバーが揃っています。ピアノにはジョー・サンプル、シンセサイザーにミシェル・コロンビエ、ベースにルイス・ジョンソンなど参加メンバーも豪華で、ハーブ・アルパートの華麗なトランペットをサポートしています。最後は「ローテーション」です。この曲は、後にキリンシーグラムのウィスキー、ロバート・ブラウンのCMで使われた「ビヨンド」に通じる雰囲気を持っています。