今年のサイトウキネンフェスティバルは最悪の状況になりつつありますね。26日のプレス発表ではついにメインプログラムのオーケストラコンサートも降板ということになりました。代振りは下野竜也氏だそうですが、ちょっと格が違うわなぁという感じがします。持病の腰痛が悪化したとかですが、8月1日の記者会見のときにはそんなことは一言も触れてはいませんでした。立って指揮できないのなら、椅子に座って指揮するという方策もありそうなものなのに、降板という事態はかなり身体的機能が低下していると考えざるを得ません。
まあ、発表ではチャイコフスキーの弦楽セレナーデの第1楽章だけは指揮するということですが、10分しか持たない体で指揮されてもなんだかなぁ、という気になってしまいます。今年はコンサートのチケットが取れなくて良かったのかもしれません。ちなみにチケットの払い戻しには応じないということです。まあ、オペラで転けてコンサートもキャンセルだらけになったらフェスティバルは火の車になってしまうでしょう。
来年のフェスティバルはどうなるのでしょうね。人ごとながら心配です。
以下はサイトウキネン・フェスティバルのホームページの公式発表です。
指揮者変更とプログラム追加のお知らせ 平素よりサイトウ・キネン・フェスティバル松本をご支援頂き深く感謝いたします。 さて、本日は皆様に小澤総監督の指揮予定であったオーケストラ・コンサートB及びCプログラムの指揮者の変更をお知らせさせて頂きます。 小澤総監督は、今年1月末に食道癌の手術を受け、国内外のすべての活動をキャンセル、このフェスティバルからの完全復帰に向け、療養と体力回復に努めてまいりました。おかげさまで癌の治療は無事に終わり、主治医からは転移はないとのお墨付きを頂きました。 しかしながら、ここにきて、長期入院・安静からの筋力低下に伴い、持病の腰痛が悪化、主治医に相談したところ、現段階では長時間にわたる指揮は、症状を悪化させる可能性が非常に高いため控えるべきとのアドバイスをいただきました。 主治医からのアドバイスに従い、本年のB及びCプログラムにつきましては、下記内容のとおり、予定の演目では、小澤総監督が最も信頼する指揮者の一人であります読売交響楽団の正指揮者・下野竜也氏に代わって指揮をしていただき、小澤総監督は現在耐えうる時間内での演目を1曲指揮することといたしました。 皆さまには、大変なご迷惑とご心配をおかけいたしますが、是非とも事情をご理解いただきますようお願い申し上げます。 なお、すでにご購入いただきましたチケットにつきましては、払い戻しはいたしませんので、合わせてご理解賜りたくお願い申し上げます。 サイトウ・キネン・フェスティバル松本実行委員会 チケットに関する問い合わせ先 TEL.026-229-5157(27日AM9:00~) 小澤征爾総監督からのコメント 皆様へ 私の病気療養に際しては、皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけ致しました。お陰様で、 癌の治療は無事に終わり、転移もなく、主治医からは”キャンサー・フリー(癌はなくなった)”とのお墨付きを頂きました。私も9月5日からのサイトウ・キネン・フェスティバル松本、オーケストラ・コンサートでの本格復帰を目指し、この数カ月体力回復に努めてまいりました。 しかしここに来て持病の腰痛がひどくなってしまいました。主治医に相談したところ、長期安静で筋力が低下したことが原因であり、現状で長時間の指揮をすることは回避すべきだとのご忠告を頂きました。私自身、大変残念であると同時に、皆様にはまた大変なご迷惑をおかけすることになりますが、今年のオーケストラ・プログラムBとCでは、発表されているプログラムに関しては、私の代わりに下野竜也さんに指揮をして頂き、私はコンサート冒頭で、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」より第1楽章を指揮することに致しました。 下野さんは私が最も信頼する若手指揮者の一人で、2008年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本でもゲスト・コンダクターとして素晴らしい指揮をして下さいました。今年もサイトウ・キネン・オーケストラと共に素晴らしい演奏をしてくれると信じております。 皆様には何度もご迷惑・ご心配をおかけし本当に申し訳なく思っております。9月のフェスティバル終了後は、12月のサイトウ・キネン・オーケストラのカーネギー公演を目指し、腰の治療に専念する所存です。 2010年8月26日![]()