手塚治虫の「ジャングル大帝」 |
曲目/
A面:ジャングル大帝主題歌
ドラマ「レオ誕生」
B面:ドラマ「レオ誕生」
うた 星になったママ
ジャングル大帝主題歌
作詞 石郷 岡豪
作曲 富田 勲
うた 平野 忠彦
星になったママ
作詞 山本 暎一
作曲 富田 勲
うた 泉 みどり
朝日ソノラマ M-28

一般には、国産初のカラーテレビアニメといわれています。しかし、それより先にカラーアニメの実験作品としては「ドルフィン王子」というものがありました。ただ、放送は白黒でなされたので一般には知られていません。世の中に出たのは、手塚治虫の作品の中では鉄腕アトムよりも古く、ストーリーの中で当時はまだ定説ではなかった大陸移動説がとりあげられているという画期的な作品でもありました。このテレビアニメが放送されたのは1965年の10月からだったのですが、どういうわけか第1話をカラーで見た記憶があります。当時はカラーテレビなんて珍しくて、我が家にも無かったころですからどこで見たのか不思議です。ただ、この番組第1話だけは鮮烈に覚えていますが、第2話以降はまともに見た記憶がありません。というのも、オープニングのタイトルはすばらしかったのですが、本編はそれまでのテレビアニメと同じ動画水準で、あまりにも落差がありすぎたのです。それだけ、このオープニングタイトルは力が入っていたということでしょう。音楽もすばらしく、広大なアフリカのジャングルを連想させるオーケストラを使ったテーマソングに魅了されたものです。音楽は後にシンセサイザー・ミュージックで一躍有名になる富田勳です。番組のオープニングは次のようなものでした。
アニメのテーマがフルオーケストラで演奏されるというのも初めてでした。このスケール、富田音楽に魅せられた瞬間でした。それにしても、バリトンによるスキャット、女声合唱、トランペット、ホルン、フルート、弦楽合奏、ピアノ、ボンゴ、コンガ、マラカスというのは変わった編成です。 そういう音楽を手に入れる手段は、当時はこのソノシートしかありませんでした。この「ジャングル大帝」のソノシートは音楽とともにドラマが収録されていますが、それはテレビの第1回放送分と同じ内容でした。このころのソノシートはテレビとは全く無関係のオリジナルストーリーが収録されているものが多くテレビの追体験をすることは殆ど出来ませんでした。つまりは、サントラであってサントラではないという世界なんですね。
そういう意味ではこの「ジャングル大帝」は満足できるものでした。ただ、完全なサントラではないのはソノシートの悲しいところです。テーマソングは確かにフルオーケストラの演奏ですが、ソノシートには歌が入っています。テレビのオープニングでは歌声も聴こえますが、それはハミングだけで歌詞はありません。歌っているのは平野忠彦で同じなのですが、バージョンが違うようです。さらに、このシートのドラマの途中で歌われる「星になったママ」は、テレビで使われていたかどうか覚えていません。そうはいっても「ジャングル大帝」の音楽には変わりはありません。この歌詞付きのテーマソングをシートがすり切れるまで聴き込みました。おかげで歌詞はいまでも覚えています。
アーアーアーアー ひびくこだま
アーアーアーアー レオの叫び
ジャングルの友よみんな
瞳かがやかせたちて
戦い進もう明日は 未来がまっている
アーアーアーアー ひびけこだま
アーアーアーアー 大空へ
アーアーアーアー レオの叫び
ジャングルの友よみんな
瞳かがやかせたちて
戦い進もう明日は 未来がまっている
アーアーアーアー ひびけこだま
アーアーアーアー 大空へ
多分、アニメソングで主題歌が無かった唯一のアニメ作品ではなかったでしょうか。そんなこともあって、番組のエンディングでは弘田三枝子の歌う「レオの歌」が途中から追加されました。また、YOUTUBEで検索したら、このテーマの歌詞入りバージョンもありました。ひょっとするとシリーズ後半ではこのバージョンも流れたのかもしれませんが記憶にありません。アニメ番組でテーマソングが無いというのはあまりにも片手落ちですからね。これがソノシート盤の音源です。
もう1曲収録されている「星になったママ」は下記になります。
さて、この「ジャングル大帝」、提供スポンサーはサンヨー電気でした。そして、このカラー放送をあおるような有名なコマーシャルが毎週流れました。それが下記のCMです。
この「エノケン」こと榎本健一 の歌うサンヨーカラーテレビのCMは非常にインパクトがありました。こんなこともあり、小生の記憶の中で「ジャングル大帝」と「サンヨー電気」は一体化してしまっています。