何の変哲も無い道路です。でも、この道路はつい先日まではセンターラインがありました。そうなんです。スピードを出させないためにセンターラインを消して対面通行に変更したのです。
元々この道路は川でした。農業用水が流れていたのです。その名残が道の右側に見えます。元々が用水だったこともあり、わざと道路を左右に湾曲させてまっすぐ走れないような工夫がしてありました。この道路の右奥手には小学校、左側には高校があります。そんなことで、この道は通学路でもあるわけです。歩道も充分取ってあり、所々にはベンチも設営されています。それでも、幹線道路の裏道としての利用が増えてきて、最近はビュンビュン飛ばす車が増えてしまいました。
そこで、最近歩道の両側に路側帯が新たに引かれ、センターラインが消滅しました。これは愛知県が採用した速度抑制策です。この方法は2000年に名古屋市で採用されたのがはじまりです。中央線をなくすことで、対向車と接触するかもしれないとの意識が生まれ自然とドライバーが速度を抑える運転をする効果を狙っています。
道路のセンターラインは対向車同士の仮想境界です。けれど、センターラインがあるのが「普通」になってしまったら、対向車線を気にしなくなって事故の予測をしなくなる・・・ということです。実際この試みは成功していて、全国にこういう道路が増えてきています。