NHKのオトマール・スウィトナー追悼番組 | geezenstacの森

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NHKのオトマール・スウィトナー追悼番組

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 今月8日に亡くなったドイツの指揮者オトマール・スウィトナー氏の追悼番組をNHKが大々的に放送します。昨年の若杉弘氏の時は大して特番を流さなかったことを考えると異例な扱いですね。まぁ、それでも放送されないよりもいいですけど。以下の放送スケジュールです。

 NHK交響楽団 名誉指揮者 オットマール・スウィトナー氏 追悼番組

1月8日、N響名誉指揮者のオットマール・スウィトナー氏が死去されました。 下記 追悼番組を放送いたします。 

1月24日	(日) 	09:00~11:00 	FM 	20世紀の名演奏 
N響名誉指揮者 オットマール・スウィトナーさんをしのぶ 
 
2月 7日	(日) 	21:00~22:00 	ETV 	N響アワー 
N響名誉指揮者 オットマール・スウィトナーさんをしのぶ 
 
2月15日	(月) 	01:00~04:00 		クラシック・ロイヤルシート 
クラシック・ドキュメンタリー 
「父の音楽~指揮者スウィトナーの人生」 
 
2月26日	(金) 	10:00~ 		BSシンフォニーアワー N響演奏会 
第919回 N響定期公演 ~オットマール・スウィトナー追悼~ 

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           ドキュメンタリーの1シーンよりホールに佇むスウィトナー

これらの番組の中で、2月15日放送予定の「父の音楽~指揮者スウィトナーの人生」は必見ですね。昨年の3月に放送されたものの再放送ですが、2007年ドイツZDF/Filmkombinatによるドキュメンタリーで彼の息子であるであるイゴール・ハイツマンが制作したものです。このドキュメンタリーは、ただ単純に功成り名を遂げた往年の名指揮者の半生を映像で振り返るだけのものではありません。まず何よりも、パーキンソン病のために指揮活動から身を引き、老いと病に向き合いながら余生を過ごしているスウィトナーという人間の「今」がリアルに映し出されています。病のためにいつも手が震え、85歳になって容貌もかなり衰えてしまったスウィトナーの姿を見るのは、彼の全盛期にナマを聴いた経験のある私には、多少の戸惑いを感じずにはいられませんでした。
 同時に、この番組は、スウィトナーの知られざる私生活を暴く番組でもありました。スウィトナーは、'70年代に東ベルリンの国立歌劇場の音楽監督を務め東ベルリンに妻マリタさんと暮らしていましたが、西ベルリンに住む愛人レナーテとの間にイゴールをもうけ、彼らに会うために毎週末「壁」を越えていたとことが明らかにされます。演奏旅行先からはレナーテとイゴールに「いつまでも君たちを愛している」と愛情のこもった手紙を書きながらも、正式な妻のマリタとは「互いに決して別れられない」と、「東」と「西」で二重生活をしていたというスウィトナーの過去が暴かれます。しかも、レナーテさんとの関係を密告する文書をスウィトナーが読み上げるシーンまであります。生のスウィトナーに迫る感動のドキュメントです。下はその予告編です。


 2月7日放送のN響アワーでは、
歌劇「魔弾の射手」 序曲 ( ウェーバー作曲 )
[ 収録: 1988年3月4日, NHKホール / 第1046回 N響定期公演 ]  
交響曲 第3番 へ長調 作品90 全曲 ( ブラームス作曲 )
[ 収録: 1989年11月16日, NHKホール / 第1095回 N響定期公演 ]
という最晩年の映像からの名演がチョイスされています。そして、2月26日のN響演奏会は、1984年1月11日, NHKホールで開催された1月A定期のプログラムがそのまま放送されます。曲目はいずれもモーツァルトで、
1. 交響曲 第39番 変ホ長調 K.543
2. 交響曲 第40番 ト短調 K.550
3. 交響曲 第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」
という3曲が演奏されています。