愛がこわれるとき | geezenstacの森

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愛がこわれるとき
原題 : Sleeping With The Enemy
製作年 : 1990年
製作国 : アメリカ
配給 : 20世紀フォックス配給
スタッフ
監督 Joseph Ruben ジョセフ・ルーベン
製作 Leonard Goldberg レオナード・ゴールドバーグ
製作総指揮 Jeffrey Chernov ジェフリー・チャーノフ
原作 Nancy Price ナンシー・プライス
脚本 Ronald Bass ロナルド・バス
撮影 John Lindley ジョン・リンドレイ
音楽 Jerry Goldsmith ジェリー・ゴールドスミス
編集 George Bowers ジョージ・ボワーズ
キャスト
Julia Roberts ジュリア・ロバーツ (Sara Laura)
Patrick Bergin パトリック・バーギン (Martin)
Kevin Anderson ケヴィン・アンダーソン (Ben)
Elizabeth Lawrence エリザベス・ローレンス (Chloe)
Kyle Secor カイル・セコール (Fleishman)

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あらすじ
 海岸を見下ろす瀟洒な別荘。そこで休暇を過ごすボストンで投資顧問を営むマーティン(パトリック・バーギン)とローラ(ジュリア・ロバーツ)は、見かけは申し分ない若い夫婦だった。しかし、異常に神経質で猜疑心の強いマーティンは、ひとたび激情に駆られるとローラに暴力を振るうこともしばしばで、そんな生活に3年以上も耐えてきたローラは、たまたま海岸に来ていた神経科医に誘われ、夫と一緒にクルージングに出て暴風雨に遇った夜、海に飛び込んで姿を消す。妻が水を恐れ、泳げないことを知っていたマーティンは彼女が溺死したと思って、さすがに茫然自失となるが、実はローラは生きていた。密かにYWCAに通って水泳を習っていた彼女は浜辺に辿り着くと、あらかじめ用意していた荷物を手に夜陰に乗じて夫のもとから脱出を果たしたのである。そしてバスで母のいる老人ホームの近くのアイオワの小さな町に向かうと、1軒家を借り、名前をサラ・ウォーターズと変え、過去を隠して第2の人生を送り始めた。そんな彼女にも隣家に住む大学の演劇教授のベン(ケヴィン・アンダーソン)との間に淡い交際が生まれるが、いつも肝心な時には心を見せないサラに、ベンは何か癒し切れない深い心の傷を感じ取っていた。一方、ローラを失った悲しみに暮れるマーティンはある日、ふとしたきっかけから彼女が実は水泳を習っていたことを知って疑惑を持ち、ローラから死んだと聞かされていた彼女の母がミネアポリスの老人ホームに移されて生きていることを突き止め、自分を偽って行方をくらましたローラの居所を執拗に追い始める。マーティンに見つかることを恐れるサラ(ローラ)は変装して母親に会いに行くが、マーティンもまた警察と偽って母親に接近してついにローラの居場所を知る。そうとは知らぬローラを今や復讐鬼に変じたマーティンの手が襲い、そこへ駆けつけたベンとの間で猛烈な格闘になるが、追い詰められたローラはマーティンの手から必死で銃を奪うと、もはや愛していないかつての夫に向けて引き金を引くのだった。---goo映画より---

 1991年といえば、前年「プリティ・ウーマン」でジュリア・ロバーツ人気が爆発した翌年ですね。ジュリア人気で引っ張ろうとしたお気軽なサスペンス映画といってしまえばそれだけのことですか、内容的にはテレビドラマで事足りる程度のものでしょう。でも、プリティ・ウーマン期記憶にありましたがこの映画はエアポケットの時期にあったので記憶にありませんでした。内容はジュリア・ロバーツが夫の暴力に耐えかね、逃亡生活をするサスペンス劇です。とうじDVって言葉はあったかどうかは知りませんがその問題をテーマにした作品で、神経質でサディスティックなP・バーギンの凄みある演技が光っています。それにしても、最初のシーンは幸せものの夫婦の別荘生活のシーンで始まります。

 そんななかで、早朝浜辺で抱き合ったとき夫の服を汚してしまうことへのこだわりでちらっと引っかかり、パーティに出かけるとき彼女のドレスが最初白なのに、出かけた時は夫の言いなりの黒いドレスに変わっていたりします。パーティから帰ってからのセックスシーンの場面で流れるベルリオーズの幻想交響曲はいきなり第5楽章からということにやや違和感を覚えます。そして、翌朝、夫マーティンのタオルがきちっと揃えてないと気が済まないという性格が描かれたときこの物語の異常性に気がつきます。そして、朝食後ヨットのオーナーの医者と話していたことを知るといきなり彼女を殴るのです。この事件で夫の暴力性が表面化します。

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 最初観た時は、なぜヨットの医者なのかといぶかしく思いましたがよくよく考えてみるとこれは彼女が仕組んだ逃亡のためのお膳立て脱多野ではと思うようになりました。殴られた後、医者のヨットでのセーリングを誘われたとき泳げないはずの彼女は断ろうとしません。ですから、その後のシーンで彼女は海岸端に設置されている街路灯の電球を割っています。したたかな彼女の計画性が読んで取れます。

 夫は黒とか赤の原色のドレスを好みますが彼女は一貫して自分の意志の時は白いドレスを着ています。これも彼女の意思を表しているのでしょうね。そして。おあつらえのようにその夜のクルージングは突然の嵐に見舞われます。彼女の脱出は成功です。ここまでの展開では、事故の直前に医者が標識のブイが見えたと叫んでいますから、てっきりこれが合図で医者と示し合わせての行動だったのではと思い込んでしまいます。しかし、この医者の登場はここまでなんですね。いささか思惑が外れます。

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 さて、彼女は一旦別荘に戻り逃走用の衣服に着替えます。髪を切りカツラをかぶり、指輪を捨てていきます。ここら辺の描写はいささか計画性があるようで無さそうな不思議な設定です。あとで、このトイレに流したはずの指輪が発見されるのですからお粗末です。とにかく3年と7月、6日の夫婦生活は終わりを告げます。ある意味、お金持ちに貰われた女性の悲劇なのでしょうが、ドメスティク・バイオレンスを正面切って扱ったというところは評価されるところです。

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 アイオワ州で新しい生活を始めます。しかし、時系列が無茶苦茶です。バッサリと切った髪があっという間にもとの髪型に戻ります。何じゃこりゃという気がしてしまいます。そこで知り合うのが隣に住む高校の演劇講師ベン。DV夫のことから男性恐怖症になってしまい
心を固く閉ざしていたローラを優しく包んでくれたのです。しかし、執念深い夫は、死んだはずの妻が生きていることを知り、街までやってくるんですね。私立探偵を雇ってということですが、画面では自らが刑事に扮して探しまわります。有能な投資コンサルタントがのこのこと乗り出してくるとは暇としか思えないのですが、母の入院する老人ホームでのスリリングなすれ違いは一つの見せ場ですが、その後の展開はいささかじれったい間延びしたものです。聞き出した演劇の講師を間違える場面は相手がホモということで笑わせますが、その後のローラの家でタオルの位置を揃えたり、台所の食品棚の缶詰の位置を揃えるのはいささかやり過ぎでしょう。

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 助けに入るベンがあっさり伸されてしまうのもご愛嬌ですが、もともとDV夫が所持していた拳銃で射殺するのですから正当防衛なのでしょうが、DVの夫を前にして警察に電話した後に夫を射殺するというのもアメリカ的解決方法です。こういう解決方法しか提示出来ないアメリカ映画はどうなんでしょう。いささか寂しい気がします。

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 しかし、この映画一貫してDVDのパッケージデザインは作品をイメージさせないもので納得がいきません。LDで発売された時の方が?澑かにセンスのいいデザインですし、映画のサントラ盤のデザインもなかなかのセンスです。この作品に関しては、日本独自のパッケージデザインを採用しても良いのではないでしょうか。下がそのDVDのパッケージデザインです。ぜったいLDの方がセンスがいいと思います。

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