ジャンパー | geezenstacの森

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ジャンパー

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原題 JUMPER
上映時間 88分
製作国 アメリカ 20世紀フォックス
初公開年月 2008/03/07
ジャンル SF/アクション/サスペンス

スタッフ
監督: ダグ・リーマン
製作: サイモン・キンバーグ  アーノン・ミルチャン ルーカス・フォスター ジェイ・サンダース
製作総指揮: ステイシー・マエズ  キム・ウィンザー ヴィンス・ジェラルディス ラルフ・M・ヴィチナンザ
原作: スティーヴン・グールド 『ジャンパー 跳ぶ少年』(早川書房刊)
脚本: デヴィッド・S・ゴイヤー サイモン・キンバーグ ジム・ウールス
撮影: バリー・ピーターソン
プロダクションデザイン: オリヴァー・スコール
音楽: ジョン・パウエル

キャスト
ヘイデン・クリステンセン  デヴィッド・ライス
ジェイミー・ベル  グリフィン・オコナー
レイチェル・ビルソン  ミリー・ハリス
サミュエル・L・ジャクソン  ローランド・コックス
ダイアン・レイン  メアリー・ライス
マイケル・ルーカー
アンナソフィア・ロブ
マックス・シエリオット
トム・ハルス
ジェシー・ジェームズ
クリステン・スチュワート
テディ・ダン

 あらすじ

  ミシガン州に住むデビッドは同級生のミリーに想いを寄せるごく普通の高校生。しかし、川でおぼれそうになった時、彼は自分に備わった途方もない“才能”に気付くことになる。冷たい川底から一瞬にして図書館へと“ジャンプ”していたのだ! 母が家を出て以来、人が変わってしまった父との生活にうんざりしていたデビッドは、1人ニューヨークへと向かう。15歳の彼が生きていくため次に瞬間移動したのは、銀行の金庫室だった。まんまと大金をせしめたデビッドだが、その存在に気付いた男がいた。“ジャンパー”を悪とみなし、彼らの抹殺を使命とする組織“パラディン”のローランドである。 10年後、デビッドはニューヨークからロンドンへ、オーストラリアの海へ、東京の繁華街へ、エジプトのスフィンクスへと飛び回り、“ジャンパー”の特権を謳歌していた。しかし、その秘密を守るため、常に孤独を強いられる生活。そんな時、ミリーと再会を果たしローマでのデートに誘うデビッド。楽しいひと時を過ごした二人の前に、突如現れた謎の青年グリフィン。そしてデビッドは“ジャンパー”の宿命、さらに母が秘めていた重大な秘密を知る……。

 前回紹介した「ネクスト」といい、この「ジャンパー」といいジャンル的には小生の好きな「SF」です。ただ、ネクストが大人の鑑賞に堪えれる作品であるのに対して、これはどう考えてもお子様向きの作品でしょう。公開週こそ断トツの1位だったようですが、その後は尻つぼみの興行成績がそれを如実に現しています。それでも20億円に届くというのですから恐れ入りますが・・・
 確認ですが、ジャンパーとはテレポート(瞬間移動)出来る新人類という意味あいでこの場合使われています。

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 スパイダーマンは同じお子様向きでも正義感溢れる由緒正しい映画ですが、この「ジャンパー」の主人公デヴィッド・ライスは自分の不思議な力を自覚すると、いきなり銀行強盗するのですから笑っちゃいます。こういうことで前半は金にあかせての豪遊をエンジョイします。でも、基本的にひとりぼっちなのですねぇ。さて、これからどうするのか、というターニングポイントでストーリーはSF一辺倒からアクション映画に変身です。ジャンパー狩りをする「パラディン」が登場します。ここら辺からやたらジャンプし出すのでテンポが速すぎてついていけなくなるところがあります。映画自体を88分の枠に収めていますので、どうにもストーリーが理解し難い展開があちこちにあります。15歳の少年時代は別の役者が演じているので全く気がつきませんでしたが、10年後は見違えるような青年になっていて、それがスターウォーズの若きアナキン役のヘイデン・クリステンセンに変わっているのです。映画が始まって13分頃にこの変身があります。それで共演のサミュエル・L・ジャクソンも登場していますから、さながら「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」の再現とも思えるヘイデン・クリステンセンとの戦いが見所となっています。

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 監督が「Mr.&Mrs.スミス」のダグ・リーマンということで、期待したのですがやや肩透かしを喰った感じですかな。アクションシーンはそれなりにテンポがあっていいし、撮影には世界各国の名所が実際に使われているということで映像的には楽しめます。スフィンクスの上でランチを食べるシーンは笑わせますし、傘を持ってイギリスはロンドンの時計台で佇むシーンはメリーポピンズをパロってます。

 SF的な細かい根拠などは全く虫の形で物語は進んでいきますが、後半のパラディンとの対決アクションはけっこう楽しめます。ローマのコロッセウム遺跡でロケしたアクションシーンは見物です。ここでの対決でグリフィンがようやく登場するのですが、この存在がなそのままの登場です。何の予備知識も無いままに見ると最初はパラディンの一味かと思ってしまうほどです。ここでは彼女のミリーと旅行で訪れているのですが、10年間の歳月はあまり感じさせません。ただ、彼の隠された能力は彼女にもこの時点では明らかにされていません。 

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 このコロッセウムでの対決の後デイヴィッドはローマ警察に捕まってしまいます。そこへ、突然に失踪した彼の母親が現われるのですがこれが唐突で理解出来ません。まあ、それはラストでは明らかになるのですが、このストーリー上では全く組織とは関わりなく動いているようなのでそれが分からないのです。しかし、このジャンパー狩りをする「パラディン」という組織、そもそも何処に所属するものなんでしょう。政府が関わっているものなのでしょうか。FBIとかCIAとは全く別な形で動いています。映画の中ではNSAと名乗っています。

 さて、クライマックスでは東京が登場します。109なんかが写っていますが渋谷でロケしたんでしょうね。渋滞する東京の街をベンツでジャンプしながら疾走するシーンは見応えがあります。ストーリーにはあまり関係はありませんが・・・

  そもそも「ジャンパー」とは突然変異というわけではなく、そういう種族があるということなのでしょうか。となれば「吸血鬼」と同じ扱いですなぁ。ちなみに映画の中では知らないうちにジャンパー狩りで一人殺されています。それでもって、同種の青年「グリフィン」がまた突如として登場します。で、それ以上の仲間のジャンパーが登場するかと言えば、これが登場しないんですねぇ。なんか出し惜しみのような気がする・・・ストーリーの終わり方を見るとなんか続編が簡単に製作出来そうな結末だし・・・宿敵ローランドも死んでいません。そして、何よりもデイヴィッドの母親もジャンパーを抹殺しようとする組織の人間であることが明らかにされます。これってスターウォーズのダースベイダーのパクリじゃないのという設定です。こんなことから続編の展開が読めてしまうぞ!噂によると、3部作になるらしいですなぁ・・・・

 音楽はジョン・パウエルでダグ・リーマンの作品はボーン・アイデンティティー以来の付き合いのようです。ハンス・ジマーの率いる「メディア・ヴェンチャーズ」のブレーンの一人で1990年代から活躍を始めています。オーケストラ・スコアとピアノをフューチャーしたコンボスタイルの音楽とを巧くミックスさせたスコアを書いています。打ち込み系のパーカッションのリズムがオーケストラサウンドとマッチしていてアクションシーンをもり立てています。ただ、続編があるのならもう少しテーマを巧く処理してほしかったなぁという印象です。サントラはスフィンクスのテッペンにいるデイヴィッドがかっこいいですね。

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