さすが3日目ということで、この日はちょいと朝寝坊しました。といっても7時です。妻の化粧が終わるのを待って朝食会場へ。今日はバイキングです。和食メニューもけっこう揃っています。いつもはパン食ですからバイキングも最初は洋食メニューを選びました。ドリンクもオレンジジュース、牛乳、コーヒー、紅茶が揃っています。紅茶は4種類のフレーバーからチョイス出来ます。紅茶派の小生はここでは珍しいブルーベリーを選びました。そして、仕上げは金山寺味噌を添えての茶粥をいただきました。日本人ならではのハイブリッド朝食です。

今日はたっぷりと東大寺の見学です。実は40年前の修学旅行では、奈良は良い思い出がありませんでした。京都は見学しているところが点在しているので寝その都度バスで移動でしたが、ここ奈良は見所が一カ所に固まっているので一度バスを降りたら、最後までバスには戻りません。京都の感覚で水筒を持たずにほとんどの児童がバスを降りてしまい、炎天下の中2時間以上も水分補給が取れなくて喉がからからになり観光どころではなかったのです。何しろ40年前は自販機もコンビニも無かったですからねぇ。今回も駐車場に車を入れたらやはり同じように最後まで車には戻りません。しかし、今はそんな心配は無用ですね。
この日は平日とあって、9時過ぎでも大仏殿前の駐車場はまだまだ空いていました。休日だったらこうはいかないでしょうね。定番の南大門をくぐりここならでは鳩よりも多い鹿を横目で見ながら大仏殿に向かいます。観光バスの客はもうかなり歩いていましたが聞こえてくる会話に耳を澄ますとぜんぜん日本語はありません。ハングルや中国語が飛び交っています。ほとんど日本人は我が家族くらいのものでした。昔はこの南大門の両脇にある金剛力士(仁王)像は運慶と快慶の作と言われていましたが、1988年から1993年にかけて造像以来初めての解体修理が実施され、像内からは多数の納入品や墨書が発見され、それによると阿形像は大仏師運慶および快慶が小仏師13人を率いて造り、吽形像は大仏師定覚および湛慶が小仏師12人とともに造ったものであることが判明したようです。

大仏殿を観終わったら次は正倉院です。これが意外と距離があります。大仏殿の出口から出ると東側の道をそのまま北へ行けばいいのですが、その道をタクシーがびゅんびゅん通るのです。歩道があるわけではありません。かなり恐怖です。「正倉院正倉」は外側から見学するだけですが、校倉造りはやはり見事です。日本最古のログハウスなんでしょうね。現在は宝物は鉄筋コンクリートの倉庫に移されていますから空なんでしょうね。
ここから二月堂、三月堂へ向かうわけですが、多分そうだろうと思う前を歩く人についていったわけです。観光マップのルートでは紹介されてないルートです。後で本で調べたら竜蔵院や持宝院のある道でした。寺の中から女の子が自転車を持って出てきます。こんにちはの挨拶を交すとなんだか知らない街とは思えません。石畳の道を登ると前方に二月堂が見えてきます。後ろを振り向くと、奈良の町並みが広がります。このルートはどうも逆走のようで階段から降りてくる人がいっぱいいますが、登っていくのは我々だけです。多分逆から参拝したのは我が家だけでしょう。でも、この高台からの眺めは格別です。規模は違いますが奈良の清水の舞台のような感覚でしばし見とれていました。
二月堂を下ると正面は四月堂でした。かわいらしい建物です。本当はその後ろ側の建物が三月堂だったのですが気がつかずに行き過ぎてしまいました。本当はトイレに行きたかったのですがね。そうなんです。東大寺近辺はトイレの数が少ないのです。これは京都と違う感覚です。トイレを見つけたら行っておいた方が正解です。奈良公園を歩いていて見つけたのはこの四月堂の下のトイレだけです。三月堂は正式には法華堂と呼ばれているのでそういう表示になっていてよく見ないと二月堂と比べて小さいので三月堂とは分かりません。

さて、ここからは興福寺まで移動します。南大門はくぐらずにその手前の勧学院の横を通り、吉城院、知事公舎を経て登大路寺地下道をくぐって興福寺へ。五重塔はやはり存在感があります。現在は回廊を発掘調査中ということで中央部は立ち入り禁止です。しょうがないので南円堂を参拝して戻りました。
いゃあ、奈良はやはり良く歩くことになります。歩き疲れたのと丁度昼時になったので何処かで食事をすることに。駐車場へ戻る道すがらいいところはないかと探していると東大寺の交差点の直ぐ側にふれあい回廊「夢しるべ風しるべ」という施設がオープンしていました。まだ、3月の20日にオープンしたばかりでここに12店舗の飲食施設が出来ていました。昼時でしたので何処も混雑していましたが、お好み焼きの「風月」から一組のお客が出てきたのでその代わりに入りました。店内は混んでいましたが2階席がぽっかり空いていました。
お好み焼きの店は結構ありますが、ここは自分で焼くタイプの店ではなく店員がパフォーマンスしながら焼いてくれます。いろいろ食べたいので、モダン焼きの並と大盛り、それと焼きそばを注文しました。名古屋にも最近進出しているようですがまだ近くにはありません。個人的にもお好み焼きや焼きそばを焼いていたことがありますので興味津々です。準備の具材を持ってくる人、最初の具材を混ぜる人、焼く人、そして、仕上げる人とバラバラに入れ替わり登場します。パフォーマンスで焼いてくれますから、実際に焼き上がるまで40分ほど掛かります。回転はあまり良くないでしょうね。でも、花鰹がたっぶりかかった出来上がりはボリュームたっぷりで食べ応えがあります。鶴橋と言えば韓国食材で有名です。ここでも、キムチがメニューにありますからそれも頼みました。ピリ辛で美味です。目の前の鉄板で焼き上がりですから外は寒くても店内はエアコンが掛かっています。

ファーストフードメニューのお好み焼きですが、こうしてパフォーマンスで焼き上がる食材は立派なディナーでも通用します。大盛りは少々腹に応えました。焼きそばは焼き上がりの状態で運ばれてきますが、太麺でしっかりした歯ごたえでソースが絡み付いてこちらもいい味です。ランチタイムは結局1時間以上のディナー並のコースになっていました。
さて、さて今回の旅行もこれまでです。駐車場に戻る前に、やはり最後は本場の守口漬けを買い込みました。車に戻ると同時に雨が降り出しました。何とか持ってくれた天気に感謝して奈良とお別れです。帰りも、京滋バイパス経由で新名神を走りましたがこれも、スイスイで予定より早く帰名で来ました。京都・奈良がこんなにも近く感じられたのは収穫でした。ちょくちょく日帰りで行けそうです。