ノリー・パラマー/オリジナル2
曲目
CD1/SHADOWS IN LATIN
1.Dance On 2:56
2.Atlantis 2:57
3.Foot Tapper 2:35
4.Nivram 2:54
5.F.B.I. 2:33
6.Guitar Tango 3:01
7.Peace Pipe 2:40
8.The Rise And Fall Of Flingel Blunt 2:36
9.Wonderful Land 2:13
10.Shindig 2:24
11.Little Princess 3:15
12.Stars Fell On Stockton 2:36
13.Apache 2:55
14.The Frightened City 2:45
CD2/PLAY THE HITS OF CLIFF RICHARD
1.Finders Keepers 2:18
2.I Love You 2:02
3.Spanish Harlem 3:28
4.Living Doll 3:14
5.Please Don't Tease 2:49
6.Summer Holiday 2:34
7.Bachelor Boy 2:01
8.Lucky Lips 2:45
9.The Young Ones 3:12
10.Don't Talk To Him 2:52
11.I Could Easily Fall (In LoveWith You) 2:58
12.In The Country 2:18
指揮/ノリー・パラマー
演奏/ノリー・パラマー楽団
演奏/ノリー・パラマー楽団
EMI STUDIO2 724349562028
2枚組のCDで、2 in 1にはなっていなくてそれぞれオリジナルアルバムごとの収録です。省資源にはなっていませんがコレクターにとってはこの方がオリジナルアルバムの味が出ていて楽しめます。「SHADOWS IN LATIN」の方は1965年、「PLAY THE HITS OF CLIFF RICHARD」の方は1967年のアルバムです。デジタル・リマスターはTerry Birchが担当しています。1960年代の録音ということで音質的には元々期待していなかったのですが、そこそこのシステムで聴くと60年代の香りが満喫出来るサウンドがスピーカーから溢れてきます。これはカーステレオでは音がやせ細って聴くに堪えない音になりますからちゃんとしたシステムで聴くレコーディングだったんだろうなと思います。
ノリー・パラマーはここで演奏しているシャドウズやクリフリ・チャードの育ての親ともいうべき存在ですから、まさにうってつけのアルバムということがいえると思います。EMIのプロデューサーでありながら自らの楽団を率いて数々の録音をしていますし、ピアニストでもあり、作曲家としても活躍し映画音楽にも手を染めていました。1枚目のアルバムの7、14曲目がノリー・パラマーの作曲によるものです。とくに、「ピース・バイプ」はベンチャーズの良きライバル、ザ・シャドウズ'61年12月のヒット曲として知られています。クリフ・リチャードの主題映画「ヤング・ワン」の挿入歌でもあります。クリフ・リチャード&シャドウズとしては、ここは収録されていませんが日本では1965年に大ヒット曲した「ダイナマイト(Dynamite)」などがあります。シャドウズ単独としてはなんといっても1960年の「アパッチ(Apache)」でしょう。イギリスヒット・チャートの首位を独走し、ザ・シャドウズを一躍第一線に引っ張り上げた記念作です。その後も1曲目の「ダンス・オン(Dance On!)」「フット・タッパー(Foot Tapper)」など、No.1 ヒットを連発し、ブリティッシュ・ロックのパイオニアとして60年代初期のイギリスポップス界をリードしていました。そんなご機嫌なナンバーをノリー・パラマーが得意のラテンリズムに乗せながら演奏しています。日本のイージーリスニング演奏の要にベースやドラムスを多用していないので斬新な響きとして聴くことができます。
2枚目はクリフ・リチャードのヒット曲という内容なのですが、そこはイギリス盤、日本でのヒット曲とはかなり趣が違います。こう見えても隠れクリフのファンですから、オン・ザ・ビーチ、ダイナマイト、コンスタントリー、レッツ・メイク・ア・メモリーなんかが入っていないのは解せません、でも、一番好きな「イン・ザ・カントリー」が収録されているのはラッキーでした。日本では1968年にシングルが発売された曲ですが、このアルバムには間に合ったようです。
1曲目は1966年の映画「太陽をつかもう」の主題曲です。アメリアッチスタイルの明るい曲でここではラテンのリズムが冴えています。2曲目の「I LOVE YOU」はシャドウズの中心メンバーのハンク・マーヴィンとブルース・ウェルチの共作になるもので1960年のヒット曲です。6、7曲目は映画「太陽と遊ぼう(Summer Holiday)て使われた音楽です。ミュージカル仕立ての青春ドラマでクリフ・リチャードの主演第4作目でした。「サマー・ホリディ」は日本でもヒットしたので覚えている人も多いのではないでしょうか。
イギリスのエルヴィス・プレスリーといわれたクリフ・リチャード。イギリスでは100曲以上のヒットを放った大歌手です。あのオリビア・ニュートン・ジョンも彼に見いだされました。アメリカではなかなかヒットしませんでしたが、日本では順調でした。バックを支えるシャドウズも、シャドウズだけでヒットを量産するほどの人気、実力を持ったバンドで、 さらに、ノリー・パラマーのプロデュースにより、自らの楽団で伴奏を務めるなどスタッフも盤石でした。そんなパラマーの演奏ですから悪いはずはありません。
8曲目のラッキー・リップス(Lucky Lips)はカヴァー曲ですが、こういうものでもちゃんとヒットさせるところがクリフの実力です。ここには収録されていませんが、日本でも大ヒットした「しあわせの朝」はバニティ・フェアのカヴァーでしたが本家よりもヒットしたものです。
9曲目のヤング・ワン(The Young Ones) はシド・テッパーとロイ・C・ベネットの作で、1961年公開のクリフ・リチャード出演の映画「若さでぶつかれ(The Young Ones)」の主題歌です。シングルレコードの発売が1962年1月でした。なつかしいなあ。カップリングされた曲はイギリスでは「We Say Yeah」でしたが、日本では「When The Girl In Your Arms Is The Girl In Your Heart」と違っていました。
最後のイン・ザ・カントリー(In The Country) もミュージカルナンバーです。シャドウズのメンバーの作品ということで、このシングルのクレジットはちゃんとクリフ・リチャードとザ・シャドウズとなっていました。アルバムはジャケットを見ても分かるようにフラメンコを踊っている女性が写っています。ということで、ノリー・パラマーのサウンドはラテン調ですが、これがまたクリフの音楽に合っています。EMIを辞する直前の録音とはいえ。クリフを知り尽くしたノリー・パラマーならではの仕上がりといえる一枚ではないでしょうか。こんなに楽しい録音なのに、HMVでは販売していないし、残念なことにあまり国内では出回っていないようです。唯一、アメリカのアマゾンでは$35.99で販売されています。