○中日7-3巨人●
スーパーエースが本領発揮だ。中日が19日、7―4で巨人を下し、連勝で日本シリーズ進出へ王手をかけました。エース・川上が7回を4失点と粘りの投球でした。打っても4回にバスターで追加点を演出するなど2安打を放っています。これまで5試合制のプレーオフで無傷の2連勝を飾ったチームの日本シリーズ進出確率は100%。勢いに乗るオレ竜が一気に昨年の日本ハムへのリベンジの舞台に駆け上がっていきます。そうです。政変のある年はドラゴンズが優勝するのです。

久々の東京ドームのマウンド。調子は今ひとつという初回、2死からの3連打で先制点を奪われました。しかし、そこから自らを立ち直らせるビッグプレーは同点の4回の攻撃です。場面は1死一塁。サインは送りバントでしたが、三塁の小笠原が突っ込んでくるのが見えると一転、バントの構えからバスターで三遊間を鮮やかに破ります。荒木の勝ち越し二塁打後、今度は井端のレフトへのフライはで判断よくタッチアップして生還です。この憲伸の投打に渡る活躍も見逃してはならない勝利ポイントでしょう。

昨日のジャイアンツの先発予想は当たりましたね。ということは中日の勝ちは決定的だったということでしょう。山本の先発予想はご愛嬌でした。それにしても、ジャイアンツとの守備力の力の差が如実に現われたシリーズです。ジャイアンツは二岡が癌です。2回二死満塁では、遊撃への深い当たりを二岡が二塁へ送球したが間に合わず、内野安打で追い付かれました。足が動かないのか基本の前で取る動作もしなければトスも散漫です。これでは勝てる試合も勝てないでしょう。

これに対して、中日の二遊間は鉄壁です。同点となった直後の2回の守備で、2死から木佐貫の打球は中前に抜けるかと思われましたが、二塁ベース後方で荒木が捕球するとグラブトス。井端が素手で捕って一塁へ。昨年9月10日の広島戦以来のコンビプレーが敵の反撃を封じた。このスーパーブレーが目に見えない形でジャイアンツの戦意を削いでいます。

中日の李炳圭が終盤に貴重な追加点をたたき出しました。「最低でも犠飛を狙っていた」という2点差の7回無死一、三塁。西村の直球を右中間に三塁打し、累上でガッツポーズ。この日も9回には抑えの切り札上原からソロ本塁打で追いすがる巨人を突き放しました。CSシリーズ2発目です。レギュラーシーズンは2割6分2厘と本来の力を発揮できませんでしたが、巨人の4番で母国のヒーロー、李承燁の前で意地を見せました。

それにしてもこのクライマックス・シリーズは谷繁が当たっています。この日も4安打と大爆発。第1ステージの阪神2連戦から数えて計16打数9安打で打率・563のハイアベレージは見事です。シーズンでは規定打席到達34選手中の最下位に位置する打率・236だっただけに、まさにクライマックス男…と呼ぶしかないでしょう。

そして、岩瀬が連夜の好救援。2点リードの8回二死一塁で登板し、9回先頭の阿部に四球を与えた以外は危なげない投球で締めました。今季レギュラーシーズンは2日続けて1イニング超を投げていません。連日、8回途中から救援し、「疲れ? そんなこと言っていられない。シーズン中とは違う」ときっぱり。落合監督も「こういう使い方はしたくないが、勝たないといけない。分かってくれていると思う」。短期決戦ではシーズン中と戦い方が違います。総力戦ではこういう使われ方も作戦のうちでしょう。
