ウィンディ・カーロスのブランデンブルク協奏曲 | geezenstacの森

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ウィンディ・カーロス

ブランデンブルク協奏曲全曲

 

曲目/バッハ

 

1.BRANDENBURG CONCERTO # 1 in F Major
I- Allegro
II- Adagio
III- Allegro
IV- Menuuetto, Trio I, Polocca, Trio II
2.BRANDENBURG CONCERTO # 2 in F Major
I- Allegro
II- Andante
III- Allegro Assai
3BRANDENBURG CONCERTO NO. 3 in G Major
I -- Allegro
II -- Adagio [second, 1979 version]
III -- Allegro
4.SELECTIONS FROM SUITE # 2 in B Minor
Badinerie
Minuet
Bourrée
5.TWO-PART INVENTION in A Minor BWV.784
6.TWO-PART INVENTION in A Major BWV.783
7.SHEEP MAY SAFELY GRAZE from "Cantata No. 208"

 

Disk Two:
8.BRANDENBURG CONCERTO # 4 in G Major
I -- Allegro
II -- Andante
III -- Presto
 
9.BRANDENBURG CONCERTO # 5 in D Major
I- Allegro
II- Affettuoso
III- Allegro
 
10.BRANDENBURG CONCERTO # 6 in B-Flat Major
I- Allegro
II- Adagio ma non tanto
III- Allegro
11.SUITE FROM ANNA MAGDALENA NOTEBOOK
Musette in D Major
Minuet in G Major
Bist du bei mir
Marche in D Major
 
12.LITTLE FUGUE in G Minor

 

モーグ・シンセサイザー/ウィンディ・カーロス
P:RACHEL ELKIND-TOURRE
録音/1969,73,75,80
米CBS MK42308,42309
 
イメージ 1

 

 ワルター・カーロスって言っても分からない人が多いでしょうね。何しろ性転換でウィンディ・カーロスとなまえをかえてしまったのですから。「スィッチド。オン・バッハ」というアルバムでセンセーショナルなデビューを果たして、シンセサイザー・ミュージックの先鞭をつけたのがこのウィンディ・カーロスでした。「スィッチド・オン」は第2集まで発売されましたがその後はも映画音楽の世界で、スタンリー・キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」だとかディズニーのCG映画「トロン」とかの作品を残しました。

 

 ここで取り上げるバッハの「ブランデンブルク協奏曲全曲」はコンピュレーションアルバムとして1980年に発売されました。それまでは断片的にリリースされていました。時系列で追うと
レコード番号 作品 備考
M32088 ブランデンブルク協奏曲第2番 第1楽章のみ
MS7194 ブランデンブルク協奏曲第3番 スィッチド・オン・バッハ第1集、アシスタント/ベンジャミン・アオークマン
MS7286 ブランデンブルク協奏曲4番 スィッチド・オン・バッハ第2集
M32659 ブランデンブルク協奏曲5番  
という具合です。ですから第6番のみが新録音というかたちで発売されました。このCD化に当たっては新たに小曲が追加されています。

 

 当初は演奏者という紹介の仕方ではなくて「マニュピレーター」という表記がLP時代にはされていました。とにかく、それまでの音楽家が演奏する音楽が、ある日突然コンピュータープログラムによって演奏されるという具合に劇的に変化したのですから衝撃でした。

 

 

 

 そして、これからはコンピューターの時代が来ると思いました。計らずしも時代はパソコン時代に突入していました。1979年にNECから発売されたPC8001で本格的パーソナルコンピューター時代の幕が切って落とされました。小生も迷わず買ってしまいました。その頃はパソコンと言ってもBASICのROMこそ搭載されていましたがプログラムはカセットテープを詠み込ませるという時代でフロッピーディスクもまだ搭載されていませんでした。アスキーを買ってきては自分でせっせとプログラムを打ち込んで遊んでいました。

 

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 おっと、話が脱線しましたが、そういう転機となったディスクということです。まあ、今聞き直すと、このカーロスによるバッハトランスクリプションとでもいうべき演奏はバッハの楽譜に忠実で、冨田勳のアルバムのように遊びの要素はあまりありません。ですから、正当クラッシック派から見れば何と下品な演奏なんだ、もともとオルガン曲の最後の「小フーガ」なんかはオルカンが単にモーグのサウンドに置き換わっただけといってもいいでしょう。

 

 そういう意味では、芸術性はあまり無く、時代にぱっと咲いたあだ花と言えなくもありません。ちなみに国内盤はすべて廃盤ですが、海外ではまだ入手可能です。下記から探してみて下さい。
http://www.wendycarlos.com/discs.html