「シネ・マジック」とデイブ・グルーシンの映画音楽
1) オン・ゴールデンポンド/メイン・テーマ ( 3分36秒)*
2) ニュー・ハンプシャー・ホーンパイプ ( 2分23秒)*
3) ヘヴン・キャン・ウエイト ( 4分35秒)*
4) ある俳優の生活 ( 5分6秒)*
5) 君に想いを ( 5分15秒)*
6) フラッテリ・チェース/オープニング・テーマ ( 3分18秒)*
7) ザ・ハート・イズ・ア・ロンリー・ハンター ( 4分43秒)*
8) マウンテン・ダンス ( 6分17秒)
9) レッティン・ゴー/T.J.のテーマ ( 2分51秒)
10) ザ・チャンプ ( 3分28秒)*
11) コンドル ( 4分43秒)*
12) グッドバイ・フォー・キャシー ( 3分59秒)*
13) PLOキャンプ・エントランス ( 2分49秒)
14) リトル・ドラマー・ガール ( 3分25秒)
GRP MVCR23003


デイブ・グルーシンの作曲した映画音楽を、再録音した1987年のアルバム「シネマジック」。演奏にはリー・リトナー(g)、ドン・グルーシン(synth)、エイブ・ラボリエル(b)、ハービー・メイソン(ds)、トム・スコット(sax)、アーニー・ワッツ(sax)、エディ・ダニエルズ(cl)にロンドン・シンフォニー・オーケストラを加えたもので、演奏曲にはヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘップバーン主演の「黄昏」、ウォーレン・ビーティの「天国から来たチャンピオン」、ダスティン・ホフマン「トッツィー」、ロバート・レッドフォード主演のサスペンス「コンドル」、ジョン・ヴォイト主演の感動作「チャンプ」など代表曲を全14曲56分収録しています。
LPでは10曲しか収録されていなかったのでCD化はCPが高くなっています。*マークがLP収録曲でした。この頃のデイブグルーシンはナベサダの「モーニング・アイランド」の所でも触れましたが、フュージョン・ブームの波に乗って大活躍をしていました。まさに八面六臂の活躍でピアニスト、作曲家であり、アレンジャーであり、映画音楽の巨匠でもあり、そして偉大なジャズミュージシャンでもあったのです。釣りが好きで、牧場を経営していて、環境問題に熱心なところも彼らしくて良いですね。彼の「マウンテン・ダンス」というアルバムではジャケットでカウボーイ・ハットを被ったものが使用されていました。


彼が担当した映画音楽集ですが、単にそれだけではないです。彼の作品は数々あれど、ここで取り上げられているのはごく限られた作品で、同じ映画から複数取り上げられています。それは、多分ロンドンシンフォニーオーケストラを指揮するということで、オーケストラで演奏しても曲の魅力が伝わる作品を取り上げたということでしょう。そして、それだけでなくリーリトナーや、ハービーメイソン他、気心の知れた豪華ミュージシャンが一緒に彼の素敵な音楽を盛り上げて行きます。何と言っても素晴らしいのは、彼のピアノの演奏が光輝いているところでしょう。後に、彼は「NOW PLAYING」というアルバムでこれらの曲をこんどはピアノ・ソロで演奏しています。よほど、これらの曲が゛気に入っているんでしょうね。
個人的には6曲目の「グーニーズ」のオープニング・テーマが映画音楽らしくて好きです。ここでは彼は指揮に徹していますが、ドラムスのリズムに乗ってオーケストラの各パーツが大活躍しています。
彼の映画音楽作曲家としてはかなり長いのですが、かの名作「卒業」が彼の劇場作品のデビュー作とは知りませんでした。あまりにも、「サイモンとガーファンクル」が目立ってしまっていて気がつかなかったですが、確かに、劇中のシーンでは彼の音楽が流れていました。デイブ・グルーシンの名前を初めて意識したのは1969年の「レーサー」という映画でした。ポール・ニューマンの製作、主演したこの映画で彼はレースカーのタイヤのきしむ音を巧く取り入れスピード感のある音楽を書いていました。この映画ではインディ500のレースが舞台になっているのですが、実際のレースの経験のあるポールニューマンが疾走するシーンはかっこいいです。サントラ盤を持っているはずですが行方不明なのが残念です。
こちらのホームベージにこの映画の詳細が記載されています。