台風一過の朝。

どこまでも広がる蒼穹に、ほっとしている自分に気付く。

中川は、想像していたよりは水位が上がっていなかった。テレビでは連日、この世の終わりが来るかのような報道ばかりだったが、少なくとも足立区や葛飾区は、そこまで最悪にはならなかった(と思う)。ただ、倒れた看板が鉄杭に突き刺さっているのを目の当たりにした時、昨晩の、あの家を揺らした風は伊達ではなかったのだな、と嫌でも思い知らされる。

セブンイレブンがシャッターを下ろしている所や、駅前の店が一斉休業なんて滅多に見られないので、そういう意味では貴重な体験だった。

この地の鎮守で、無事を感謝すべく参拝。

台風は、地球自らポリッシャーをかけて掃除するようなものではないだろうか?確かに恐ろしいし、場所に因っては被害が甚大だ。でも台風が去った後の空は、良くも悪くも美しい感じがする。

何度も避難警報の報せが携帯電話に届く度、正直ウンザリ気味だったが、これで暫くは落ち着くだろう。

いつも心に、今朝のような青空を抱いて生きようと思った。