2024年 12月29日、わたしと孫のSはビッグサイトに到着。午前8時45分。

 

迷っているわたしに娘が「どうしても、コミケはおかーさんが行かなきゃダメ!もしもじーちゃんになにかあったら、わたしが全部やるから!」叱り飛ばすように言った

ありがとう、娘。やっぱ、行って良かった。

 

はじめての出展。はじめての本作成。はじめてのお客様への手渡し。

憧れの作家さんたちにもお会いできた。憧れの作家さんたちがわたしの本を手に取ってくださった感動。もしもわたしが行かなくて孫を通してでは決してわからなかった

このシンパシー。

 

すべての人、世界に感謝でうわずってしまいました。来てくださった方々、わたし、うわずっててごめんなさい。( ;∀;)

 

夢のような時間を味わいながらもやはり時計が気になって午後2時にあわただしく片付けてお世話になった先輩出展者さまがたへご挨拶もそこそこにSと一緒に電車に飛び乗りました。

「ねー、Sちゃん、どの経路が一番早く着く?」

「ばあば、どれもほぼ同じだけど、このままの電車のほうが早いよ」

電車の中でも次は?次はと電光掲示の次駅を見てしまう。

駅に着くやいなや娘に電話する。

「じーちゃんは特になにもないよ。わたしが行ったらよく寝てた」

コミケの最中はおかーさんから電話きてもlineが来ても応答しないよ、と娘に言われて

いたのでした。ほんと、ありがとう娘。

 

翌日30日、父はよく寝ていた。

「おとうさん、来たよ」

声をかけると薄目を開ける。

「痛くない?」

かすかにうなづく

「今日は12月30日だよ。明日は31日、大みそかだよ。」

父はちょっと驚いたように目を開いて、でもまたすぐ眠ってしまった。

 

父はわたしがオタクなのを知らない。コミケに行ったことも、同人誌を作ったことも知らない。それでも言った。

「おとうさん、コミケに行かせてくれてありがとう。待っててくれてありがとう」

 

翌日、大みそか、朝9時。父は向こう側へ渡って行った。一年の終わりに行くなんて。夜中に呼び出してわたしたちが車の事故など起こさないように。しっかり日が昇ってから行くなんて、ほんんと几帳面な父らしい。

 

2024年大みそか。父の部屋に布団を敷いて寝かせた。この部屋は父が手入れした庭がよく見える。

今は固い芽だけれどまもなく梅が咲くね。

これからは宇宙エネルギーになって見に来てね(わたしは手塚大先生の「火の鳥」信じてる)

 

 

 

おかげさまで本完売しました。

おこがましいかもだけど、今月末に再販させていただきます。

よろしかったらお願いします