森鴎外先生の娘さんである森茉莉さんの耽美主義の極みの短編集です。
耽美や幻想ロマンチシズムが好みの方には良いと思います。
以前魔夜峰央さんがパタリロ!の中で美少年は外来語を漢字変換するのが好きなんだ!って言ってましたが。まさに。
洋袴(ズボン)とか隠し(ポケット)とか。麺麭(パン)とかチーズ(変換出てこない、笑)とか。
なんか、そのとても書けない漢字がヒラヒラのフリルが付いてるように見えるんです。華麗に見える。
主人公の顔もどうしてもジルベールが浮かんでしまう。
「風木」の竹宮恵子さんや「ポー」の萩尾望都さん風の薫りがします。
わたし自身は読んでみて特別耽美が好みってわけではないんだな、ってわかりました。淡々と読みました。
印象に残ったのはサディズムを好む性癖のオリヴィオがいつもロンジンの時計をしてる、ってとこです。あ、オリヴィオってレオという美少年をマゾヒズムに目覚めさせちゃう大男なんですけど。
ロンジン!ってなんかごつく思える語感。ロンジンとサディストってなんか合う!
(どちらもディスってません。どちらもそれで良しって思ってます)
でも、ロンジンって検索してみるとそんなにごつくないんですね。
語感ですかね?
ダイバーズウォッチなんて無かった頃の昭和初期だとむっちゃごつく見えたんですかね?
クラシックロンジン。 これかな?オリヴィオがしてたの。
森茉莉先生にお尋ねしてみたいところです。