瀬戸内寂聴さんの「女人源氏物語」
源氏物語に出てくる女性側の気持ちをしっかり現わしてくださっていて。
わかりやすいし、納得できます。
古典文学に登場する人々は現代人の心の動きとギャップがあるように思えますよね。
それを瀬戸内寂聴先生がちゃんと辻褄合わせてくださって、溜飲が下がるというか、ものすごくスッキリします。
ただ、なよなよしてて、哀しがってるだけに見えた桐壺もちゃんと野心を秘めていた。
良かった。
やっぱり、そうでなくちゃな!
めそめそ泣いてばっかりいる女がわざわざ入内なんかしないよね。
優しくて完璧な女性として描かれていた紫の上。
なぜ、ライバルである明石の君の姫を育てたか。
原本では描き切れていない紫の上の心の深淵まで掘り下げて語らせています。
宇治十帖まで女君たちの心の裡の語りが続きます。
ただ、寂聴先生は薫の君への愛情がたくさんおありになるんだろうなぁ。
わたしだったら、もっともっと薫の君はクズ男認定するだろうな。
最後もカッコつけさせてやらない。
なんか、とってもモテる要素ばかり持っているのに、もっとモテていいはずなのに、なんとなく三枚目というかダサくなっちゃうキャラクターっているんですね。
薫の君ってそういう人だと思いました。
あの、オルフェウスの窓のイザークもそんな感じなんですかね???
なんちゃってイザーク!