【症例】160cm45kg♂。口底癌術後の下顎骨欠損状態にたいして下顎再建術、10時間予定。
【合併症】HT、Af、HR=70-80、ST-T変化なし。EF 70%、ARⅡ°、MRⅢ°。Hb=11g/dl。
【手術の流れ】
・挿管ができれば挿管(できなければawakeで気切)
・腹臥位で腸骨から骨髄採取
・仰臥位となり気切、下顎再建
・右前腕から皮弁採取(前回手術時に左前腕皮弁使用済)、左大腿から植皮
・下顎の皮膚欠損部に皮弁を移植
【麻酔計画】
・挿管について
開口は2-2.5横指。下顎骨がなく下顎は後退、下顎挙上も不可能、マスク換気困難の可能性大。
前回手術時は挿管困難で経鼻ファイバー挿管。
再手術ということもあり、awake局麻下で気切する方針となった。
・ラインについて
Aライン、CV、末梢2本。
左radialはなく右も使えないので、足背から。
CVは右femoralからダブル。
末梢は左手で2本。通常は大量出血はないのでhotlineは不要。
・ARとMRについて
いずれもvolumeは入れ気味、末梢は開き気味、HRは上げ気味で。
血圧下がっても末梢を締める薬は使いにくいか・・・
・多少の出血は予想されるのでRCC4Uをすぐ使えるよう準備。
・腸骨は骨髄採取なのでepiは不要。
・Afだが何かの参考になるかとFrotraqを使用。CVPも測定。
【麻酔の実際】
・入室後まずはカプノモニターを鼻の下にテープで固定し、その上からマスクもテープで固定、酸素5Lで開始。
・フェンタニル25μg、ケタミン50mg/hr、デクスメデトミジン0.6mg/kg/hr、TCI1.2μg/mlで開始。足背からAラインを留置。
・入眠したところで気切開始。カプノモニターで自発呼吸を確認、ただ少し痛がり体動や咳き込みがみられたのでフェンタニル25μgを追加しケタミンを5mg早送り。
・気切孔からspiralチューブ7mmを挿入したところでフェンタニル50μg追加、レミフェンタニル0.1γで開始、2本目の黒線のところで針糸固定しSevo1.5%で開始。上からテガダームとテープでがっちり固定、左側に出す。このあたりは純酸素で。
・右femoralからCVダブル挿入。PGE1を0.005γで開始。
・首が硬くprone viewを用いて腹臥位に。腸骨採取の前にフェンタニル100μgを追加しレミフェンタニルを0.15γとした。
・1時間で腸骨採取は終了、純酸素とし仰臥位に戻る。体位をとってから胃管を挿入し頭側に固定。
・下顎形成開始。ここまででフェンタニルtotal400μgを入れ、レミフェンタニル0.2γで固定。以後フェンタニルは1時間おきに50μgずつ追加。
・Afでレートも血圧も安定しなかったが、覚醒後も痛がる様子はなく、鎮痛はほぼOKだったよう。
・循環の方は途中からランジオロール、DOB使用。ボリュームの指標はBPとHR、CVPと一応SVV(sinusに近い時は比較的まともな値が出る印象)、SVを使用。ARMRもありhypoはもちろん避けたいが、あまり入れすぎないように注意。最後の方は絞りすぎたか血圧低下し、フェニレフリン25μgを一発、NAd0.025γを1時間くらい使った。あまり使いたくはないがこれくらいの量ならいいのでは。肝移植でも普通に使っていて大丈夫なようだし。手術終了し麻酔覚醒してきたら血圧が出てきたのでNAd、DOBはいずれもoffできた。
・手術時間11.5時間、麻酔時間12.5時間。フェンタニル800μg、レミフェンタニル6mg。inは輸液4500(HES1000、低分子デキストラン250、他は外液)、RCC2UFFP4U、出血カウント400(もう少し出てるかな)、尿2200で+2500位。+4.5ml/kg/hといったところか。でも実際は術野が広く不感蒸泄なども多いはずなので、もうちょっと水分は失われていたはず(CVPはほぼ一定だったが)。
・手術終了後のBGAでHb=8.2(その前は9.8、FFP4U入れて薄まったか)でICUで輸血するかどうか迷ったが、血圧も出ていて濃縮しそうなので見送り。へたに入れてHt上がってグラフトが詰まっても困るし。翌朝Hb=9.1、Ht27とまあまあの値に。ICU入室後は-200のバランス。
【反省点など】
・ICU入室後やや血圧低めに経過し尿量も少なかったことを考えると、最後のボリュームを絞るところでもう少し入れてもよかったか。しかし外液をあまり入れるのもどうかと思うし、HESも1000ml以上はちょっと使いにくい(そうでもないのかな?)し、Alb使うくらいならFFPをという当院の方針だがRCCを2Uしか使っていないのにFFPだけ6Uも8Uも使うのもなんだか変な感じだし。EFは悪くないがあまり入れすぎると心臓張ってきそうだしこれくらいの絞りでもよかったのかも。
・HRに関しては長時間手術でかつAfもあるのでHR↑は良く考えたら盛者必衰の理。HR↑するまえからランジオロールを5mg/hrくらいチョロチョロ流しておくのも悪くないのかもしれない。
・フェンタニルは800μgしか使わなかったが、こんなんでもできるんだなあ。術中加温していたこともあってシバリングもなかった。
【明日のために】
・長時間手術ではランジオロールをお早めに。
・フェンタニル、そんなに使わなくてもできるのだ。
【ICUにて】
・術後2日目、全身状態がまだよくないということで全身管理依頼。
・BPは100-120台、HRはランジオロールフリーで100台、Hr少なめ、in over。data的には貧血があるのみ。皮弁の色がやや悪い、と。
・HR少なくin overに対してはhANPを開始、貧血にはRCC2Uを4時間かけて、hypovolemiaにはAlbではなくFFPを適宜追加。
・ヘパリンNa1000Uをone shot後、15000U/日(1A5000Uなので3Atotal48mlとして2ml/h)で開始、2時間後APTTとACT、ACT160-200を目標に以後4時間毎にBGAとACTを採血。
【合併症】HT、Af、HR=70-80、ST-T変化なし。EF 70%、ARⅡ°、MRⅢ°。Hb=11g/dl。
【手術の流れ】
・挿管ができれば挿管(できなければawakeで気切)
・腹臥位で腸骨から骨髄採取
・仰臥位となり気切、下顎再建
・右前腕から皮弁採取(前回手術時に左前腕皮弁使用済)、左大腿から植皮
・下顎の皮膚欠損部に皮弁を移植
【麻酔計画】
・挿管について
開口は2-2.5横指。下顎骨がなく下顎は後退、下顎挙上も不可能、マスク換気困難の可能性大。
前回手術時は挿管困難で経鼻ファイバー挿管。
再手術ということもあり、awake局麻下で気切する方針となった。
・ラインについて
Aライン、CV、末梢2本。
左radialはなく右も使えないので、足背から。
CVは右femoralからダブル。
末梢は左手で2本。通常は大量出血はないのでhotlineは不要。
・ARとMRについて
いずれもvolumeは入れ気味、末梢は開き気味、HRは上げ気味で。
血圧下がっても末梢を締める薬は使いにくいか・・・
・多少の出血は予想されるのでRCC4Uをすぐ使えるよう準備。
・腸骨は骨髄採取なのでepiは不要。
・Afだが何かの参考になるかとFrotraqを使用。CVPも測定。
【麻酔の実際】
・入室後まずはカプノモニターを鼻の下にテープで固定し、その上からマスクもテープで固定、酸素5Lで開始。
・フェンタニル25μg、ケタミン50mg/hr、デクスメデトミジン0.6mg/kg/hr、TCI1.2μg/mlで開始。足背からAラインを留置。
・入眠したところで気切開始。カプノモニターで自発呼吸を確認、ただ少し痛がり体動や咳き込みがみられたのでフェンタニル25μgを追加しケタミンを5mg早送り。
・気切孔からspiralチューブ7mmを挿入したところでフェンタニル50μg追加、レミフェンタニル0.1γで開始、2本目の黒線のところで針糸固定しSevo1.5%で開始。上からテガダームとテープでがっちり固定、左側に出す。このあたりは純酸素で。
・右femoralからCVダブル挿入。PGE1を0.005γで開始。
・首が硬くprone viewを用いて腹臥位に。腸骨採取の前にフェンタニル100μgを追加しレミフェンタニルを0.15γとした。
・1時間で腸骨採取は終了、純酸素とし仰臥位に戻る。体位をとってから胃管を挿入し頭側に固定。
・下顎形成開始。ここまででフェンタニルtotal400μgを入れ、レミフェンタニル0.2γで固定。以後フェンタニルは1時間おきに50μgずつ追加。
・Afでレートも血圧も安定しなかったが、覚醒後も痛がる様子はなく、鎮痛はほぼOKだったよう。
・循環の方は途中からランジオロール、DOB使用。ボリュームの指標はBPとHR、CVPと一応SVV(sinusに近い時は比較的まともな値が出る印象)、SVを使用。ARMRもありhypoはもちろん避けたいが、あまり入れすぎないように注意。最後の方は絞りすぎたか血圧低下し、フェニレフリン25μgを一発、NAd0.025γを1時間くらい使った。あまり使いたくはないがこれくらいの量ならいいのでは。肝移植でも普通に使っていて大丈夫なようだし。手術終了し麻酔覚醒してきたら血圧が出てきたのでNAd、DOBはいずれもoffできた。
・手術時間11.5時間、麻酔時間12.5時間。フェンタニル800μg、レミフェンタニル6mg。inは輸液4500(HES1000、低分子デキストラン250、他は外液)、RCC2UFFP4U、出血カウント400(もう少し出てるかな)、尿2200で+2500位。+4.5ml/kg/hといったところか。でも実際は術野が広く不感蒸泄なども多いはずなので、もうちょっと水分は失われていたはず(CVPはほぼ一定だったが)。
・手術終了後のBGAでHb=8.2(その前は9.8、FFP4U入れて薄まったか)でICUで輸血するかどうか迷ったが、血圧も出ていて濃縮しそうなので見送り。へたに入れてHt上がってグラフトが詰まっても困るし。翌朝Hb=9.1、Ht27とまあまあの値に。ICU入室後は-200のバランス。
【反省点など】
・ICU入室後やや血圧低めに経過し尿量も少なかったことを考えると、最後のボリュームを絞るところでもう少し入れてもよかったか。しかし外液をあまり入れるのもどうかと思うし、HESも1000ml以上はちょっと使いにくい(そうでもないのかな?)し、Alb使うくらいならFFPをという当院の方針だがRCCを2Uしか使っていないのにFFPだけ6Uも8Uも使うのもなんだか変な感じだし。EFは悪くないがあまり入れすぎると心臓張ってきそうだしこれくらいの絞りでもよかったのかも。
・HRに関しては長時間手術でかつAfもあるのでHR↑は良く考えたら盛者必衰の理。HR↑するまえからランジオロールを5mg/hrくらいチョロチョロ流しておくのも悪くないのかもしれない。
・フェンタニルは800μgしか使わなかったが、こんなんでもできるんだなあ。術中加温していたこともあってシバリングもなかった。
【明日のために】
・長時間手術ではランジオロールをお早めに。
・フェンタニル、そんなに使わなくてもできるのだ。
【ICUにて】
・術後2日目、全身状態がまだよくないということで全身管理依頼。
・BPは100-120台、HRはランジオロールフリーで100台、Hr少なめ、in over。data的には貧血があるのみ。皮弁の色がやや悪い、と。
・HR少なくin overに対してはhANPを開始、貧血にはRCC2Uを4時間かけて、hypovolemiaにはAlbではなくFFPを適宜追加。
・ヘパリンNa1000Uをone shot後、15000U/日(1A5000Uなので3Atotal48mlとして2ml/h)で開始、2時間後APTTとACT、ACT160-200を目標に以後4時間毎にBGAとACTを採血。