アニメ名探偵コナンの技を徹底解剖 その2 世良のジークンドーの動きのモデルが判明! | 山田英司の非officialブログ 利用客の多い武道駅 マニアックだからホントに迫れる

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武術、格闘技関係の書籍を作りながら、budo-stationという武術道場も主宰。取材や、日常の武術に関するエピソードや気づきを日々綴っていきます。
このブログでは、皆が興味を持つ武術や格闘技の話題に、肩の凝らないマニアックさで迫っていきます。


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1の考察では、世良のジークンドーの先生がIUMA日本振藩國術館の中村頼永先生だということを明らかにしました。

今回は世良が初めて登場した時に見せたジークンドーの動きのモデルは誰か?というテーマに迫って見ました。

そこに浮かび上がって来たのは意外な人物。これまで誰も解明できなかった世良の動きのモデルでしたが、格闘技マニアで武術オタクの私の手にかかったら、一発で判明です。


世良が初めてジークンドーの技術を見せるのは、初登場で毛利蘭といきなり格闘するシーン。

蘭が右回し蹴りを放ち、膝がインに入る瞬間に、世良は左足裏でストッピングしています。

さらに左足を下ろしつつ、左手でビルジーというジークンドー独特の貫手で蘭の顔面を狙いますが、ピストルの弾もよけることのできる蘭は、この攻撃を間一髪でかわします。

戦いはさらに続きますが、世良がジークンドーらしい攻撃を出すのはこのファーストコンタクト。

この動きには、ジークンドーの戦闘理論が集約されています。

「蘭の右回し蹴りを左足裏でジー」

「そこから左手のビルジーで攻める」

「間一髪で避ける蘭。しかしその風圧で髪の毛には一瞬丸い穴があく」



まずは世良の左貫手の奇妙な形に注目してください。通常の空手の貫手のように指をのばすのではなく、中指を少し曲げ、その下に人差し指と薬指をくっつける。すると前から見ると三本の指で三角形を作っているのがわかりますね。

三本の指を合わせると指は折れにくく、強烈な破壊力を持つことになります。

間一髪避けた世良の髪の毛がズボっと穴があくほど威力があるのは、この独特のビルジーで攻めたからでしょう。


「ビルジーの手の形を示す中村先生。中指に人差し指と薬指を合わせる」


ビルジーに象徴されるように、ジークンドーでは格闘技では反則になるような攻撃技が多い。格闘技で世良のように相手をビルジーで目やノドをついたら一発で反則負けですね。

しかし、武術であり、護身術でもあるジークンドーは何でもありなのです。

それは、単に目つきや金的蹴りなど、格闘技では禁じ手となっている攻撃技を多用する、という意味だけではなく、格闘技にはない独特の戦闘理論がある、ということです。

その戦闘理論とは何か?

それはジークンドーという名前に秘密が隠されています。



まずジークンドーは漢字で書くと、截拳道。ブルース・リーが育った香港は広東語が使われるので広東語読みでは、ジークンドーと発音されます。

意味は拳をさえぎる(截)道。武道の武の字は矛を止める、という哲学を文字にしたものですが、拳をさえぎるというネーミングもこの武の思想に通じるものかもしれません。

しかし、ジークンドーのジー(截)は、単なる哲学的表現にとどまらず、ジークンドーの戦闘理論を象徴させる技術的用語でもあるのです。

相手が攻撃を出した瞬間に、ストッピングをしたり、カウンターをあわせる。

防御動作などをしなくとも、全て攻撃をさえぎることができる動き。

これがジーです。

ジーに熟達すれば、先に攻めてきた相手の攻撃部位を痛めたり、急所にカウンターを入れたりできるわけですから、勝負は一瞬で終わらせることができます。

ブルース・リーは格闘技のように長く戦い、ジリジリと相手を追い詰めるのではなく、6秒以内に確実に敵を倒す体系を目指していました。

その核になる技術がジーであったのです。

「ドラゴンへの道」での有名な戦闘シーンでは、ブルース・リー自身がチャック・ノリスを相手に前足のジーのお手本を見せています。


 

「チャック・ノリスが寄り足から右横蹴りを出そうとすると、ブルース・リーは右足裏でこれをジー。素晴らしいタイミングです」


さて、本家本元のブルース・リーのジーですが、世良の絵とは角度が違います。

アニメーションの制作現場で動きのお手本にしたのは、別の動画でしょう。

では、世良の動きのモデルは誰か?

これは格闘技だけでなく、アニメ制作の現場の視点から迫る必要があります。



アニメ制作の現場では、作画監督や原画担当が演出から渡された絵コンテを元に、主人公の動きを大まかに指示していきます。

実際に絵にしていくのは動画マンですが、主に原画の段階で主人公の動きは決定されているわけです。

さて、そうすると作画室の中で原画マンが、世良のジークンドーの動きを再現しようとした場合、一番いいのは世良自身に再現してもらうことですが、そうもいきません。

こんな時には、動作が理解しやすいユーチューブで自分の見たい動きを検索するのが、一番てっとり早い。


では、ユーチューブで「ジークンドー護身術」と入れてみましょう。

一番初めに中村先生のビルジーが出てきますが、そのすぐ後に「中村頼永師父ジークンドー 親子で学ぶJKD護身術」が出てきます。

ちなみに、一番最初の動画も、親子の護身術動画も作ったのは私。

私の会社で運営するBUDO-RAという会員用動画サイト用にアップしたものを誰かがユーチューブにアップしたようです。


親子で学ぶJKD護身術の方は私が編集していた約15年前の月刊「格闘伝説BUDO-RA」という格闘技雑誌で特集し、同時に動画も撮影したものです。

撮影時も編集時も、私が立ち会ったわけですから、世良の動きを見た時には、あ、あの時の動きだ!とすぐにピンと来ました。

中村先生が女性や子供でも出来るように、最も基本的で実戦的なジークンドーの動きを詳しく解説してくれているので、ジークンドーの動きをトレースするには持って来いの動画ですね。

まずはその映像の子供たちの動きを見てみましょう。

右側に位置する少年が前足裏で低い蹴りを放つ。

前足を着地し、相手の目にビルジー。

女の子の動きも同様。低い蹴りを前足で放ち、


着地してビルジー。身体が小さいのでほぼ真上に手を伸ばしていますが、ビルジーで目を狙っています。


どうです。世良の動きと比べて下さい。

ジークンドーは左足前でも右足前でも構えるので、世良と少年たちは左右の構えの違いはありますが、画面の右側から前足のジーを行い、前の手(世良は左手)でビルジー。基本的な動きは全く同じですね。

初登場時の世良の動きのモデルは、この少年少女たちだったと推察できます。



世良の動きのモデルと推察されるこの少年少女たちの正体は?

実は中村先生の指導を受け、護身術を披露してくれたのは、当時中学生になったばかりの竹内一馬君と妹の美琴ちゃんです。

当時、私が指導する拳功房という中国武術の道場に兄妹で通っていた為、親子で学ぶ護身術のモデルで出演してもらいました。

2人とも子供なので素直に学び、一馬君の八極拳や美琴ちゃんの蟷螂拳の動きの正確さは大したものでした。

武術の素養のあった2人は、また、中村先生の動きの要求にも素直に応え、世良の動きのモデルとなるほど正確にジークンドーの動きを表現したわけです。


さて、可愛いかったお二人は15年後の今、どうしているのでしょうか?

驚かないでください。

なんと、竹内一馬君は、今、私の主宰する総合武術道場BUDO-STATIONでジークンドーの先生となり、美琴ちゃんはその指導助手を務めているのです。


BUDO-STATIONIUMAのジークンドーとカリのクラスを持つ竹内一馬先生と美琴先生」


今は立派な竹内一馬先生と美琴先生です。

特に竹内先生は、中村頼永先生のIUMA日本振藩國術館のジークンドーとカリのアプランティスインストラクター。

岡田准一さんが世良の兄弟弟子、と前回書きましたが、竹内先生もまた、岡田准一さんと共に中村頼永先生の指導を受けています。

と言うことは、竹内先生もまた、世良とは兄妹弟子に当たるわけですね。

まさに世良が結んだ不思議な縁。世の中にはこういうこともあるんですね。


次回は世良の動きのモデルと目されたお二人自身に、世良の技術分析を行ってもらいましょう。


BUDO-STATION公式サイト


竹内先生のジークンドー演武

https://youtu.be/-H6W4VODOH4


竹内先生と美琴先生のカリ

https://youtu.be/tyJ6B06ZAts


キャンペーン詳細は下記BUDO-STATIONページで
詳細はこちら

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