【露頭位置】

三重県志摩市阿児町安乗
N34°21'25.4" E136°54'3.8" (Loc.1)
N34°21'24.4" E136°54'4.2" (Loc.2)
N34°21'19.6" E136°53'59.0" (Loc.3)

 

 

 

【参考文献】

1:50,000地質図「志摩」(2017)

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献から引用します。

▶中生代 後期白亜紀

▶的矢層群

▶相差(おうさつ)コンプレックス

 ▶砂岩及び砂岩優勢互層

 ▶泥岩優勢互層

 

志摩市の安乗崎の南西の海岸にて、四万十帯付加体に属する地質体を観察いたしました(2020年9月訪問)。

Loc.1と2です。後期白亜紀の的矢層群相差コンプレックスの地層(四万十帯付加体)を、第四紀更新世の段丘堆積物が覆っています。

Loc.1 露頭見取図です。整然とした地層は殆ど無く、破断したりメランジュのように混在した姿をしていることが多いです。風化の影響により、全体的に褐色を帯びています。

Loc.1 

Loc.1 


Loc.1 この写真の範囲には泥岩優勢の砂岩泥岩互層が写っています。破断した厚い砂岩層に由来する砂岩ブロックも見られます。

Loc.1 破断した泥岩優勢の砂岩泥岩互層

Loc.1 破断した泥岩優勢の砂岩泥岩互層。破断した厚い砂岩層に由来する砂岩ブロックも見られます。手前に1mスケールを置いています。

Loc.1 破断した泥岩優勢の砂岩泥岩互層。割れ目が少ない領域は砂岩ブロックです。写真下端に1mスケールを置いています。

Loc.1 破断した泥岩優勢の砂岩泥岩互層。小さな断層や劈開が発達しており、オリジナルの堆積構造は判りづらくなています。

Loc.1 1mスケールの左端までが泥岩優勢の砂岩泥岩互層、それより左が砂岩泥岩互層です。

Loc.1 砂岩泥岩互層

Loc.1 砂岩泥岩互層。大部分が破断しており、元々の堆積構造は殆ど失われています。右下のスケールは1mです。

Loc.1 破断した砂岩泥岩互層。断層に沿って扁平な砂岩岩塊が瓦を重ねたように配列しています。デュープレックス構造のようにも見えます。断層の右側(北西側)が相対的に上昇したと思われます。

Loc.1 破断した砂岩泥岩互層。手前に1mスケールを置いています。

Loc.1 破断した砂岩泥岩互層。砂岩層が連続せず、扁平な岩塊の形状をしていることから、整然とした地層が千切れたことが窺えます。

Loc.1 破断した砂岩泥岩互層

Loc.1 破断した砂岩泥岩互層。泥岩よりも砂岩の方が割れ目(層理、劈開、節理)の間隔が粗いです。砂岩にはこのように層構造とほぼ直交する節理が生じていることがあります。

Loc.1 後期白亜紀の砂岩泥岩互層を不整合に覆う第四紀の段丘堆積物(砂層と礫層)。不整合面は凹凸に富んでいます。

Loc.1 砂岩泥岩互層を不整合に覆う段丘堆積物。不整合面直上には砂層、その上に礫層が重なっています。写真右端のように、礫層が砂岩泥岩互層(基盤岩)を直接覆っているところもあります。

 

Loc.2 後期白亜紀の破断した砂岩泥岩互層を、第四紀の砂層と礫層(段丘堆積物)が覆っています。ハンマーの長さは30cmです。

Loc.2 破断した砂岩泥岩互層。破断の程度が強く、メランジュや混在岩と呼んでもいいような姿をしています。

Loc.2 破断した砂岩泥岩互層。中央の暗い色のところは固結した破砕帯のようになっています。

Loc.2 破断した砂岩泥岩互層(メランジュ)と段丘堆積物(砂と礫)。左側の淡褐色の岩は砂岩です。メランジュと砂岩は断層で接しており、ハンマーを置いてあるところの岩壁は断層の面にあたります。

Loc.2 砂岩とメランジュ(破断が進んだ砂岩泥岩互層)の境界を成す断層。走向傾斜は N25°E 65°NW です。

Loc.2 砂岩とメランジュ(破断が進んだ砂岩泥岩互層)の境界を成す断層

 

Loc.3 破断した砂岩泥岩互層

Loc.3 北東側が相対的に上昇する断層の運動履歴が残されています。

Loc.3 破断した砂岩泥岩互層を斜めにカットする断層

Loc.3 破断した砂岩泥岩互層を斜めにカットする断層

Loc.3 断層沿いに、瓦を重ねたような組織(複合面構造)が見られます。

Loc.3 破断した砂岩泥岩互層。写真中央からやや右下のところで地層の上下を判定することができました。

Loc.3 砂岩泥岩互層の砂岩層の接写です。スケールの0cmから9cmにかけて砂粒が徐々に細かくなっており、右側(北側)が上位と判断致しました。

【露頭位置】

静岡県榛原郡川根本町千頭 池ノ谷の寸又川右岸
N35°8'26.6" E138°7'37.9"

 本題からは逸れますが、池ノ谷と奥泉には環流丘陵があります。川井集落の丘や八木集落の北側の山も、将来は環流丘陵になると思われます。

 

【参考文献1】

1:200,000地質図「静岡及び御前崎」(2010)

 

【参考文献2】

日本地質学会構造地質部会(編),2012,日本の地質構造100選.朝倉書店,180p.

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献1から引用します。

▶白亜紀カンパニアン期―古第三紀暁新世

▶犬居層群

▶混在岩(泥質基質中に砂岩岩塊を含む)

 

川根本町千頭 池ノ谷の寸又川右岸の露頭です。四万十帯付加体に属する犬居層群の混在岩(メランジュ)が現れています。右側(北西側)へ傾く割れ目は劈開面にあたります。

泥岩基質と砂岩岩塊からなるメランジュです。置いてあるスケールは1mです。


この露頭は参考文献2で示されています。扁平な砂岩岩塊が瓦を重ねたように配列しており、メランジュ形成時に剪断変形したことが示唆されます。右下のスケールは23cmです。

露頭概要図です。上盤側が相対的に上昇する逆断層成分と左横ずれ断層成分が合わさった斜めずれの運動・変形の履歴が読み取れます。

暗灰色の泥岩基質の中に、灰色の砂岩岩塊が含まれています。

メランジュによくある block in matrix の組織が見られます。右側(北西側)へ傾く断続的な縞模様や扁平な砂岩岩塊の配列が劈開にあたります。

右側(北西側)へ傾く割れ目が劈開にあたります。露頭下端に1mスケールを置いています。

泥岩基質と砂岩岩塊からなるメランジュ。ハンマーの長さは33cmです。

泥岩基質と砂岩岩塊からなるメランジュ。元々は整然とした砂岩泥岩互層であったと思われますが、プレート沈み込み帯でくしゃくしゃに破壊され、混ぜこぜになった姿です。

【露頭位置】

山梨県南巨摩郡早川町雨畑 井川雨畑林道

N35°21'7.3" E138°17'52.3" (Loc.1)

N35°21'45.2" E138°18'23.4" (Loc.2)

N35°21'46.4" E138°18'28.3" (Loc.3)

N35°23'10.6" E138°18'53.8" (Loc.4)

 

【参考文献1】

1:50,000地質図「身延」(2018)

 

【参考文献2】

横山俊治・柏木健司,1996,安倍川支流関の沢流域の瀬戸川層群に発達する斜面の傾動構造の運動像.応用地質37巻2号,20-32.

 

【参考文献3】

上野将司,2012,トップリングタイプ斜面変動の調査と対策.応用地質技術年報No.31,25-41.

 

見学箇所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献1から引用します。

▶新第三紀 前期中新世

▶瀬戸川帯

▶瀬戸川層群

▶黒色粘板岩(一部千枚岩)(頁岩優勢の左岸頁岩互層を含む)

 

2019年に訪問いたしました。早川町の雨畑川沿いの林道にて、前期中新世の粘板岩の露頭を確認いたしました。

 

【Loc.1】N35°21'7.3" E138°17'52.3"

 

 Loc.1 

 Loc.1 

Loc.1 ここでは参考文献2や3に示されているような変形構造(トップリング)を見ることができました。

Loc.1 高角度の劈開を有する粘板岩がお辞儀するように折れ曲がっています。これは、テクトニックな褶曲構造ではなく、地表直下での領域に限定された重力による変形構造(トップリング)と見受けられます。

Loc.1 ここは尾根の先端の露頭です。右側(東側)へ向かって倒れ込む構造が優勢ですが、左側(西側)へ倒れ込む構造も見られます。

トップリングの漫画です。トップリングは地表直下に限定された現象であることを示すために、人物のオブジェクトを配してみました。この漫画ではトップリングする範囲は地表から深さ数m程ということになりますが、参考文献3によりますと地表から深さ数十mまでトップリングが及んでいるケースもあるようです。

Loc.1 狭い範囲ではありますが、左側(西側)へ倒れ込む構造が見られました。

Loc.1 参考文献1の地質図によりますと、露頭下部の急傾斜した劈開が、トップリングの影響を受けていないオリジナルの構造であると見受けられます。右下に1mスケールを置いています。

Loc.1 粘板岩の接写です。黒色を呈します。劈開がミルフィーユ状に細かく発達しています。

Loc.1 トップリングのヒンジの箇所の概要図です。粘板岩の劈開は滑らかにカーブしているように見えますが、実際には折れながら曲がっているイメージです。そのため、開口亀裂や隙間がいたるところに生じています。

Loc.1 トップリングの折れ曲がり領域

Loc.1 トップリングの折れ曲がり領域

Loc.1 トップリングにより転倒した岩塊。ドミノ倒しのような姿をしています。

Loc.1 トップリングの折れ曲がり領域。植物の根の影響もあると思いますが、隙間や開口亀裂がいたるところに生じています。

Loc.1 トップリングによって倒れ込み、劈開の傾斜が緩くなった粘板岩。この範囲だけの露頭が現れている場合、本来の劈開の姿勢を見落してしまうことになります。山腹斜面での調査では、このような現象に注意が要ることを学ぶことができました。

 

【Loc.2】N35°21'45.2" E138°18'23.4"

 

Loc.2 高角度の劈開と低角度の節理を有する粘板岩。写真下端に1mスケールを置いています。

Loc.2

Loc.2

Loc.2

 

【Loc.3】N35°21'46.4" E138°18'28.3"

 

 

Loc.3 鈴の木桟道

Loc.3 鈴の木桟道付近の粘板岩

Loc.3 劈開が褶曲している粘板岩

Loc.3 粘板岩

Loc.3 劈開が比較的整然としている粘板岩

Loc.3 狭い範囲ではありますが、ここでもトップリングの変形構造を見ることができました。左端のスケールは1mです。

Loc.3 転倒した岩塊の足元には隙間があります。

 

【Loc.4】N35°23'10.6" E138°18'53.8"

 

Loc.4 粘板岩

Loc.4 劈開が斜面下方へ倒れ込んでいるように見えます。トップリングかもしれませんが詳細不明です。

Loc.4 劈開がジグザグに折れた粘板岩

Loc.4 斜面変動の結果生じたものか、キンクバンドのようなテクトニックな変形構造か、、、成因は不明です。ただしトップリングにありがちな隙間があまり無いので、後者のような気もします。

Loc.4 ジグザグの劈開を有する粘板岩

Loc.4 ジグザグの劈開を有する粘板岩

Loc.4

【露頭位置】

山梨県南巨摩郡身延町遅沢 早川橋
N35°26'0.6" E138°25'22.3"

 

 

【参考文献】

1:50,000地質図「身延」(2018)

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献から引用します。

▶新第三紀 後期中新世

▶富士川層群

▶相又層

▶鷹取火山砕屑岩砂岩泥岩部層

▶泥岩及び砂岩泥岩互層(安山岩火山砕屑岩の薄層を挟む)

 

2019年に訪問いたしました。

下流を背にして見た早川橋です。

早川左岸から対岸を眺めた景色です。

急傾斜した泥岩が現れています。参考文献の地質平面図によりますと、層理の走向はNNW-SSE、傾斜はWSW側へ70° と示されています。

 

急傾斜した泥岩層。スレーキングしているため、ハンマーピックの軽い打撃でボロボロに崩すことができてしまいます。

手前には泥岩、ハンマーを置いていあるところには火山礫凝灰岩が現れています。

泥岩と火山礫凝灰岩

泥岩の火山礫凝灰岩。泥岩には右側(西側)へ急傾斜する細かい板状の割れ目が発達しており、これが層理にあたります。

泥岩と火山礫凝灰岩

泥岩と火山礫凝灰岩。ハンマーの枝の方向にある泥岩の割れ目が層理です。泥岩と火山礫凝灰岩の境界は平滑ではなく凸凹しています。

ハンマーを置いてあるところでは、泥岩の中に火山礫凝灰岩が半島状に分布しています。何故このようになっているのか、恐れ入りますが詳細不明です。

火山礫凝灰岩

火山礫凝灰岩。堆積構造は不明瞭です(塊状無層理)。

礫の大きさは径64mmより小さい火山礫(lapilli ラピリ)が圧倒的に多いですが、このように大きな礫がポツンと含まれていることもあります。

火山礫凝灰岩

安山岩の礫が多数派ですが、花崗岩質岩の礫も稀に含まれています。

火山礫凝灰岩

写真左下に花崗岩質岩の礫があります。

火山礫凝灰岩に変位を与える断層がありました。

火山礫凝灰岩と断層

火山礫凝灰岩。小断層によって切断された礫がありました。

【露頭位置】

山梨県大月市賑岡町浅利

N35°37'14.2" E138°55'43.3"

 

【参考文献】

本間岳史,1976,丹沢山地北縁の地質構造.地質学論集,第13号,279-297.

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献から引用します。

▶新第三紀中新世

▶西桂層群

▶岩殿山累層

▶岩殿山礫岩層

 

山梨県大月市の岩殿山は、新第三紀中新世の礫岩が山体を構成しています。礫岩層は東西方向に分布しており、岩殿山西方の浅利川にて礫岩の露頭を確認致しました(2018年訪問)。

浅利川に表れている礫岩。下流を背にしています。

右側へ傾く岩畳状の岩盤が見えます。これが礫岩の層理です。層理の走向はENE-SWS、傾斜はNNWへ約30°です。

礫の配列から、右側(北北西)へ傾く層理が微かに見えます。

礫岩の接写です。礫径が64mm未満の中礫岩(pebble conglomerate)です。参考文献によりますと、礫の種類は砂岩および頁岩からなり、チャート等を伴う とのことです。このうち、砂岩の礫は私も確認いたしました。基質(matrix)の固結度は高いです。

 稚児落しや岩殿山の岩壁は遠くから眺めると滑らかに見えますが、このように礫の径があまり大きくないことが理由と思われます。

浅利川に表れている礫岩。上流を背にしています。

左側(北北西)へ傾く層理が見られます。この写真の範囲には、礫岩に挟まれる砂岩の薄層が現れています。

浅利川の礫岩。上流を背に見ています。左側(北北西)へ傾く微かな層理が認められます。

浅利川の礫岩。節理に沿って風化しています。左上のスケールは23cmです。

 

岩殿山から約1.5km西方、稚児落しの断崖です。ここにも礫岩が現れています。

稚児落しの稜線に現れていた礫岩。左下のスケールは23cmです。

西方から眺めた岩殿山です。山頂の右側(南側)は断崖絶壁ですが、左側(北側)は比較的緩い斜面となっています。北側の斜面は礫岩の層理に規制されていると見受けられます。ケスタ(cuesta)やホッグバック(hogback)と呼ばれる地形に該当すると見做せます。

猿橋駅付近から眺めた岩殿山です。

 

猿橋駅付近から眺めた岩殿山の南壁です。この岩壁のほぼ全てが礫岩から成ります。微かに見える右下がりの模様が層理かもしれません。

岩殿山南麓の丸山公園から見上げた光景です。

ここから眺めると、オリジナルの堆積構造は殆ど判りません。

その代わりに、岩壁とほぼ平行な節理が目立ちます。

岩壁とほぼ平行な節理が生じている礫岩

 応用地質や土木地質の分野で言うシーティングジョイント(節理)に相当するものと見受けられます。

 

 

 

 

 

【近隣の露頭】

 
 

【露頭位置】

神奈川県足柄上郡山北町山市場 河内川河床
N35°23'0.2" E139°1'59.9"

 

 

【参考文献】

狩野謙一・染谷 誠・上杉 陽・伊藤谷生,1988,足柄地域北西部における中期更新世以降の断層活動:プレート力学境界表層部での変形過程の例.静岡大学地球科学研究報告,14,p.57-83.

 

2017年6月、山北町山市場の河内川河床にて、第四紀更新世の足柄層群塩沢層の露頭を観察いたしました。

生憎、走向傾斜の記録が手元にありませんので、Google Mapの航空写真と私が撮影した写真から推測をいたしました。

足柄層群塩沢層。この写真の範囲には主に砂岩が現れています。河内川の上流を背にして見ています。層理は右側(西北西)へ傾いています。

第四紀更新世という比較的若い時代の地層ですが、元々はほぼ平らだったはずの地層がこのように大きく傾いています。

 

この写真は河内川の下流を背にして撮ったものです。ここの砂岩の露頭では級化構造を見ることができました。

級化構造が認められた砂岩。右が北北東、左が南南西です。

砂岩の接写です。スケールの目盛りの58cmと62cmのあたりに着目しますと、砂粒の大きさが変化している様子が見られます。この粒径の変化から、写真上方(北西)が地層堆積当時の上位と判断されます。

こちらでは砂岩と礫岩の互層を見ることができました。

砂岩礫岩互層。左端のスケールは1mです。右上には断層が写っています。

砂岩礫岩互層。右が北北東、左が南南西です。

砂岩と礫岩に変位を与える断層。走向傾斜は N70°W 60°NE です。

破砕帯の幅は10~15cmです。

ハンマー(L=33cm)を置いてあるところで牡蠣化石を見ることができました。

砂岩の中にある牡蠣化石密集帯

牡蠣化石

砂岩と礫岩

砂岩と礫岩

砂岩の上に重なる礫岩。右が北北東、左が南南西です。

水面があることによって、地層の走向と傾斜の様子が判る教科書的な露頭です。

直接触れて確認はしていませんが、この写真の範囲には砂岩が主に現れていると見受けられます。

層理面上に凸凹があります。おそらくこれは、地層堆積当時の水の流れの痕跡である漣痕(ripple mark  リップルマーク)と思われます。

河内川左岸の露頭です。ここでは礫岩を見ることができました。

中新世の丹沢層群の火山岩や火山砕屑岩に由来する礫(多くが緑色を呈します)や、丹沢層群を貫く花崗岩質岩の礫が認められます。

右下のように、花崗岩質岩の礫は白っぽいため目立ちます。

 

【近隣の露頭】

 

 

 

【牡蠣化石の事例】

 

 

【露頭位置】
静岡県駿東郡小山町生土

N35°22'35.2" E139°00'2.3"

 

 

【参考文献】

狩野謙一・染谷 誠・上杉 陽・伊藤谷生,1988,足柄地域北西部における中期更新世以降の断層活動:プレート力学境界表層部での変形過程の例.静岡大学地球科学研究報告,14,p.57-83.

 

2016年2月に訪問いたしました。

 

 

小山町教育委員会の解説看板

解説看板や参考文献を掻い摘んで描いた模式断面図です。

立てかけているスケールは1mです。

左側(北西側)の岩が丹沢層群、右が駿河礫層です。両者の境界が神縄断層です。断層の走向傾斜は N45°E 81°NW です。

若い時代の未固結の礫層が断層で切られていることが特徴です。

扁平な礫が断層に沿うように直立しています。断層の変位によって礫層が引きずられたことを示唆します。

断層露頭から約100m北西の丹沢層群の露頭です。右下に1mスケールを立てかけています。

丹沢層群の転石です。凝灰角礫岩または火山角礫岩です。

丹沢層群の凝灰角礫岩の転石。緑色を帯びています。

 

断層露頭から東北東へ約80mの箇所にて、駿河礫層の露頭を確認いたしました。オレンジ色の帯は軽石層です。立てかけているスケールは1mです。

礫層に挟まれる軽石層

軽石層の接写です。軽石の最大径は2cm程です。全体的に風化しており、ねじり鎌で削ることができました。

駿河礫層に含まれている風化した花崗岩質岩の礫

 

 

【近隣の露頭】

 

 

【露頭位置】

神奈川県足柄上郡山北町平山 足柄橋上流の酒匂川右岸

N35°21'18.9" E139°4'4.6"

 

 

【参考文献】

小田原啓,2009,かながわ露頭マップ ~ 「平山断層」.神奈川県温泉地学研究所観測だより,第59号.

 

2017年6月に訪問いたしました。

下流側から見た足柄橋。この橋の上流の酒匂川右岸に、平山断層の露頭があります。

足柄橋上流、酒匂川右岸の平山断層の露頭です。

足柄橋から遠望した平山断層の露頭

露頭全景

足柄層群(産総研20万分の1シームレス地質図V2によりますと、時代は第四紀更新世)と、未固結の段丘堆積物に変位を与える断層を見ることができました。なお、日向層の砂質シルト岩について、この露頭から約50m東に離れた箇所で、層理の走向傾斜 N10°W 20°W を確認いたしました。

 

断層の南東側、足柄層群日向層の砂質シルト岩を不整合に覆う段丘堆積物の砂と礫です。不整合面直上にはシルト岩の角礫からなる礫層が薄く堆積しており、その上には厚さ20~30cmの砂層が見られます。

場所によっては、砂層が基盤岩(日向層の砂質シルト岩)を覆っています。不整合面もろとも、段丘堆積物の砂礫層が断層によって切られています。

段丘堆積物の礫層の中には、このような花崗岩質岩の礫がしばしば見られます。

礫層の中の扁平な礫が、断層に沿って再配列(回転)している様子が認められます。

左から段丘堆積物の礫層、平山断層、足柄層群瀬戸層の礫岩です。

左から、足柄層群日向層の砂質シルト岩、平山断層の破砕帯(幅最大20cm)、足柄層群瀬戸層の礫岩です。破砕帯の右側を区切るシャープな面の走向傾斜は N40°E 60°NW です。

足柄層群瀬戸層の礫岩の転石です。転石で礫岩の姿を確認することができました。

 

 

【近隣の露頭】

 

 

 

【露頭位置】

静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須

N34°50'41.1" E138°45'59.3" (Loc.2)

 

 

【参考文献】

1:50,000地質図「修善寺」(1956)

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献から引用します。

▶第三紀 中新世

▶湯ガ島層群

▶湯ガ島変朽安山岩類

▶玄武岩・安山岩・火山砕屑岩および砂岩

 

西伊豆町の黄金崎(Loc.1)とその東方の海岸(Loc.2)にて、変質作用を受けた火山砕屑岩を見ることができました。2017年に訪問いたしました。

Loc.1 黄金崎 伊豆半島ジオパークの解説看板

Loc.1 黄金崎

Loc.1 黄金崎 直接触れて確認はできませんが、変質した凝灰角礫岩と見られます。

Loc.1 黄金崎 変質した凝灰角礫岩

Loc.1 黄金崎 変質した凝灰角礫岩。亀裂沿いでは風化・変質がより進行していることが窺えます。

Loc.1 黄金崎

Loc.1 黄金崎 写真からの推測ですが、凝灰岩かもしれません。右側へ緩く傾斜する板状の割れ目が右下にありますが、これは層理と見受けられます。亀裂沿いでは風化・変質がより進行していることが窺えます。

Loc.1 黄金崎 この写真の範囲は変質の程度が比較的弱いと見受けられます。下部は凝灰角礫岩、上部は凝灰岩と思われます。中央には礫径が徐々に小さくなる級化構造が見られます。

Loc.1 黄金崎

Loc.1 黄金崎 これは貫入岩かもしれません。

 

Loc.2 黄金崎東方の海岸では、変質作用を受けた凝灰角礫岩を観察することができました。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩(下)を覆う崖錐堆積物(上)。崖錐堆積物は礫径が不揃いの角礫からなり、全体的に鉄錆び色を呈しています。右端のハンマーの長さは33cmです。

Loc.2 崖錐堆積物

Loc.2 変質した凝灰角礫岩(下)を覆う崖錐堆積物(上)

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。この写真の範囲は変質の程度が比較的弱いです。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。亀裂沿いは風化・変質が進行しています。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩

Loc.2 変質した凝灰角礫岩

Loc.2 変質した凝灰角礫岩

Loc.2 石英脈を伴う変質凝灰角礫岩

Loc.2 石英脈を伴う変質凝灰角礫岩

Loc.2 石英脈の接写。晶洞の中に水晶が成長しています。この姿から、亀裂沿いに流体(≒熱水、温泉)が通過できるような隙間が在ったと考えられます。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。局所的に鉄さび色を呈しています。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。元からの姿なのか、変質の影響によるものか、礫が丸みを帯びています。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。この写真の範囲は変質の程度が比較的強く、オリジナルの岩石の姿が判りづらいです。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。亀裂沿いがボロボロになっており、ミニ断層破砕帯のような姿をしています。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。亀裂沿いがボロボロに角礫化しています。

Loc.2 変質した凝灰角礫岩

Loc.2 変質した凝灰角礫岩。断層破砕帯のような劣化領域が見られます。

Loc.2 扁平な角礫が並んでいることから、脆性的な破壊によって生じた断層破砕帯と思われます。

 

Loc.2 おまけ 浜辺の火山岩の転石の断面です。暗い色ほど変質が弱く、白いほど変質が強いです。左上から時計回りに、弱変質、弱~中変質、中変質、中~強変質といったように評価できると思われます。

 

【関連リンク】

 

【露頭位置】

静岡県賀茂郡西伊豆町大沢里(おおそうり) 白川右岸

N34°48'25.4" E138°49'42.9"

 

 

【参考文献】

1:50,000地質図「下田」(1970)

 

この場所の地質体の時代・地層名・岩相について、参考文献から引用します。

▶新第三紀 中新世

▶白川玄武岩類

 ▶凝灰質砂岩およびシルト岩

 ▶無斑晶質玄武岩および火山角礫岩

 

2020年に訪問いたしました。

西伊豆町大沢里、白川右岸の露頭です。この写真の範囲には板状の層理を有する凝灰質砂岩が現れています。スケール代わりに長さ30cmのハンマーを置いています。

手前には凝灰質砂岩、奥の木陰になっている所には玄武岩が現れていました。

露頭概要図です。凝灰質砂岩と玄武岩の境界をはっきりと確認することはできませんでしたが、玄武岩の節理の入り方から、両者の境界は凝灰質砂岩の層理と概ね調和的と思われます。玄武岩については、溶岩流として定置したのか、それとも貫入してきたものなのか、私は判断できませんでした。

凝灰質砂岩。層理は右側(北側)に約30°傾いています。

凝灰質砂岩。固結度は高いです。

凝灰質砂岩。所々、このように緑色を帯びています。

凝灰質砂岩

凝灰質砂岩。粒径の大きい層と小さい層が交互に重なっています。

凝灰質砂岩

凝灰質砂岩

 

玄武岩

玄武岩

玉葱状に風化した玄武岩。そら豆のような姿をした岩肌が見られます。

玄武岩。格子状の節理が玉葱状風化の発生に寄与したと思われます。横方向に走る低角度の節理は凝灰質砂岩の層理と概ね調和的です。左下のスケールは23cmです。

玄武岩特有の現象ではありませんが、明確な玉葱状風化を見ることができました。この写真の上端ではさらに風化が進行しており、土壌化しています。

 

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こちらでも玉葱状風化を見ることができました。