蒲郡市港町の「生命(いのち)の海科学館」に開館当時から展示されているクジラの化石が、国立科学博物館の調査で新種だと判明した。あごなどを含む頭骨が、これまで知られるナガスクジラの仲間と違うことから、クジラの進化の過程をさぐる大きな手掛かりになるという。和名「インカクジラ」と名付けられた。

ペルーで見つかった750万年前の化石で、長さ9㍍。1999年の開館時から展示されている。国立科学博物館の研究グループリーダーで筑波大の甲能直樹教授と、同館特別研究員だったフィリックス・マルクスさん(現・豪モナシュ大研究員)が昨年、豊橋であった学会に出席した際に、この化石を見て「新種の可能性が高い」と調査を進めていた。
調査の結果、上あごの骨の突起が狭く、下あごの付け根にねじれがあるなど、これまで知られるナガスクジラの仲間と異なる特徴がみられたことから、英国王立協会が刊行する学術誌に新種として掲載された。
これまで知られていない方法で餌を食べていた可能性も示された。「種」より大きな分類の「属」で、新しく「インカクジラ属」と認められた。現生種では、ナガスクジラ属とザトウクジラ属の2つに分類され、絶滅種も含めると7~8の属がある。

化石には、通常は残りにくいフィルター機能を果たす「ヒゲ」の痕が残っているなど、非常に保存状態が良いという。学名の「インカクジラ・アニリョデフエゴ」には、「ペルーと日本を橋渡しするインカのクジラ」という意味合いが込められており、クジラの進化の歴史を解明する手がかりになると期待が寄せられている。

国立科学博物館のクジラ研究の第一人者、甲能直樹博士が撮影し、研究論文として発表したインカクジラの全身(Royal Society Open Scienceより)

バルタン星人を彷彿とさせるインカクジラの頭蓋骨化石(Royal Society Open Scienceより)

ペルーで見つかった750万年前の化石で、長さ9㍍。1999年の開館時から展示されている。国立科学博物館の研究グループリーダーで筑波大の甲能直樹教授と、同館特別研究員だったフィリックス・マルクスさん(現・豪モナシュ大研究員)が昨年、豊橋であった学会に出席した際に、この化石を見て「新種の可能性が高い」と調査を進めていた。
調査の結果、上あごの骨の突起が狭く、下あごの付け根にねじれがあるなど、これまで知られるナガスクジラの仲間と異なる特徴がみられたことから、英国王立協会が刊行する学術誌に新種として掲載された。
これまで知られていない方法で餌を食べていた可能性も示された。「種」より大きな分類の「属」で、新しく「インカクジラ属」と認められた。現生種では、ナガスクジラ属とザトウクジラ属の2つに分類され、絶滅種も含めると7~8の属がある。

化石には、通常は残りにくいフィルター機能を果たす「ヒゲ」の痕が残っているなど、非常に保存状態が良いという。学名の「インカクジラ・アニリョデフエゴ」には、「ペルーと日本を橋渡しするインカのクジラ」という意味合いが込められており、クジラの進化の歴史を解明する手がかりになると期待が寄せられている。

国立科学博物館のクジラ研究の第一人者、甲能直樹博士が撮影し、研究論文として発表したインカクジラの全身(Royal Society Open Scienceより)

バルタン星人を彷彿とさせるインカクジラの頭蓋骨化石(Royal Society Open Scienceより)