屍鬼-03 | 鷲

私の読書の感想

謎の死が続き尾崎も苛立ちが隠せない。
とうとう、患者を怒ってしまう。
かつてのの様に―――――――。
尾崎家は代々、この村を守ってきた。
皆のを守るのが尾崎家の役目だからだ。
今回、死者が多すぎる。
これでは――――――――。

尾崎の下に夏野がやって来る。
彼は言った。
”清水さんが生き返ることはないんですね”
俺は答えた。
あの状態で生き返ったら、まるでゾンビや吸血鬼だよ!”って。
―――――――!?
今、俺は何て言った――――――?
癤・・・・・・・・
虫刺されの様な傷・・・・・
それは貧血から始まり・・・・・・・
続く家庭と続かない家庭があり・・・・・・
村は土葬の習慣があり・・・・・・・・・
まさか――――――

敏夫 「―――――疫病じゃなかったのか?」


――――夏野
尾崎と会話したその日、死の原因だと思われる桐敷邸へむかう。
先着がいた。
”かおり”とその弟、”昭”
二人は桐敷が全ての元凶だと思っていて、数日前から隠れて監視しているらしい。
そのことを大人たちに言っても信じてもらえず――――――。
3人は協力してこの謎を解くことに。
初めに”起き上がった”であろう
の墓を掘り起こしにむかう―――――。
その会話を物陰で聞く――――”辰巳”
あかん。

――――――尾崎
敏夫の下に運ばれてきた”節子”という女性。
奈緒と幹康の母。
―――――――――吸血鬼・・・・・・・・
敏夫 「節子さんを入院させようと思います。」

―――10月1日 土曜 友引
とりあえず、静信を呼び出しこの事を伝える。
初めは”起き上がり”を聞いて信じられない静信。
それが本当なら敏夫一人の手には余る事態。

―――――同日
夏野とかおりと昭の3人は恵の墓の前に来ていた。
恵のが姿を現す。
普通、釘かなんかで固定するはずが、中途半端に開いている。
想定内だ。
柩の中には恵の姿がない。
かおりが何者かに襲われる。

吸血鬼。
手に持っていたお守をかざすと、それに酷く怯える。
お守有効。
その隙に顔面をスコップで打ちつける夏野。
すぐに吸血鬼の脈を測る。
夏野 「――――――――死んでいる。」
初めから死んでいたのか、それとも今死んだのか。

―――――10月2日 仏滅
深夜、尾崎院で敵を待つ敏夫と静信
奴らから節子さんを守る。
敏夫の考えだと、奴らは4回に分けて血を吸う。
恵が8月12日に貧血に陥り、15日に死に至った。
その間、4回もの吸血が行われた。
では、何故その間に患者は助けを求めない?
それはたぶん、吸血の時に麻薬みたいな物を一緒に注入しているから?
それで犠牲者を意のままに操る。
静信は今、小説を書いている。
題名は”屍鬼”―――――――
―――彼はその丘で異端者だった。
            ―――美しく調和した世界において、彼は緑野の片隅に孤立していた。
―――彼の手にかかればすべては正常に動かない。
            ―――水を汲もうとして井戸車を回せばそれは土に変わる。
―――彼が隣人たちの中に加われば必ず彼らを困惑させた。
            ―――だから彼は一人であらなければならなかった。
―――それでも隣人達は孤立した彼を憐れみ手をひいて調和の中に引き戻そうとするのだが、
            ―――それに従えばいつも結果は同じだ。
―――いつの間にか彼は手を引かれることを拒むようになった
            ―――そうすれば、”孤立した存在がある”という事実が調和した隣人達を苛む
―――世界と彼の間には越えがたい隔絶が横たわっているのだ。
            ―――彼の弟は世界に寵愛されていた
―――彼を介せば水も汲むことができ、隣人達の中に入ることができた。
            ―――情深い人格者の弟、その慈愛は彼に関わらず全ての人を幸福にした。
―――彼は一人でいる限りは幸福だったし、弟と一緒にいるのも幸せだった。

では、そんな弟を―――――
―――――――――――――――――何故に殺傷せしめたるや

節子 「―――――ここよ」
急に目を覚ます。
外から窓を引っ掻く音がする。
意を決して、外を見る。

すると、そこには死んだはずの奈緒さんの姿が。
節子 「ここにいるわ!!!」
叫ぶ。
敏夫 「これは俺の病院だ!!
     奈緒さんだろうと誰だろうと侵入することは許さない!!!」

その場に立ちつくし、こちらをじっと見つめる生きる屍