黄昏乙女✕アムネジア-09 | 鷲

私の読書の感想

庚家――――
今は無いお社を代々守ってきた。
その社は山の神様を祀るためのもの。
そして、そこに祀られていた神様人を祟る神様だった。
村人はその神様の祟りを避けるため、一番大切なモノを捧げなくてはならない。
神の使い銅人様に――――
紫子 「そう―――――――
     ――――それは人の命
穢れのないもの。死の穢れを神様は好む。
大切なモノを捧げるのが庚家の仕事。
だが2人の父親はそのを犯してしまった。
大切なモノを捧ぐことが出来なかったから―――――
この村の現状はそのせいだと――――――。
紫子 「お役目を果たすのは今からでも遅くはありません!!
     わたしたち――――――
     ―――――庚の血筋がなすべきことは!!」
紫子に平手打ちする夕子。

ながらに紫子を抱きしめる。
何故、村人はそんないないモノを信じるのか・・・・・・・・。
神様なんていない。
そんなモノは存在しない―――――。
アカヒトなんて居ない。
なんで誰も話を聞いてくれないの―――――。

村人に責められる父親。
紫子か夕子のどっちかを人柱として捧げろと―――――。
人の子だからって好きかって言いやがって。

―――後日
父親に身支度をしておけと言われる2人。
この村を出るのか?
夕子の髪を梳く紫子。
紫子は昔から誰にでも優しくてしっかり者の姉が好き
紫子 「姉様にとって一番大切なものはなんですか?」
笑顔で答える――――
夕子 「紫子よ――――大切な妹
後ろから抱きつく紫子。
その瞳は暗く切ない―――――。


お父様の下へいく夕子。
旅行鞄に荷物をつめこむ父。
父 「・・・・・・・危険なことになるかもしれない。だからしばらくを出ようと思う―――」
最近の村人の様子はおかしい。
そして紫子も、村人と同じことを口走るようになった―――――
そして今、
紫子の姿はない――――。
夕子 「わたし紫子を捜してきます!!」
走る夕子。
妙な胸騒ぎ
紫子が人柱になろうとしている!!
目指すは学校にある
今の旧校舎。怪異調査部の部室。
扉を開ける―――――
いた―――――
―――――銅人様が。
でも違う、その姿は銅人様に化けた紫子。
・・・・・・・・・ということは。
後ろから村人にを押さえつけられる夕子。


アカヒト 「捧げ物は―――庚 夕子
なんでだよっ!!
アカヒト 「逃げられぬようにを折れ。生きたままほおりこめ。」
脚を折られ、祠に続く階段に投げられる夕子。
その後、木の板で扉を補強していく―――――。
紫子の肩に手を添える村人。
村人 「もうお仕舞いです、お帰りください銅人様――――」

―――――紫子
その後、疫病は収まることはありませんでした。
苦しむ村人。
悲しみから慰霊碑を建てる者もあらわれました。
父親は夕子を失った悲しみで自殺
一人取り残された紫子。
何一つ、意味がなかった。
でももう過去には戻れない――――
最愛なる姉に会うことは出来ない――――
夢から覚めた愚かな紫子は、
祠の木の板を剥がし夕子の下へ――――
夕子は、もう帰らぬ人に。
涙を流しその場でうずくまる紫子。
が聞こえる。
憎い・・・・・憎い・・・・・憎い
――――――憎い。
突如現れた影夕子に首を絞められる。
紫子 「ね・・・・え・・・・さま・・・」
わたしも・・・・・・・連れていってください・・・・・。
急に悲鳴をあげ、もがき苦しむ影夕子。
紫子を殺すことなく去っていく――――。
そして、60年後。
理事室で霧江とお話しする。
紫子 「どんな理由があったとしても姉だけは正しかった
     わたしも姉のように在ることだってできたはずなのです・・・・・・・・。
     最後まで・・・・・・・わたしは・・・・・姉様を救えれなかった・・・・。」
霧江 「夕子が・・・・・夕子が許せば、おばあちゃんは救われるの?」


紫子 「でも、そんな日はもう来ないわ。
    死者の心は永遠に変わることないのです。」

―――夕子
階段から落とされた夕子。
脚を引きずりながらも、出口にむかう。
だがいくら叩いても、叫んでも、開くことはない。
目の前にあるのは小さなと数本の蝋燭
夕子は誰にでも優しく接してきた。
紫子も心から愛していたし、村人を誰一人嫌っていなかった。
なのに。
恐怖に飲まれ・・・・・・・
在りもしないモノを信じて、馬鹿な人達。
そして最愛なる妹に裏切られた。
あんなに愛していたのに―――――。
どうして?わたしが死ななくちゃいけないの?
許せない。
許せない・・・・・・・・許せないっ!!
祠らに視線をおくる。
こんなモノのために―――――
夕子 「ねぇ・・・・・わたしのが欲しいんでしょう?あげるわ・・・・・・・・・。

この恨みが晴らせるのなら・・・・・わたしは・・・・・・わたしは・・・・――――」
そして、も塞がれ紫子に手をあげていた。
恨みがわたしをこの世に留まらせたのに、恨みを晴らすことができなかった。
わたしの死に関わったものはみんな疫病で死んでいった。
いくら懺悔の言葉を聞いても、どれだけむごたらしく苦しみ死んでも。
わたしは心を憎しみに囚われたまま恨みを晴らすことがないまま――――――。
黒い感情に囚われ続けるのは辛いことだった。
だから少しずつ、わたしは憎しみに関わる記憶を捨てていった
無意識に心を守ろうとして・・・・・・・
それが―――――
わたしを無意識な存在にしてしまうのに。

やがて、何も感じることはなくなった――――――。
それから一人でずっと時がすぎるのを待つだけ―――――
空虚な時間
そして――――
―――――大鏡の前に現れた一人の男子生徒

――――これが夕子の過去。
夕子 「これがわたし。恨みを晴らすことを拒んだ・・・・・・悪霊。」
過去を知った貞一。
夕子さんの願いは、過去を思い出せば解決すると思っていた――――
でも実際は、
過去を忘れるというのが夕子さんの願いだった――――。
これは永遠に続けられる。
また貞一のことを知らない夕子さんとしてこの学校にまた現れる。
繰り返し繰り返し。
でも、今の夕子さんならあの時できなかったことができる。
夕子 「ただ、あの時・・・・・・許すことさえできたなら・・・・・・。」
村人に生贄にされ、妹に裏切られ死んでしまった。
だがそれさえも、許してしまったらと彼女は言う。
貞一 「そんなことできるわけないじゃないですか!!
     恨んで当然です!!夕子さんは間違っていない!!」
でも、貞一に出会った今なら出来る。
夕子 「わたしはもう・・・・・人の弱さを憎まない。紫子を・・・・・・・憎めない。
     誰も・・・・・恨まなくていい―――――」

少しずつ消えていく夕子さん。
貞一 「・・・・・・ッ 夕子さん!!」
手を差し伸べる貞一。


夕子 「・・・・・やっぱり
    ひとりはいやッ・・・・・・!」
でも手を掴むことはできない―――――。

霧江に体を擦られ目を覚ます貞一。
貞一は三日間も祠の前に居たらしい・・・・・。
隣には夕子さんの遺骸が座っている。
その遺骸の手に指をそえていた貞一。
貞一 「夕子・・・・・さん・・・。」

感想終わり!!