北アフリカから中東にかけてのムスリム(イスラム教徒)国家について、明確な区別をすることは難しくもあるのですが、旅をすれば、イランはペルシア人、トルコはトルコ人、アラブ諸国はアラブ人と民族の境界があることははっきりわかります。
アラブ半島全域(アラブ首長国連邦、イエメン、オマーン、カタール、サウジアラビア)と、イラク、シリア、レバノン、パレスチナ、ヨルダン、エジプト、スーダン、リビア、アルジェリア、チュニジア、モロッコ、モーリタニアがアラブです。
その「アラブ」に住んでいるのがアラブ人。
したがって、隣接する国の中で
トルコ(トルコ語)
イラン(ペルシャ語)
イスラエル(ヘブライ語)
アフガニスタン(パシュトー語、ダリー語)
は「アラブ」には含まれないのです。
そして、アラブにこれらの国々を加えた地域の総称を「中東」と呼ぶわけです。
なので
「アラブ」<「中東」ということですね。おわかりいただけましたでしょうか(^-^)/
《イスラム世界 = 中東ではない》
イスラム教徒のことを「ムスリム」と呼びますが、世界で一番多くムスリムが住んでいる国は、意外にもインドネシアなんです。
2位: パキスタン
3位: インド
4位: バングラディッシュ
中国のウィグルや新疆などにも数千万人ものムスリムが居住していますし、マレーシアやブルネイ、フィリピン南部、タイの南部、ミャンマー北部にもいるムスリムたち...
つまり、世界に約16億人もいるイスラム教徒は、中東地域のみならずアジア地域にも多く存在しているのです。近い将来、世界人口の3分の1を占めるとまで言われています。
ほ~~~
というわけで、「イスラム人」という言い方は存在しないのでご注意を(^-^)/
日本の石油は、8割以上が中東に依存しています。そしてアラブには「石油王」と呼ばれる大富豪がいるのですが、いったい彼らはどれくらい大金持ちなのか?そして、「石油王」に供給され続けている莫大なオイルマネーは未来永劫続くものなのでしょうか?
その前に...
《レンティア国家とは》
国家の持つ天然資源を国王が管理し、国民に利益を分配するシステムを持つ国を「レンティア国家」といいます。中東の石油産出国はレンティア国家です。
ただし、レンティア国家では選挙がありません。レンティア国家では王様の権力は絶対です。金をやるから政治に文句を言うな、ということです。
また、全員が石油の恩恵を受けられるわけではありません。すごくいい暮らしをしているのは、国籍を持っている「自国民」だけ。