ヤフー創業者ジェリーヤンの今〜謙虚な男の次なる目的地とは | 海外(アジア)の豆知識 & ちょいとした話 〜 jintottyのブログ

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2012年1月、ヤフー共同創業者の一人ジェリー・ヤンさんは、同社の取締役を辞任し、日本ヤフーと中国アリババ・グループ(阿里巴巴集団)の取締役も退任しました。

その後はエンジェル投資家として活躍し、母校のスタンフォード大学に多額の寄付をするなど、「アリババ」のIPOで大幅に増やした資産を有効に活用しています。


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ヤンさんが最高経営責任者(CEO)を務めた2007~2009年頃、米ヤフーは米マイクロソフト(MS)からの買収提案を頑なに拒否するもその後、同社の株価は下落し業績の低迷が続きました。

時を同じくして米グーグルが台頭し、ヤフーはネット検索市場でシェアを奪われていったのです。

(ヤンさんの後任にはキャロル・バーツという女性がCEOに迎え入れられましたが彼女ものちに解雇されます)

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ヤンさんはCEOを退いた後も、もう1人の共同創業者デービッド・ファイロさんとともに「チーフヤフー」の肩書で2012年まで同社の経営に携わっていきます。

しかし今度は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の米フェイスブックが台頭し、ディスプレイ広告の分野でヤフーのシェアを奪っていくのです。


【アリババへの投資】

経営の舵取りに苦しむ中、「アリババ」という当時無名の中国企業に投資したヤンさんは経営責任を問われ、会社を追われてしまいます。その後ヤフーの経営陣はアリババ株を手放しますが...

この決断は、ビジネス史上最も愚かな経営判断のひとつとなってしまうのです。

この後アリババは世界市場を震撼させ躍進していくことになるのですから。


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【2008年時のヤンさんへのバッシング】

各メディアは、ヤンさんに対して公開リンチともいうべき激しい批判を行います。

ヤンさんがいかにYahooの株主と従業員の利益を裏切ってきたか...ということを非難していくのです。

ヤンさんはCEO退任に追い込まれるのです...


【ヤンさんの生い立ち】

台湾の台北で生まれ育ったヤンさんは、2歳のときに父親を肺疾患で亡くします。10歳のとき、母親とヤンさん、弟の3人は、台湾が中国に併合される懸念が出てきたのを機に、アメリカに移住します。

その後、スタンフォード大学で友人となったデビッド・ファイロさんと共に1994年 、ディレクトリサイト「ジェリーとデビッドのWWWガイド」を設立。その数カ月後、社名を「ヤフー」に改めます。

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【ソフトバンク孫さんとの出会い】

1995年、ソフトバンクCEOの孫正義さんはヤンさんとファイロさんに会いに行き、ヤフーに200万ドルを投資して5%の株式を取得します。その後も投資額を増やし、一時はヤフーの37%もの株式を保有するまでとなりました。

そんなわけで、日本初のポータルサイト「ヤフージャパン」は1996年に営業を開始したのです。


【ヤンさんとスティーブ・ジョブズの共通点】

2人には、共にユニークな技術とビジョンで企業を創設し、それを世界的な存在にまで押し上げたという共通点があります。

さらに、創設者としての立場を追われたのちも再度その企業を率いるというチャンスを与えられたところも同じです。


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【ヤンさんの人柄】

ヤンさんがエンジニアたちに好かれているというのは有名な話です。大学生の時に興した企業がどんどん成長しても、お気楽でアンチ大企業的なスタンスがヤフー的文化を形成していました。しかしその人の良い性格が、苦境に陥ったヤフーで人員削減をし、組織を大幅に改編することの邪魔をしたのです。

他方のジョブズは、泣く子も黙る恐怖政治家タイプ


 【レノボ社の評価】

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2014年、レノボは経験豊富な起業家兼投資家であるヤンさんを非業務執行取締役に任命しました。レノボ・グループの会長兼CEOは次のように述べています。

「彼の起業家としての確かな実績、独自のグローバルな視点、インターネット時代の偉大なイノベーターの1人としてのパイオニア精神は、私たちがレノボで重視している資質です。レノボを多角化し、尊敬を集める世界的技術リーダーへと成長させていく中で、彼の意見は取締役会にとって重要であり続けるでしょう。」

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米国、中国、英国、日本、香港出身の役員で構成されるレノボのグローバルな取締役会へのヤンさんの参加は、レノボがいよいよグローバル化、多角化しようとしているタイミングでの人事となります。

現在レノボは

PCのシェア:20%で首位、スマートフォンのシェア: モトローラをグーグルから買収し第3位、タブレットのシェア: 第3位、PC+タブレット: 首位

レノボは今、エンタープライズ、モバイル、エコシステム/クラウドという3種の成長エンジンがあり、将来に備えた好位置に付けています。


創業者でありながらも企業を追われた男の新たな人生は今始まったばかりなのです!

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