何度も繰り返してきた別れ際の話。



残り時間を意識し始めると本当にあっという間で。

あと1分だけでも一緒にいれたらなんて思う。



どんなに願っても離れ離れになる時間は来て。


簡単に手を伸ばせば触れていた手が、気づけばあまりにも遠くなってしまう。


ずっと近くで見てきた顔が見えなくなって。

さっきまで聞こえていた声だって聞こえない。



私の隣には誰もいない。



そこでようやく、「また1人になるんだ」って思い知る。




駅の改札や空港の保安検査場で。



これまで何度も見送った。

何度も大切な人をひとりきりで置いていった。



いつだって私は追いかけられなくて、置き去りにしてきた。



どうしても越えられない境界線。

どんなに越えたいと願っても、現実が、理性がそれを許してくれない。



彼女がいなくなったばかりの世界では「会えて嬉しかった」「次に向かって頑張ろう」って思えない。




また1人になって、何にも残らないように思えてしまう。

全部自分にとって都合のいい嘘か幻なんじゃないかと思う。


楽しかったって思い出よりも、どうしても寂しさが先に来る。



いい加減、すぐに前を向けるようになりたいのに。