きっとこれが最後になるだろうなと思いながら会った日。

上手い言い訳も思いつかないまま、半分叶えばいいなぐらいの気持ちでその後も会う予定を立ててはいたから、うっすらでも伝えなければいけないなとか考えていた。



ただ、いつも通りでいようと思っていた。

最後になるならめいいっぱい楽しんで、笑った自分でいようと決めていた。


そんなこんなであっという間に時間は過ぎてしまって、解散前の夜になっていた。

「これが会うのが最後になるかもしれない」と思ったらどうしても笑えなくなって。


自分でも違和感があったけど、隠しきれなかった。

でも関係性が変わった今なら、踏み込んで来ないんじゃないか、言わないで誤魔化せるんじゃないかと思った。






そのはずが、なんでか見逃してくれなくて。


あまりにも正面からぶつかってくるものだから、逃げられる気もしなくて。



私のせいでもう会えなくなるかもしれない。

何もかも捨てて逃げ出したい。

生きるように頑張りたくないって伝えるほかなかった。



さすがに私だって勝手に残される側のことを考えなかったわけじゃない。

たくさん迷惑かけるだろうなとか、驚かせてしまうだろうなとか。


前みたいに怒られるような気もしていたけど、それでも前ほどは向こうにつける傷はないんじゃないかって思っていた。

かける迷惑は前よりきっと少なく済むだろうと。


だから私がいなくなったって少し落ち込みはしても強いあの子はきっとすぐに笑って生きていけるからと高を括っていた。




「ふざけんなよ」

「あなたのわがままと私のこと天秤にかけてそっちを選ばれたのが悔しい」



自分のことじゃあんまり泣いたり怒らないくせに。

すぐ面倒くさがるから滅多に自分の気持ち出さないくせに。



「この先の予定楽しみにしてたの私だけだったってことじゃん、騙そうとしてた」



いつも放任主義で、縛るのも縛られるのも嫌いで。

人に何かを求めたり、期待することとかもってのほかだった。



「こっちの気持ちも考えてからにして、それでもそうしたいならまた話そう」

「死んだらもう話だって出来ない」



私なんかのために、らしくないことばっかりするなよって。

思った時には私までつられていた。



これが最後になるのは嫌だって。

今まで考える度に悲しくなる程には、ふたりで会える時間が大切で失いたくないって気持ちはあった。


それでも「離れがたいのは自分だけだ」って言い聞かせていた。

それならこの終わり方も許してくれるだろうと思ってた。

振り返っても手遅れになるように先手を打ってしまえば、逃げ切ってしまえると本気で思っていた。



傾聴とか共感とか。

今思えばおおよそ原則とされる反応じゃなかった。


私のぶつけた感情に対して感情が帰ってきた。


そのせいで、辛さを押し付けてひとりで背負わせるぐらいなら自分が生きている方が遥かにましに思えた。



逃がしてはくれなかったし間に合わされた。

もしこのまま死ぬとしたら、絶対に間際であの顔がよぎって悔やんでも悔やみきれない最悪な終わり方をすることになる。

久しぶりに生きなきゃいけないなって心から思った。



お互い次の日、目が腫れた。