ちょうど年末年始ということもあって向こうが地元に帰省している時のこと。
遠距離をしていた頃は毎年、空港までの道中を一緒に過ごしていたけれど、関係性が変わったこともあって今年は会う約束もしていなかった。
それに前に会って話した時に「少し会うのを控えたい」って話もあった。
「会ってもしんどい思いさせてしまうしな」ってほかの友人達と楽しくやっているところを安心しながらSNSで眺めていた。
そして迎えた、向こうが一人暮らしの家へ戻る日。
私はたまたま休みの日だった。
加えて2人とも気になっていた映画の上映期間だった。
年末から始まっていた映画。
年始は人混みや渋滞も多そうで諦めていた。
ちょうど周りが働き出したタイミングの今ならチャンスかもしれないって思った。
と、同時に。
万が一、億が一にもばったり出くわしてしまったらどうしようとかほんの少しだけ考えて。
どうにか気づかれないようにやり過ごすための脳内シュミレーションをしたりして。
気づかれても向こうから声なんてかけられないか、とか1人で勝手にへこんで。
行くのがそもそも面倒だから、その次の週の平日に行くでもいいかなんて揺らいだりもして。
まあどうせ来るわけないだろって思いながら劇場まで足を運ぶことに決めた。
それで到着した後。
チケットをとりあえず発券して。
ざっと周りを見渡してみて。
案の定というか、見知った顔なんてどこにもなかったからひと息をついた。
その後に売店を見て。
買いたかったパンフレットは売り切れていて。
グッズもなくて。
思ってたより時間持て余すなあとか考え始めていた頃だった。
なんとなく携帯を眺めてぼーっとしていた。
そんな中いきなり知りすぎている顔が急に目の前に駆け込んできて、声をかけてきたものだから本当に驚いた。
「なんかいるかもしれないって思ったんだよ」
関係性が変わった状態で会うのは初めてだった。
「会ってしまったらどうしようか」なんて考えていたのに、実際はどうしようとか考える間もなかった。
こう文字に起こしてみても不思議な話で、小説か何かの話かなって思ってしまう。
少しの時間ではあったけど。
話していてもとことんいつも通りのふたりで。
私としては自然に過ごせてとても落ち着く時間だった。
最近個人的にもいろいろあって「会えたらいいな」って思ってしまっていたのもあって。
会えてよかったな、話せて嬉しかったなって思ったし、何より気持ちがすっきりした。
今回の件であの子が無理していなかったならいいなと思う。
もしも私だけじゃなくて向こうも会いたいと思ってくれるなら、またゆっくり話したりしたい。