最近特に話題の〈ダービーのテン乗り〈初騎乗〉の勝利〉であるが、これは確かに1954年の◯地・ゴールデンウエーブまで遡らないとない。騎乗していた岩下密政騎手が左利きで左に刺さるゴールデンウエーブの癖を矯正するのに適しているとみられたためである〈らしい〉。因みに、岩下密政騎手は幻の馬『トキノミノル』のキャリア全てに騎乗していたジョッキーである。

そういう特殊事情がないと、ダービーのテン乗りはなかなか勝てないようだ。今年の東京優駿〈日本ダービー〉では、〈今のところ〉4.番人気のタスティエーラと3番人気のファントムシーフがダミアン・レーンと武豊騎手のテン乗り〈まったくの初騎乗〉と勝てば69年振りの快挙と言えるパターンだけに、青葉賞組は勝てないジンクスと共に
「いつ破れるか見物である。」

そのため、今年の日本ダービーは50年振りの重馬場で行われた「皐月賞」をどうみるか含めて、僕がとても嫌っている
「過去10年のデータ」
で予想する浅い予想ではとても割り切れない結果が出ることが予測される。JRA「日本中央競馬会」が過去10年で予想するせいか、日本の多くのメディアが過去10年で予想したり、過去10年のデータが恰〈あたか〉も絶対であるかのようにみなすメディアも登場したりして、その軽薄な風潮には僕は反対する。過去のデータなんてものは、所詮今までの傾向が変わらないときにだけ使えるものであり、ほんとうは
『競馬は日々新しいからな。』by  井崎脩五郎先生
というのがこの世界の真理である。

1枠1番が有利だとしても、トウカイテイオーやナリタブライアンのように図抜けて強ければ⑧枠からでも勝つし、内枠でも負ける馬は負けるのである。だが、21世紀になってからのクラシック三冠馬は、すべて日本ダービーは③枠5番から優勝している。これは、単なる偶然と考えて良いのだろうか?

今年の無敗の皐月賞馬ソールオリエンス〈もまた〉③枠5番からのスタートとなる。一昨年、やはり無敗の皐月賞馬エフフォーリアで日本ダービーに臨みハナ差の2着と涙を飲んだ横山武史君にはまたとないチャンスである。⑤の単。もちろん、皐月賞の50年振りの重馬場開催の影響はゼロとは言えまい。だが、ゴ~ル前で差しても勝ちは勝ちである。

相手も青葉賞組は勝てない、だが2着は多い。のデータからクリストフのスキルヴィングを指名して、3連単の3番手に、①⑥17という人気の落ちた馬を含めて予想したい。14ファントムシーフと12タスティエーラが来たら3連複はトリガミ〈獲って赤字〉になるかも知れないが、それはそれで仕方ない。

◎⑤ソールオリエンス
◯②スキルヴィング
▲14ファントムシーフ
△12タスティエーラ
△①ベラジオオペラ
△⑥ショウナンバシット
△17ドゥラエレーデ

3連複2頭軸
⑤②→①⑥121417
各500円
3連単フォーメーション
⑤→②→①⑥121417
各500円
合計500円

僕がここで最も述べたいことは、一見対立し乖離もしているかのように思えるエビデンスを伴う科学と、都市伝説のようなオカルトが過去にこのようなことがあったから、という理由で結論を導き出している点に於いて〈全くの同根である〉もしくは〈兄弟のように似ている〉ことである。

僕の古い友人の中にも直ぐに、
「この事象の科学的根拠は◯◯である。」
と浅いデータを持ち出す者がいるが、JRAのデータが過去10年であるせいかこのような浅いデータを批判の対象にする者は驚くほど少ない。

それ故、
『競馬は日々新しいからな、
じゃあ何でデータやってるんだ。』
と1,993年のトウカイテイオーの有馬記念で突っ込んだ井崎脩五郎先生のことを僕はとても尊敬している。

それどころか、哲学者の永井均先生も、
『今まで◯◯億年、朝になると太陽が昇って来ようが、あす太陽が昇って来るとは限らない。』
と仰っている。だから、データはあくまでもデータなのである。

そこに「客観的」「エビデンス」「絶対に」といった述語を入れてはいけない。