4月13日土曜日、僕が外出しているあいだにベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集は届いた。

ゴルフのマスターズ、メジャーリーグ・ベースボール、競馬の皐月賞にポリーニのピアノを聴き、更には外出しようとするも京王線が停まりバスで振替輸送?されては、時間が足りない。

ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェンのピアノ・ソナタはご存知のように32曲作られたが、ヨハン・セバスティアン・バッハの、
『通称・平均律クラヴィーア曲集』
を『旧約聖書』と呼ぶのに対して、こちらの方は『新約聖書』と呼ぶ。

それは、無伴奏チェロ組曲を『旧約聖書』と呼び、チェロとピアノのためのソナタを『新約聖書』と呼ぶことと考え方は一緒である。

さて、10代の頃には丸々1年以上掛かったピアノ・ソナタ32曲の旅もこの年になると僅か4日で最終地点まで辿り着いた。それが若い頃には苦痛も伴った鑑賞が今は短調の暗めの曲を含めて楽しくて仕方ない。マウリツィオ・ポリーニが30代の頃には既に窮めていたであろうベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲、返品交換期限のひと月以内にもしも欠陥がディスクにあればみつけなければならないが、どうやら無事32曲演奏されているようだ。


マウリツィオ・ポリーニ〈1942〜2024〉

なな
ヴィルヘルム・バックハウス〈1884〜1969〉