今年の宝塚記念、タイトルホルダーやジャックドールはともかく、ドウデュースとシャフリヤールには出てきて欲しかった。イクイノックスの相手にはやはり古馬のダービー馬がいた方が相応しく思う。


さて、『アラビアン・ナイト』を語るシェヘラザード妃に手懐けられるシャフリヤール王〈シャリヤール王、シャフリアール王という表現もある〉の物語は簡単にいうと以下のようなものだ。


『物語のあらすじ
シャフリアール王(Shahryār)は彼の一番目の妻の不貞を発見した怒りから、妻と相手の奴隷の首をはねて殺害する。 女性不信となった王は、街の生娘を宮殿に呼び一夜を過ごしては、翌朝には処刑していた。側近の大臣が困り果てていたとき、大臣の娘のシェヘラザードは王の愚行をやめさせるため王との結婚を志願する。
 
シェヘラザードは毎晩命がけで、王に興味深い物語を語る。そして物語が佳境に入った所で「続きはまた明日。」と話を打ち切る。
 
王は新しい話を望んでシェヘラザードを生かし続け、千と一夜の物語を語り終える頃には二人の間には子どもが産まれていた。王は自分とシェヘラザードの間に子供が出来たことを喜び、シェヘラザードを正妻にする。こうしてシェヘラザードは王の悪習を終わらせた。』





↑↑↑↑↑は、ロシアの指揮者のエフゲニー・スヴェトラーノフ〈1928〜2002〉による5枚組のニコライ・リムスキー・コルサコフ集でこの曲を聴いたときにアマゾンには在庫があり、僕が買うかどうか迷っていると誰かが買ってしまった。〈旧盤〉

エフゲニー・スヴェトラーノフによるリムスキー・コルサコフ集は、もうひとつ1990年代に録音されたものがあるが、そちら〈新盤〉も在庫切れらしい。僕が度々覗く巨大blog『ハルくんの音楽日記』にも、リムスキー・コルサコフのシェヘラザードが好きならば、交響曲も好きなはずである。とある。



僕には、ロシア音楽の中で1.2、全音楽の中でも10指に入るほど好きなメロディーを持つシェヘラザードを聴いているあいだが至福のときであった。


↑↑↑↑↑のユーリ・テミルカーノフ指揮のものは、演奏が読売日本交響楽団であるのでオーケストラの音が最も近いと僕は思う。曲は交響曲のように4楽章構成となっているので、通常の管弦楽曲よりもある種の交響曲〈シンフォニー〉として聴いてほしい。各楽章にはサブタイトルが付いているので、参考にして貰えたら幸いである。


1.海とシンドバッドの冒険

2.カランダール王子の物語

3.若い王子と王女

4.バグダッドの祭り、海、船は青銅の騎士のある岩で難破、終曲。


これらは、シェヘラザードがシャフリアール王に語った『アラビアン・ナイト』の物語の一部で、船が難破して物語が終わった時点で終曲となり、傍若無人のシャフリアール王も現実に帰るのである。


僕もこの曲の中近東風のエキゾチックな演奏を聴いているあいだは、まるで夢の中にいる気分であった。もちろん、このblogで取り上げたワレリー・ゲルギエフ、エフゲニー・スヴェトラーノフ、ユーリ・テミルカーノフと言ったロシア🇷🇺の巨匠の振るオーケストラには川瀬賢太郎さんの指揮は

まだまだ敵わないかも知れないが、今回の

『フレッシュ名曲コンサート』

は、管楽器の音も安定しまたコンサートマスターの林悠介さんのソロや、首席フルート始め、力量確かな奏者も多かった。そのため、僕も彼女もたいへん満足したコンサートになった。


https://youtu.be/jR_Q7NbLzyU 


午前中に降っていた雨はウソのように上がり、帰り道は前方にいたオーディエンスがひとりまた一人と減っていくプロセスだった。僕はその前にスタッフには、

『とても良かったです。』

と声を掛けた。


帰り道は、僕は彼女と南武線から小田急・新百合ヶ丘駅に行き、そこで別れた。


その後、僕は本日聴いたコンサートのアンケートを書いたり、聴いた曲のCDを探したりした。フレデリック・ショパンのコンチェルト〈協奏曲〉は直ぐに見つかったが、ニコライ・リムスキー・コルサコフの管弦楽曲集は結果的に手に入らなかった。


そのことについてはまた別の機会で触れていきたいと思う。



ユーリ・テミルカーノフ〈1938〜〉