聖蹟桜ケ丘駅を過ぎると客が徐々に減ってきた。高幡不動駅で、先ほど朝食前まで巻き寿司を頬張っていた親子連れも、父親はリュックを担ぎ男の子は靴を履いて電車を降りて行った。


高幡不動駅からは2年前の7月4日に『ひの煉瓦ホール』に、J.S.バッハやリヒャルト・ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』、セザール・フランクの『交響曲ニ短調』を聴きにバスで移動した記憶と記録がある。


この日は、京王八王子駅行きの特急に乗ったので途中からは乗り換えもなく快適であった。北野駅では高尾山口駅行きのレールのポイントを越えてそこから先は直ぐだった。京王八王子駅には午後0時5分に到着した。僕はバス停に行き『市内循環バス』が凡そ15分毎に出ているのを確認して、トイレに行ってから地元でよく行くべーカリー&カフェ『ルパ』の京王八王子店に入ってみた。お昼時なので列ができていたが、幸いイートインスペースは残されていて僕はパン2個とアイスコーヒーを注文し、スタンプカードを見せて、

『こちらは使えますか?』

と訊いた。レジにいた店員さんが、

『はい。』

と答えスタンプを2個押してくれた。


幸い予定の午後1時00分のバスまではまだ30分以上の余裕があった。僕はゆっくりと食べていたが、次第にイートインスペースにいる客が減り始めた。食事を終えた頃には後ろにいた客はほとんど席を立っていた。もしかすると、いちょうホールに行く予定の客もいたかも知れない。僕は、スマートフォンでJRAとnet.keibaのホームページを確認して、

『枠連なんて馬券を買わなきゃ良かった。やはり、馬単〈2連勝単式〉か3連単〈3連勝単式〉だな。でも、3着まで分からないのに、3連単や3連複当たるか〜〜!』

と思っていた。リバティアイランドの桜花賞の末脚は歴代の二冠・三冠牝馬と較べても遜色ないものだった。それは、メジロドーベル、ファレノプシス、テイエムオーシャン、カワカミプリンセスを加えてもだ。それを落鉄したハープスターの例ばかり取り上げて、

『アホか?』

今度、川田ジョッキーのリバティアイランドが中途半端に落鉄なんてしたら、装蹄師はもちろんスタッフはクビである。とそこまでは思わなかったが、僕の予想が過去の名牝達とリンクしていたことには、

『大局観がある。』

として納得のいくものになっていた。


僕は、『ルパ京王八王子店』を出てバスターミナルに行き、列の最後尾に並んだ。開場は13時15分〈午後1時15分〉なので、市内循環バスが着いたら、そのまま入場できると思った。バスは定刻に到着・発車し、いちょうホール北にも予定通り着いた。ホール入口から2階へと階段を登り、前方に列のあることを確認するとまたまた最後尾に並んだ。既に客は入り始めていて、僕も招待状のハガキを箱に入れて、プログラムとアンケート用紙を一部頂いた。


僕が着いた席は〈R12〉、左側のもしもピアノがあれば鍵盤のよく見える席である。会場では、室内楽コンサートの始まっていて誰の曲かは分からなかったが、木管五重奏曲のようだった。


さて、本日もひと足早く、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン交響曲第1番ハ長調。


https://youtu.be/ySLW8D6V7fM 


ベートーヴェンの肖像画は実物とは似ても似つかぬものらしいのがほとんどなので、載せない。替わりにクルト・マズア〈1927〜2015〉の写真を載せたい。



いちょうホール・大ホール