セザール・フランクが出たところで、彼の残した唯一の交響曲を語るのも良いが、それは以前2021年7月にも触れたから、引き続き〈しつこく〉ヨハネス・ブラームスの話題。作品の完成に21年あまり掛かった第1番と違い第2番はものの数ヶ月で完成に至った。



クルト・ザンデルリンク指揮

シュタツカペーレ・ドレスデン演奏
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮
シカゴ交響楽団演奏



第3番ヘ長調に続き、第2番ニ長調も上がクルト・ザンデルリンク指揮〈シュタツカペーレ・ドレスデン〉で下がサー・ゲオルグ・ショルティ指揮〈シカゴ交響楽団〉の演奏するブラームスである。

テンポので落とし方、強弱の付け方はショルティ指揮の方にやや癖があり、ザンデルリンク指揮の方は基本的にインテンポ〈テンポ=速度を守る〉の演奏でそこが聴く人によっては、もたれつつも快感になるポイントである。だからといって、そもそもハンガリー人のショルティにビハインドがある訳ではない。例えば、第4楽章、複数のモチーフ〈動機〉を伏線として張りながら、終盤で見事な回収をしていく方法など指揮者によって差異はあれど破綻した演奏など聴いたことがないのだから、曲の造形がそもそも確りしているのであろう。

前回のブラームスの巻で取り上げた第3番も、今回の第2番も演奏は星の数ほどあり最初は僕もyoutubeとblog、それに他人の書いたAmazon customer reviewも参考にしたし、今もしている。しかし、ある指揮者の棒がよく他の作品も聴きたくなる場合もあり、それは動画がなかったら、工夫して検索するか音楽ソフトを買い求めるしかないときは自力で這い上がるしかあるまい。

最後にショルティ指揮のブラームス交響曲第2番第4楽章を、比較的短いから載せてみる。昔、のだめカンタービレで
『ブラームスの音楽にはムダな音がひとつもないんだ。』
という話を聞いたが、この曲もまた汎ゆる伏線を生かした桁外れの傑作である。