なぜ「第65回有馬記念」を盛り上げようとするのだ。そろそろ、有馬記念の賞金減額案が出て来ても良い頃だと思うが。

何か良いレースと悪いレースの差異が分からない。渡邊美智雄流に言うと、
「味噌と糞との区別が付かない。」
つまり、レースが与えられれば何でも買ってしまう予想家さんばかりなのか?この国は。

色々なところで言っているように、僕が最初に当てた大レースは、史上最低の6頭立ての有馬記念である。1,971年の馬インフルエンザの有馬記念は元が9頭立てのレースで、さらに菊花賞馬アカネテンリュウと芦毛の天皇賞馬メジロアサマなどが取り消して結局6頭立てで行われた。

1.⑥トウメイ
2.③コンチネンタル
3.⑦ダイシンボルガード

連勝複式を最低の200円当てて2,600円余りにした僕は両親に、
「有馬記念って良いレース?」
と訊くと
「良いレースだよ」
との返事が返って来た。僕はダービーの方が格上のレースと思っていたのでその答えが意外に思えたが、当時の「東京優駿〈日本ダービー〉」は、外国馬はもちろん外国産馬にも制限を加えて出走できなくしていた。その点有馬記念はサラブレッドであれば外国産馬でも牝馬でもあるいはセン馬でも出られた。だから、有馬記念を勝った馬が実力日本一なのだ。

ところで、現在の有馬記念はどうだろう?故・清水成駿さんによると
「シーズントップから有馬記念を目指す馬はいない。」
皆、菊花賞なり天皇賞〈秋〉なり、エリザベス女王杯なりジャパンカップなりを目指し、有馬記念は余力で闘う。

有馬記念が実力日本一だったのは、日本馬がジャパンカップを勝てなかった時代の話である。

日本馬が勝てなかった時代にセン馬でなくジャパンカップを勝ったトウカイテイオーやエルコンドルパサーはほんとうに偉いと僕は思う。

一方、未だに「有馬記念を持ち上げるマスメディア」は軽蔑の対象である。繰り返し言う。「今年の有馬記念を盛り上げるな!」