東電の福島原発の被災について、この数日でも明らかにこれまで恣意的に隠していたのではないかと疑われても仕方ないようなデータが、後出しで公表されて来る。
憤慨してしまう。
そのような組織の体質があるとするならば、国も、大企業も葬ったほうが世のためかも知れない。
日本の進路を決定づけ、第二次世界大戦に突入した政策の失敗の根拠の一つとしてこんな話がある。
1939年に、陸軍中佐の秋丸次郎のもとでの秋丸機関により「戦争経済研究班」が集められ、1941年に作成した報告書。これが葬られたという話し。
12月8日の開戦前のことだ。
研究班は秋丸を筆頭に、東大教授の有沢広巳、後の一橋大学長になる中山伊知郎らそうそうたる顔触れで、日本の国力で戦争が戦えるかを調査研究した。
現在とは違う情報環境の中で膨大なデータを集め、約一年半がかりで分析した結論は、「日本の経済力を1とすると、英米は20。日本は二年間は蓄財を取り崩して戦えるが、それ以降は無理」と。
その報告に列席した杉山元参謀総長は、この報告書の分析を「ほぼ完璧で、非難すべき点はない」と敬意を表しながらも、国策に反するからすべて燃やせと命令した。
有沢の死後、この報告書の一部が遺品から発見された。(以上、日経新聞、本年1月3日より部分引用)
もし、この報告書を基にして国策を誤らせなければ…。
同じようなことが、わが国原子力政策の中で起きていると考えても不思議ではない。
原子力政策は我が国のみならず、世界規模で誤った政策が貫かれれば、人類は滅ぶ可能性を孕んでいる。