伊藤園が「お~いお茶」を出し、お茶を缶で売る成功から一大マーケットを創造して久しい。
90年代の前半からか。
その前には、サントリーの「烏龍茶」が市場をこじ開けた。
当時、私の知る台湾人たちが感心していた。
烏龍茶を缶にして金出して買うマーケットを作ったこと。
それと、もう一点。
烏龍茶を冷やして飲む習慣を作ったこと。
ウーロン茶は夏でも暖かいものを飲む、それまでの習慣を打ち破った。
台湾メーカーも追随して、缶・ペットの大きな市場を形成した。
現在、サントリーは中国でも上海を中心にビールも烏龍茶も現地メーカーと互角に渡り合っている。
お茶をただではなく、缶やペットで買って飲む習慣を創出した。
市場形成の要素の内、雇用機会均等法なども進めば、ちょっと昔は女性事務員はコピーとり、お茶くみなどといった、ジェンダーによる分担も消えつつある流れも一因だ。社内でお茶を入れてくれる人がいなくなり、自販機のペットを買う。
クライアントの会議に呼ばれて行った際、そこの社員たちは個々にペットボトルを持ち込み、客である側にお茶が出ないこともしばしば。
クライアントであれ、協力会社であれ、訪問された側はお茶を出すのは社会の常識。と言いたいが・・・
すでに、水もただではない。ついには昨年、東京都は水道水をペットで商品化したほど。
そこで、今回はお茶の商品開発の話。
西鉄が開発した商品。
『星野村 八女茶』
八女は福岡が誇るお茶の名産地。ご当地商品として、なかなかのもの。
美味しいと言われているいわれを表示しており、味のレベルも高い。
お茶の例を、もう一つ。
バルスの嬉野茶。
フラン・フランを店舗展開拡大中のバルスが開発したお茶の葉。
こちらは、佐賀の名茶『嬉野茶』を商品化。
私が見たのは、表参道ヒルズと六本木ヒルズで。
バルスの和ブランド『J.』(ジェイ・ピリオド)で販売する。
ここの素晴らしさは、商品開発のアイデアとパッケージデザイン。
以下にローコストながら利益率を取れるかという課題を、ソフトパワーで実現しようとチャレンジしている。
写真は嬉野茶の『祝い茶』。
おめでたい席にと、金箔入りのお茶という商品開発アイデアだ。
商品ラベルはパッケージに差し込みで、解説のリーフレットを兼ねる。
外箱は、他の種類のお茶にも使えて、ラベル兼リーフレットが差し替わるだけ。
デザインセンスとは、いかにシックに作れるか、かつローコストでマネジメント目標も達成できる課題をもやりこなせるか。
バルスは、上手い!
また、別の機会で遭遇した八女のお茶屋さんは、国産紅茶に取り組んでいたりもする。
これから、お茶も可能性は高い