中台間ECFAは日本にとって不利か?
台湾は現在、馬英九総統のもと、ECFAに向けての準備が進行中だ。これによって、来年から台湾から中国に向けての貿易・投資が一層促進されるであろう。
日本側マスコミの論調は、おおむね日本製品の対中国貿易が不利になるという基調のようだが、うのみにせず、よくよく考えてほしい。
このような新しい制度が進むことを、いかに生かそうとするかが民間の活力源のはず。
見方を変えれば、日本企業にとっても有利な展開を生む可能性はぐっと開ける。
中国へは日本から直接進めるばかりが能ではない。
日台間の関税は一部を除き、関税0とか相当低く設定されており、日中間は依然として高い。(詳細はここでは解説しないが)
台湾と組むことが有利となる
1980年代を振り返れば、韓国、台湾、香港、シンガポールを日本のOEM工場化が進み、その4つの国と地域をNIESと言っていた頃だ。そこで製造し、日本、または欧米に輸出していた。
さて現在までも、世界の工場化した中国への展開についても、これまで台湾や香港と合作で進出すると有利だという考え方はあり、実際にそうしてきた日本企業もある。
中台両岸のECFA締結により、その考え方が一層有利になると小生は見る。ならば、世界でも最も親日的な地域であり活力あふれる台湾と再度、手を組んで展開することがお勧めだ。
この時代の組み方とは
単なるモノの輸出という考えではなく、企画デザイン、商標、ビジネスモデルなど知的財産や資本提携による管理・販売代理権等の権益なども絡ませた合作が、これからのお勧めのビジネスシフトだ。
小生が90年代中盤期から、日本企業が中国をはじめとするアジア進出について、台湾人、香港の事業家たちとの付き合いの中から彼らの行動なども見てきて感じていることだ。彼らとの関係性強化によって日本とアジアを見て行ってはどうだろう?
<ECFAとは>
両岸経済協力枠組協議(Economic Cooperation Framework Agreement。略称ECFA)とは、中華民国(台湾)と中華人民共和国(中国大陸)の両国が締結を検討している経済協定。
今年11月から開催される台北国際花卉博覧会の看板(台北市内地下鉄にて)
アジアは躍動しています。
これからの流れを見据えてビジネス行動を進めましょう!